晄史、
「あん。そう。でも。」
チラリと姉を見て。
睦美、
「あん。私は音楽教室の名刺、ないし。貰ってないから。単に事務局員として働いているだけだから。」
晄史、バッグから名刺を出して、ソファに。
「はい、これ。高井戸さんの名刺~~。」
暁美、名刺を見ながら、
「株式会社ウェルストン。Webデザイナー・ディレクター。高井戸耀司。ふ~~ん~~。凄いのね~~。Webデザイナー。人気の職業でしょう~~。」
晄史、
「うん。…けど…。そんなに簡単に出来る、職業でもないし…。と、言うより、やろうとしても、中々。」
右手を振って。
誓も、
「うんうんうん。難しいよね~~。ITだから~~。コンピューターの事、知らないと。」
暁美、
「そんな人が…。」
睦美、
「ジャズが好きなんだって。」
暁美、その声に、
「あ、うんうんうん。」
誓、
「なんだか、凄い、感じの良い人。話していても、話が進むって感じで…。」
暁美、口を尖らせて、
「ふ~~~ん~~。…まっ。あんたたち、3人で、であれば、ん~~。いいけど…。気を付けてよね。今の時代…。良く分からない人が多いから~~。平気で人を騙すような~~。」
困ったような顔をしての暁美。
その話に晄史、ニッコリと、
「はははは。かあさん、それはまず大丈夫。そういう意味でも、僕が、姉さんから音楽教室に来ている生徒さんのご家庭の…、って聞いてて、食事に誘ったんだから。」
「へっ…???」
いきなり暁美、
「何…???…じゃあ~~。晄史、あんたがその人、食事に…???」
晄史、あっけらかんとして、
「うん。そうだよ。」
誓、
「…で、晄史、帰りに、高井戸さんに、友達になって頂けませんかって。」
暁美、またまた、
「はっ…???」
こちらでも…。
汐梨、
「はっ…???」
両手を叩いて。
芙美花も芙美花で、ヒョットコのような口をして、
「はは。おとうさ~~ん。…ふふふ。いいじゃ~~ん。」
汐梨、芙美花を見て、
「うんうんうん。」
そして耀司を見て、
「へぇ~~ぇえ~~。向こうさんから友達になってくれませんか。かぁ~~。…な~~んか、凄いね。…勇気があると言うか。」
芙美花も叔母の言葉に、
「うんうんうん。」
耀司、顔を傾げて、
「いや。…まさか…って、思ったけどね。…ん、まぁ~~。別に~~。全然、悪気はないから…。…ってか、そんな風には全然。…それに…。」
汐梨、
「それに…???」
耀司、
「眞鍋さん。音楽教室。そして、弟さん、列記としたレコード会社。」
汐梨、
「あんあんあん。確かに。」
晄史、母に、
「まっ。確かに。日本に来て15年になるけど…。仕事、仕事で…。そりゃあ、職場での友達もいるけど…。…でも…。それ以外の…、職場以外の友達って…。」
暁美、
「あ、でも…。営業で…。」
その声に晄史、顔を右左に。
「ううん。…中々ね~~。…それに…。」
いきなり口を噤んで。誓を見て。
誓も、そんな晄史を見て、
「ま。確かにぃ~~。韓流ドラマ…???…観ている人なら韓国人、わぁ~~~。…ってなるんだけど~~。それだって、大半が女性。…いざ、男性の友達ってなると~~。…どうしてもね~~。」
晄史、
「僕は…別に…、日本人であろうが…、日本で仕事をしている訳だから…。…でも。」
また僅かに俯きながら、
「中々…。新しく…。…しかも…。お酒の席で、これからもよろしく…。…って言って、電話番号やライン。…けど…。いざ電話しても、ラインしても…。あ、ちょっとごめん。あ、今、忙しいから、また後で。ごめ~~ん、これから友達と会う約束してて。…で、ラインは既読スル~~。…そんなのばっかり。」
誓も睦美も、暁美も、口を噤んで。
晄史、
「あ。でも、仕事は全然。」
ニコニコと。
「とにかく、順調です。うん。」
誓、
「はは。」
睦美も、
「うん。そうでなくっちゃ。」
「…って言うか…。高井戸さん。今度、また、会いたいよね。ねっ。姉さん。」
その声に思わず睦美、
「えっ…???…へっ…???」
晄史、微笑みながら、
「あ、いや…。ほら…。つまりは~~。姉さんの仕事先の~~。生徒の…、ご家族…???…切っ掛けは~~。とにかく、姉さんだから。」
睦美、またしても、
「えへ…???」
「…って言うか~~。」
晄史。
「姉さんも、日本人の誰か~~。職場以外にも~~。友達~~。」
その声に暁美、睦美を見て。
「まぁ…。確かに~~。睦美、おまえ…。」
母を見て睦美、
「はっ…???…えっ…???」
晄史、
「ウチに遊びに来る人ってぇ~~。誓の友達~~。そして~~。近所のおばさんたち~~。せいぜいが、それくらい~~。まっ。僕の場合は、仕事関係で夜、食事する機会は多いけど…。それ以外じゃ…。」
晄史、下唇をビロンと。そして両手をパァ。
「全然。まぁ、仕事のアフターだから、自分なりにっては、思ってるけど~~。姉さんだって、家から音楽教室の往復でしょ。」
睦美、
「…そ、そりゃあ~~。」

ママでいい…。 vol,044. 「Webデザイナー。人気の職業でしょう~~。」
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