その翌日、
「へっ…???」
汐梨、
「じゃあ~~。眞鍋さんも芙美花たちの定期演奏会。」
耀司、顔をコクリと。
「うん。何とも偶然。…と、言うか…。まっ。これはある意味、インスピレーションか、賭けだね。弟さん、全く知らずに博楼のポスターにね~~。」
汐梨、
「ふ~~ん。あ。兄さん、うんうんうん。何とか、出来たね~~。…って、言うか、かかかかか。時間、掛かり過ぎ~~。」
耀司、
「…って言うか…。思ったより、めんどく。」
「スト~~ップ。…めんどくさいなんて言えないでしょう~~。これが、家事なんだから~~。」
「はいはい。」
耀司の家事特訓は…、まだまだ。
麻沙美はさっきまでルンバの後をのそりのそりとしていたのが、
今ではバセットの体に背中から凭れて絵本を見ている。
汐梨、そんな麻沙美を見て、
「はははは。麻沙美、気持ち良さそう~~。バセット、偉い。」
そして、
「いいなぁ~~。こんなおとなしい、しかも、怪しい奴には徹底して吠え捲る中型犬。とにかく、賢いもんね~~。」
耀司、
「ははははは。物凄い忠実。しっかりと、犬が出来てます。」
汐梨、その声に可笑しがりながら、
「くくくく。うんうんうん。確かに。」
博楼高校吹奏楽部、第1部。2部、そして3部までの練習を通して、
今は、アンコール曲。
いつの間にか、音楽室の廊下には生徒やら教師やら。吹奏楽部の演奏に聞き入っている。
…そして…。いつも通りに…。この時間帯には必ずと言って通っている2人の人物。
学校長の舘脇と教頭の季久美である。
季久美、
「兼高先生、アンコール曲にこの曲、持って来たんですね~~。ふふふふ。さすが。屋舗さんには花道。…とにかく、素敵で奇麗な曲です。うんうんうん。確かに。最後の最後。屋舗さんには取って置き。」
「ロンドンデリー・エア。…特に、ダニー・ボーイと言うタイトルも有名ですけど。素晴らしい曲ですよね。アイルランド民謡。」
季久美、舘脇に、
「さすがは校長、知ってますね~~。」
ニッコリ。
そして舘脇、また、左の手を自分の左肩くらいまでそして左手親指と人差し指で隙間を作って、
「ちょっとだけね。」
その仕草に季久美、ニッコリと。
遠目でそんなふたりを見ている生徒たち、
「ねね。校長と教頭、もしかして…、出来てない…???…校長なんかカッコよくって、教頭先生の奇麗の何の。」
そんな声に別の生徒。
「うんうんうん。私もそう思ってる~~。渋さ満点の校長と美人の教頭先生~~。」
いきなり後ろから、
「そ~~んな風にも、見えるよね~~。」
その声に生徒たち、いきなり、
「びっくりした~~。」
「…って言うかさ~~。」
体育教師の濱村謙三(はまむらけんぞう)。
「校長、お孫さん、いるから。」
「そして~~。」
社会科の鶴来彩夢(つるぎあやめ)。
「美人教頭で有名な季久美教頭も~~。ひとりの可愛い小学生のお嬢ちゃん、いるから~~。」
ポッチャリの体系にしっかりとワンピース。
生徒たち、顔を見せ合い、
「うそ。うそうそうそ。みんな、校長と教頭、出来てるって、専らの噂~~。」
その声に濱村、
「マジ…???」
の、声とは真逆に、鶴来、
「あら、嬉しい~~。教頭先生に知らせあげる~~。喜ぶわよきっと~~。」
ニコニコ。
濱村、そんな鶴来の声に、
「鶴来先生。マジっすか、それ。教頭に怒られるでしょう~~。」
鶴来、澄んだ顔して、右手を振って、
「な~~に言ってんのよ~~。そんな…、おふたりとも、出来ているんですか~~???…な~~んて恐る恐る聞いてみな。それよりニッコリと、生徒たちが噂してましたよ~~。校長と教頭先生、出来てるみたいで素敵~~って。その方が、光栄にて。って、感謝されるわよ~~。影でコソコソやってる訳じゃないもの~~。堂々と、ふたり、いつも一緒。職員室でも、ナイスコンビって、言われてるんだから~~。」
生徒たち、
「えっ…???…ほんとですか…???」
鶴来、諭すように、
「えぇ、ほんとよ。」
そして舘脇と季久美を見て、
「だから~~。私たち教師もあのふたりは羨ましいって。息、ピッタリだも~~ん。お互いに、支え合っているって、感じる。」
濱村、
「まぁねぇ~~。校長と教頭の悪口、言う教師なんて、いませんからね。」
その声に生徒たちも、ニコニコと、
「うんうんうん。」
崇江のバイオリンが終わった。
生徒たち、小さな拍手を。
「わぁ~~~~。」
鶴来、
「…けど、凄いよね~~。小学生からバイオリン習って~~。中学、高校と、バイオリンの為の高校選び。そして、今や、推薦も決まってる。」
生徒たち、
「うんうんうん。」
「崇江先輩のバイオリン、もっと聞きた~~い。」
「まぁ。」
鶴来、
「学校じゃ~~。今度の定期演奏会…、までの部活の練習。…あと、ちょっとだけど。それで彼女のバイオリンは、見納めかしらね~~。」

ママでいい…。 vol,059. 「兼高先生、アンコール曲にこの曲、持って来たんですね~~。」
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庄司紗千「おふろ月夜」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
