部員たちはそれぞれの席に。
会場内は静まり返る。
そして…。黒のスーツに白いブラウスで…。
兼高悠月。
再び会場から拍手。
舘脇、季久美、
「いよいよですか。」
「えぇ。」
そして…。こちらでも…。
清水、
「頑張って~~。」
犬養、
「はは。緊張してきた~~。」
神代、
「うんうん。私なんてさっきからドキドキ。」
真っすぐ前を見て犬養、
「はは。当然だよね~~。」
清水、
「当然。…それに、あちらこちらにウチの高校の~~。」
その声に犬養、
「殆ど、ウチの高校の生徒や先生じゃないのぉ~~。」
その声にふたりとも、
「かかかかか。言えるかも~~~。」
確かに。あちらこちらに博楼高校の…。
汐梨、
「指揮者、女性…。」
耀司、
「うん。吹奏楽部顧問、兼高悠月先生。」
「へぇ~~~~。」
睦美も晄史も頷きながら、
「うんうん。」
兼高、観客に向かって丁寧にお辞儀を。
…そして…。
晄史、
「いよいよですね。」
睦美、
「うん。」
耀司、
「さて。第1部シンフォニック。…曲は…、分かんないんだよな~~。」
晄史も、
「そう…、なんですよ。」
いきなり。
「おほ。」
誰からともなく。そして、また、
「これ来たか~~。」
汐梨、
「凄っ。」
晄史、
「わ~~お。」
耀司、
「のっけから聴かせるねぇ~~。」
第1部シンフォニック・ステージ、
ドヴォルザーク、交響曲第9番「新世界より」第4楽章 。
耀司、
「いやいやいや。ドヴォルザークってか。」
睦美、
「うんうんうん素敵。」
晄史、
「やりますね~~。」
汐梨、いきなりバッグからハンカチを。鼻を啜って。
耀司、汐梨を見て、
「おぃおぃ。今からかよ。」
汐梨、既に目から涙が。
「だ~~って~~。凄いんだも~~ん。」
耀司、頷きながら、
「うん。とにかく。」
睦美、
「何度、聴いても、良いですよね~~。」
耀司、その声に頷きながら、
「うん。」
晄史、
「序幕からこれ。凄いね~~。」
凡そ、10分少々。そして、観客席からは拍手喝采。
耀司、
「さて。次は~~。」
睦美、
「うんうん。」
そして…。
また誰からともなく、
「おっと~~。」
耀司、と晄史、
「わお。」
そして汐梨と睦美、
「カルメン。」
そして、それぞれが、
「うんうんうん。」
耀司、ニコリと、
「いいんじゃな~~い~~。」
睦美、頷いて、
「うん。」
5分経過。
耀司、
「かかかかか。凄いな。」
他の3人も、
「うんうんうん。」
凡そ20分。再び観客席から拍手。
舘脇、
「うんうん。お見事。」
そして、
「教頭、次は…???」
季久美、
「ふふふ。これも、校長にはお分かりかと。」
舘脇、季久美を見て、
「ん~~~???」
そして…。
睦美、
「スメタナ。…連作交響詩「我が祖国」より モルダウ。」
汐梨、
「あ~~~。うんうんうん。曲名は分かんないけど、うんうん。この曲、分かる~~。」
晄史、
「良い曲ですよね~~。」
千愛と詩乃、
「凄いよ、凄いよ。」
「うんうんうん。景織子~~。芙美花~~。」
こちらは凡そ15分。
ようやく耀司、
「いやいやいや。何とも、どんな曲が来るのか、予想付かないところが、また良い。」
汐梨と睦美、
「うんうん。」
晄史、
「ですよね~~。」
舘脇、
「さて。」
季久美、
「えぇ。」
そして季久美、舘脇をチラリと見て、
「第1部、シンフォニック・ステージ、終了です。…そして…、これからは、第2部のポップス・ステージ。」
にこやかに舘脇、
「ほぅ~~~。」
汐梨、麻沙美に、
「麻沙美~~。トイレは…???」
耀司、
「ははは。今の内に、行っといで。」
麻沙美、いきなりの声に、
「えっ…???」
思わず目をパチクリと。
汐梨、
「ははは。寝てた。」
耀司、
「はははは。確かに、今の曲は、ある意味、子守唄かな…???」
汐梨、眞鍋達に、
「ちょっと、すみません。」
睦美も晄史も、
「いいえ。」
「はい。行ってらっしゃい。」
休憩時間は、凡そ10分。
耀司、睦美に顔をチラリと。
「眞鍋さんは…、クラッシック。」
その声に睦美、恥ずかしそうに、
「えぇ。」
晄史、
「姉さんは大学ではクラッシック。…そして、ジャズ。」
そんな晄史の声に耀司、
「えっ…???…眞鍋さん、ジャズ…???」
睦美、恥ずかしそうに頭をコクリと。
「えぇ。」
晄史、
「高井戸さんの娘さんは…???…どの辺に…???」
耀司、真っすぐ前を見て、
「丁度、真ん中辺りですかね。うん。かかかかか。かなり緊張していると思います。」
睦美、頷いて。
晄史、
「へぇ~~~。」
そして頷きながらも、
「そうですよね~~。…こんな…。」
周囲を見渡して、
「満員ですもんね~~。緊張しない訳がない。うんうん。」
濱村、腕組みしながらも、
「はははは。中々ね~~。」
そして隣の鶴来を見て、
「うそ。もぅ食べてる…???」
鶴来、その声に、
「うん…???…うん。当然。」
そんな鶴来を右目を歪めながら、
「か~~~。」
「久し振りに今日は、外食だからね~~。その前に下拵え。」
このふたり、実は、親戚同士。但し、他の教師たちにはシークレット。
知っているのは校長と教頭のみ。

ママでいい…。 vol,061. ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」第4楽章
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千「3センチの中央線」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
