この眞鍋武敏と言う人物、人間が出来ていた。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ ただ…。そうなると、武敏の日本の家庭は…???
…となるのだが、武敏の妻と子は、数年前に、列車事故で亡くなっている。

列車の脱線による凄まじい事故だった。
死亡者15名。重軽傷者112名にまで及んだ。
既にその時点で、武敏は年齢が50を過ぎていた。

韓国での仕事。そして私生活まで武敏に使えるハン・ヘギョ。
とにかく、この眞鍋武敏と言う人物、人間が出来ていた。
見た目は完璧に企業の役職者。とも、思しき風体なのだが、
黎和(れいわ)建設。設計部、部長に納まっている。そして、それ以上は望まない。
つまりは、徹底した現場主義。過去に数回の役員候補にも挙がったが、
自分の方から断っている。

そのために、武敏を追い越しての役員になった物からのやっかみも少なくはなかったが、
武敏自体はそんなやっかみすら一蹴、物怖じする事もない。
そして…、そんな武敏に対して、面と向かっての揶揄する者もいなかったのである。

その理由が、小さい頃からの培われてきた剣道の極意。とも、言うべきものがあった。
一見、武敏の表情からは全く武術を培ってきた人間と言う雰囲気は微塵も感じられない。
されど、仕事関係で理に通らない事があれば、
それこそ、その眼力だけで相手を圧倒してしまう。…と、言う事になる。

そんな相手に対しての目力と言うのであろうか、
相手を睨み付けて、
「何か…???」
この一言で、相手は怯んでしまう。

瞬間、その場が凍り付いてしまうほどの覇気と言うものを感じられる人物でもあるのだ。
けれども仕事上も、私生活でも、そういう雰囲気は微塵も見せない。
それどころか人を簡単に自分の心の中に引き込んでしまう。
…が、これは本人の意志とは相反しているとも、武敏は感じてはいるのだが…。

つまりは、武敏の話し方が、自然に、周囲の人の心に、
「この人なら一緒に。」
と思う。心が惹かれるのかも、知れないが…。





そんな武敏がハン・ヘギョに初めて会って、
それこそ、相手の女性にとにかくへりくだっての挨拶。
「…自分なんか子供みたいと思ってたのにこの人。うそでしょ。」
と思ったハン・ヘギョが、そのヘリ下りに驚いて躊躇してしまったほど。
そして、何と言っても、武敏の笑顔にすっかりと心を開いてしまったのだった。




やがて…。仕事上でも私生活でも公私共々、
身の回りすら世話をする事になってしまったハン・ヘギョ。

突然の武敏からの求婚に最初は驚いて一度は断った。
子供もいたからである。2人も。

但し、武敏の心は変わらなかった。
「もし叶うならお子さんたちも一緒に日本でどうですか…???」


これから韓国でも業績を上げていくであろう日本の大手ゼネコン、
黎和建設。設計部、部長。
ふたりの子供たちは、もう既に成人になり各々が仕事を。

けれども、子供たちは口を合わせて、
「おかあさんが幸せになってくれれば私たちは。」
の、声。

実に、ハン家族には父親と言う人物がいない。
ハン・ヘギョの夫。つまりは、ハン・ユジュン、
そしてハン・ジュノの父親は既に他界しているのである。

その為に子供たちふたりの、
「おかあさんが幸せになってくれれば私たちは。」
の、声になったのである。







そして…。遂に。武敏とハン家族が対面。
ユジュンもジュノも一目で武敏に惹かれたという。

ふたりの印象。
「こんなに大きな人なのに、物凄い繊細。」
だったという。

そして、武敏、大手ゼネコンに勤務はしているが、その実、物凄い雑学家でもあり、
人脈が物凄い。確かに政界や財界には全くと言っていい程に伝手はないが、
それ以外であれば、殆どの分野に伝手は利くほどの人脈を持っている。
それは、芸術の面に於いても…、で、ある。

それ故に武敏を推す人の多さ。なのである。
それに関して驚いたのがハン家族であった。
あれよあれよで、僅か1週間足らずで、ユジュンとジュノの、
今後の日本での活動拠点すら青写真となったのである。



それからである。
母の指導もあってかユジュンとジュノの仕事の傍らの日本語勉強が始まったのである。
幸い、ふたり共に、かなりの集中力があり、
半年で片言の日本語は話せるようにはなって言った。
その実、武敏が差し入れに家にも毎回訪ねて日本語の勉強も施した甲斐もあったのだが。

そして…。ユジュンは、ピアノ教育という分野で。
そして、ジュノは音楽系、同じレコード会社と言う分野での日本での活動を約束されながら、
日本に移住。


それから…、15年が経つ。


残念ながら。…この15年の間に、眞鍋家に変化が起こった事が…。
それは…。武敏の死である。


建設中の突然の災害。悲劇でもあった。

普通の曇り空かに思えた瞬間、いきなり空が…。
そしていきなり突風かと思われたその瞬間、竜巻である。








ママでいい…。   vol,042.   この眞鍋武敏と言う人物、人間が出来ていた。

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