「この曲。」バイオリンから始まるメロディ。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ A席の方では千愛と詩乃、
「さすがに、誰も動かないよね~~~。」
「うんうんうん。まだだね。」



濱村、
「さて。これからどんな…???」

鶴来、
「あ~~ん、最後ね~~。」



そして岬、
「おっと。」



袖から部員たち。

清水、
「来ましたね~~。」

犬養、
「うんうんうん。」

神代、
「…ってか、これ…、誰かビデオで録画は…???」

「あん。それなら岬が、俺やっちゃいますって。」
犬養。

清水と神代、何かしら思い出したように、
「あ~~。うんうんうん。確かに。」

神代、
「そう言えば、そんな事、言ってたか。」

犬養、神代に、
「何言ってんだか~~。あんたの後輩君の弟さんでしょう~~。」

神代、
「かかかかか。確かに。」

「まっ。忘れるのも無理はなし。只今恋愛まっしぐら~~。その分、岬は既に既婚者~~。」

その声に神代、
「もぅ~~。それは言わない~~。あっちは大学卒で結婚してんだから~~。」

犬養、神代を見て、ニコニコと。そして前を向いて、
「はいはい。」

清水、
「始るよ。」

犬養、神代、
「おっと。」


犬養の言う通り、岬の傍にはしっかりと三脚の上にはビデオが…。

その事は舘脇も、
「あ。教頭。今日の、これ…。誰か…ビデオ。」

その声に季久美、
「はい。しっかりと。吉宗先生が…。」

舘脇、小刻みに顔をコクリコクリと、
「あ、そ。うんうんうん。OK~~。…はは、ヌカリ、ありませんよね。」

季久美、ニッコリと、
「はい。」



部員たちはそれぞれの席に。
そして…。袖の方から兼高が…。
拍手が沸き上がる。

兼高、ステージの中央で観客席に一礼。
そして振り返り、今度はバイオリンのひとりの女性と握手。
そして、指揮台に。



汐梨、
「始るね~~。」

耀司、
「アンコール曲。」

睦美、
「えぇ。」

晄史、
「どんな曲…。」

耀司、
「さぁ…。」


そして…。バイオリンのメロディ。

それぞれが…。
「バイオリン…???」

そして…、またそれぞれが…、
「この曲。」

バイオリンから始まるメロディ。

耀司、
「聞いた時…???」

睦美、
「ロンドンデリー・エアー。」

汐梨、
「奇麗な曲~~。」

耀司、僅かに眉間に皺を。
「…ん…???…この曲。」

睦美、
「別名、ダニー・ボーイ。…アイルランド民謡ですね。」



清水、
「奇麗~~。」

犬養も神代も、
「うんうんうん。」


時折、主旋律のようにひとりのバイオリンが引き立つ。


汐梨、
「あの人のバイオリン、奇麗~~。」

耀司、
「うんうんうん。」

睦美、
「まるで、バイオリンが歌っているよう。」

耀司、口を開けて、
「あ~~~。はははは。」

汐梨も、
「うんうんうん。そんな感じ~~。」


奇麗に流れて行くバイオリンの演奏。
そしてひときわ際立つ、正に語り掛けてくれるかのようなひとりのバイオリン、
崇江のバイオリンである。

誰一人、何も言葉を発しない。ただ、ただ、聞き入るのみ。



…そして…。凡そ4分…。再び割れんばかりの拍手喝采。
黒いスーツ姿の兼高が観客席に向けての丁寧なお辞儀。

拍手が鳴り止まない。凡そ1分。


やがて…、幕は下りる。
ようやく会場内のざわつき。


それぞれが…、
「終わりましたね。」
「な~~んか、物凄い余韻。」
「かかかかか。確かに。」
「凄かったよね~~。」



舘脇、
「それでは。」

季久美も、
「えぇ。はい。」

汐梨、
「あん。芙美花に会っていきたいけど~~。」

耀司、
「かかかかか。まぁねぇ~~~。」



ゆっくりと会場から…。



既にロビーはごった返している。

汐梨、目を真ん丸にして、
「凄~~い人~~。」

耀司、
「かかかかか。確かに~~。」

晄史、高井戸の傍の女性に、
「あ、あの~~。」

汐梨、声を掛けられて、
「あ、あ、あ、はい。」

晄史、
「僕、眞鍋睦美の弟の晄史と申します。今日は、どうも、ありがとうございました。」

汐梨、そんな男性に、思わず瞬きして、
「あ、あ、あ~~。」
すぐさま耀司を見て。

耀司、そんな汐梨にニコリと、そして頷いて…。

「あ、あ、あ~~。いえいえ。とんでもない。こちらこそ。高井戸耀司の、妹の汐梨と申します。」
耀司を見ながら、
「あ、あ。…苗字は…。」

睦美、
「木守さん。」

眞鍋を見て汐梨、
「あ、あ、あ~~。はい。その…。木守です。」

晄史、汐梨に名刺を…。

汐梨、
「あ~~。は~~。は、はい。ありがとうございます。」

汐梨、すぐさまバッグの中から財布を。そして、
「すみません。私~~。」
目の前の男性と真鍋に自分の名刺を。

晄史、名刺を受け取って、
「ブライダルセレモニーhanayagi~花柳~。ウェディングプランナー、木守汐梨さん。」

睦美も名刺を受け取って、
「頂戴致します。」

汐梨、
「はは。ははは。うん。うんうんうん。」

耀司、晄史に、
「晄史さん、どうですか…???…食事。」

晄史、その声にニッコリと、
「えぇ。そうですね~~。食事するのには、丁度良い時間でもありますよね。」

睦美、麻沙美に、
「麻沙美ちゃん、何、食べたい~~???…ふふふふ。」

すると麻沙美、
「麻沙美、カレーライス~~。」

晄史も睦美も、
「はははは。」
「そっか~~。カレーライス~~。」








ママでいい…。   vol,064.   「この曲。」バイオリンから始まるメロディ。

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