そして…。
舘脇、
「さて。…どんな曲が~~。」
その声に季久美、
「ふふ。」
第2部。
こちらでも…。
耀司、
「そろそろ。だね~~。さて。どんな曲…???」
静まり返る会場。
…すると…。マリンバの音。
いきなり麻沙美、
「あ。ラピュタ。」
その瞬間、会場内でもどよめきが…。
汐梨、
「あは。」
耀司、
「うん。うんうんうん。」
睦美、
「わぁ~~~。」
晄史、
「確か…、天空の城ラピュタ。」
「うんうん。」
晄史、姉を見て、
「え…と~~。曲名は…。」
睦美、頷きながら、
「君を乗せて。」
清水、
「あは。この曲なんだ~~。」
犬養、
「天空の城かぁ~~。」
神代、
「いいよね~~。」
「あん。ダメだ~~。」
こちらでは千愛、
「涙出て来た~~。」
詩乃も、
「うんうん。私も~~。」
季久美、
「子供から大人まで、知らない人、いないかも…。ふふ。」
舘脇、ニッコリとしながらの頷き。
麻沙美、ニコニコと演奏に静かに体が揺れる。
汐梨、
「あは。ダメだ。また涙…。」
耀司、
「かかかかか。」
そして…。演奏が終わって…。
…中央からひとりの女性がステージの前に。
麻沙美、左手で母の右二の腕に、そして右手人差し指を前に、
「ママ、お姉ちゃん。」
汐梨、涙ながらに、コクリと。
「うん。」
耀司、睦美と晄史に、
「娘です。」
その瞬間、睦美、晄史、目を真ん丸に、
「うそっ!!!」
耀司、
「かかかかかか。ソロだそうです。」
睦美、晄史、いきなり高井戸を見て、
「うそ―――――っ!!!」
ふたりともに、すぐさま小さくなって。
睦美、小さな声で、
「え~~~~~。」
麻沙美、
「わぁ~~~。お姉ちゃんだ~~。」
汐梨、
「うんうんうん。芙美花~~~。凄い~~。」
耀司、大きく頷いて、
「うん。頑張れ。その為に夜遅くまで。」
睦美、その声に、
「そうだったんですね~~。」
耀司、小さく、
「えぇ。」
舘脇、
「いよいよですな。」
季久美、
「頑張って、高井戸さん。」
清水、
「来た~~~~。はははは。うんうんうん。」
犬養、
「あ、あれ…って…???」
神代も、
「うんうんうん。2年の…、確か…。」
清水、前を見ながら、
「高井戸芙美花。ウチのクラス。クラリネットを吹かせたら右に出る者なし。ふふふふ。しかも、今回はソロ。」
犬養、神代、
「わお。」
千愛に詩乃、
「芙美花~~~。」
濱村、
「いやいやいや。…、もしかして…。」
鶴来、
「ソロよ。何と。」
芙美花、ステージ前、そしてピアノの傍で。
ピアノは兼高。
芙美花、ステージ上で深くお辞儀をして。
…そして、また会場内は静まり返る。
汐梨、小さな声で、
「芙美花~~。」
両手をガッシリと組んで。
クラリネットの音。そしてすぐさまトレモロからグリッサンド。
ラプソデー・イン・ブルーである。
耀司、
「お~~~~。」
睦美、
「凄い。」
晄史も、
「いやいやいやいや。」
芙美花、緊張感でも何とか…。しかも、ピアノとのコラボも完璧に。
千愛、
「凄~~い。」
詩乃も、
「うんうんうん。」
岬、
「マジかよ。凄ぇなぁ~~。ここまでやる…???…って言うか、出来る…???…わお。」
表情も豊かに芙美花。知らぬ間に6分近く…。
そして…。演奏終了、途端に拍手喝采。
舘脇、ニッコリと。そして、顔を左右に拍手。
「いやいやいや。はははは。何とも誇らしい。」
季久美もにこやかに拍手、
「えぇ。」
耀司、拍手しながら、
「かかかかかか。や~~りぃ~~~。」
汐梨、もはや顔が涙でぐしょぐしょ。それでいて割れんばかりの拍手。
「良くやった、良くやった。」
景織子、演奏を終了しての芙美花にガッツポーズ、
「良し、芙美花~~。」
千愛と詩乃も座ったままで抱き合いながら、
「やった、やった~~。」
濱村、
「いやいや。凄ぇなぁ。」
岬、左手を額に、そして顔を左右に、
「何とも、天晴。」
芙美花、観客席に向けて深くお辞儀を。兼高、ピアノから外れて…。
そして芙美花も、兼高と握手。そしてふたり、共に再び観客席に向けてお辞儀。
鳴り止まない拍手。
そんな中で芙美花、自分の席に戻り。
そして…。拍手が静かに…。
そして…。特徴的3拍子の小太鼓の小さな音。
耀司、
「始ったな。」
汐梨、
「うん。」
睦美、
「ボレロ…。」
耀司、その声に、
「えぇ。」
舘脇、
「こぅ、来ましたか。ボレロ。」
季久美も、
「えぇ。」
清水、
「うんうんうん。いいねぇ~~。」
岬、顔をぐるりと回して、
「いやいやいや。何とも。聴かせますね~~。」
最初は静かな演奏が、時間を経ての楽器が増え、音の厚み。
そして…、やがてトッティになる。最初はハ長調が、やがてはホ長調となって…。
…凡そ15分。
演奏は締めくくられる。
演奏が終わったと思うや拍手喝采。
中には立っての拍手もあちらこちらに。フィンガーホイッスルも。
睦美、
「凄~~い。」
顔を僅かに後ろに。
晄史も、
「はは。ほんとだ。」
耀司、肩を揺らして、
「いやいやいや。」
季久美、拍手しながら、
「中々~~。」
舘脇、ニッコリと、
「聴かせてくれます。」
「えぇ。」
犬養、
「悠月、中々~~。聴かせてくれるじゃない。ふふ。」
神代、
「はは。うんうん。犬養先生と兼高先生、同い年だもんね~~。」
その声に犬養、
「ふふ。私の一個上~~。」
清水も、
「うんうんうん確かに。…だよね~~。」

ママでいい…。 vol,062. 「クラリネットを吹かせたら右に出る者なし。」
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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
