「クラリネットの総本山。腕の見せ所~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 麻沙美はいつも通りに、バセットに凭れるように…。

汐梨、芙美花の話を聞きながら、
「へぇ~~。そういうのあり。」

芙美花、捻くれた顔をして、
「…ったく~~~。何でこうなるかな~~。」

「かかかか。」
「笑い事じゃない~~~。どんだけ練習~~???」

「まま。」
汐梨。
「しっかし…、50曲の中から1曲だけって…。どんだけの確立よ。…しかも…。かかかかか。あの、ラプソディー・イン・ブルー。」

芙美花、
「だから~~~。」

「クラリネットの総本山。腕の見せ所~~。芙美花~~。かかかかか。」

芙美花、グシャリとした顔で、
「あ~~ん、もぅ~~。」


応接間から出て来た耀司、
「な~~に、さっきから、あ~~ん、もぅ~~。ま~~ったく~~だよ~~。」

汐梨、
「かかかかか。聞こえたか~~。」

耀司、キッチンからグラスを。そして冷蔵庫から麦茶を。

汐梨、
「定期演奏会。芙美花~~。演奏する曲の中に~~。1曲だけサプライズを入れたらしいんだって~~。」

芙美花、
「兼高(かねたか)と屋舗(やしき)の陰謀~~。面白半分に決まってる~~。もぅ~~。」
そこまで言って芙美花、
「あっ。…ってか、おばちゃん。…で、その…、韓国人。」

「おっと~~~。かかかか。気になるか~~。」

芙美花、瞬きしながらも、
「あ、いや…。気になるか…って、言われると…。」
顔を傾げて。
「…でも、私、見た事ないし。顔。」

「あん。」
汐梨。
「確かに。」

「ただ…。奇麗な人って…。」

耀司、
「またその話~~~???…そんな…興味本位で~~。」






…けれども…。
音楽教室にまた耀司。



耀司より早く、麻沙美の方が小走りに事務局の方に。
「こんにちは~~。」
大きな声で。

その顔と声に事務局の人も数人が椅子から立ち上がり、ニッコリと、
「こんにちは~~。ははは。麻沙美ちゃん、元気良い声~~。いいぞぉ~~。」

その声に麻沙美、ニッコリとしながらも、顔をコクリと、
「うん。」
そして、
「今日もよろしくおねがいしま~~す。」

その声にまた事務局の人たち、
「はい。よろしくお願いします。」
こちらも顔をコクリと。


微笑みながら事務局の方に入る耀司。事務局の人たちに、
「こんにちは~~。」

事務局の人たちも笑顔で、顔をコクリと、
「こんにちは~~。」

耀司、駆けていく麻沙美に、
「はははは。何とも、あの通りで。」

「いえいえ。元気で何よりですよ。私たち、子供たちのパワー、毎日頂いてますから。」

耀司、その声に、
「えぇ。同じくです。」

既にカウンターの中には、数名の事務局の人たちが…。
耀司目当て、なのかは分からないが…。

耀司、事務局の人に、
「今日も、よろしくお願いします。」

事務局の人たちもお辞儀をして、
「こちらこそ、よろしくお願いします。」

その時、奥まった方から男性の事務局員が、
「あ~~っと~~。高井戸さん…。でしたよね~~。麻沙美ちゃんの。」

その声に耀司、
「え…???…えっ、え~~。はい。」

すると男性事務局員、
「すみません。今日の小白川(こしらかわ)せんせいの教室なんですが。」

耀司、
「あ、はい。」

「申し訳ありません。昨日から空調が故障していて、今週いっぱいは別の教室でって言う事で。調整しているんですよ~~。幸い、他の教室で調整が可能なものですから、ご家庭には敢えて、連絡はせずに教室に来ていただいてからのご連絡という事で~~。特に、先生が変わった訳でもないんで。」

その話に他の事務局の人たちも、
「あ。そうだ肝心な事~~。」

他の事務局の人も、
「確かに。」

すると、さきほどの男性の事務局員、
「あ。眞鍋さん。」

「あ、はい。」
自分の声を呼ばれて振り向いた…、
途端に、今、ピンで留めた部分が剥がれてふわりと頭に。
「キャ。」
その瞬間に、剥がれたポスターの紙の重さも加わったのか、
別の部分のピンも外れてポスターが…。

耀司、慌てて、
「お~~っとっとっと~~。」

そのまま剥がれたポスターはサラリと床に。
思いがけずに体をふらつかせる眞鍋と呼ばれた女性。

耀司、
「あはははは。剥がれてしまった~~。」
女性より早く腰を下ろしてポスターを。

女性、
「あ、すみません。」
日本語のアクセントが微妙に。女性も腰を下げて、落ちてピンを。

耀司、女性に、
「大丈夫ですか~~???」

女性、
「あ。はい。ありがとうございます。」

事務局の人たち、
「あらららら。剥がれちゃった。」

耀司、ポスターを両手で。そして、
「へぇ~~~。ジャズフェスタ。しっかし、凄いポスターですね~~~。デカイ。」

事務局の男性。
「えぇ。来月に、秋の祭典と題して、池の内(いけのうち)ホールでのジャズフェスタ。ウチの先生の知り合いがサックス奏者で海外で活躍されている方で。」

耀司、ポスターを見ながら、
「へぇ~~~。」
思わず体が鳥肌に。
「いいですね~~。はははは。」
耀司、チラリと女性を。

女性もチラリと男性を。








ママでいい…。   vol,023.   「クラリネットの総本山。腕の見せ所~~。」

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