そんな汐梨、耀司に、
「うん。早い話が。」
今度は芙美花を見て、
「芙美花。あんた、可能な限り、学業に専念しな。」
その声に芙美花、思わず目を真ん丸に。
「…で、兄さん。」
耀司、いきなり汐梨に、
「は、はい。」
「勝臣の了解は得た。私が教える。可能な限り、家事、手伝って。」
またまた芙美花、目を真ん丸に。そしてパチクリと。
耀司、アヒルみたいな口をして、
「いやいやいやいや。」
汐梨、
「今後、会社で、社に出勤して働いて。って、もし、そんな話が来るまで。」
その声に耀司、顔を傾げて、
「いや~~。来るかな~~。」
「…ってか。」
汐梨。
「そんな…。朝から夕方まで。殆ど家の中。確かに。それが仕事だから仕方がないんだけど~~。それでいて。今迄、義姉さんがいたから、芙美花と言う子がいたから。かも、知れないけど。もぅ、義姉さんはいない。芙美花は学校。そういうつもりで、これからの事、高井戸家の事、考えよう。…そういう意味で、これから私、確かに、仕事があるからその合間って事になるけどさ~~。可能な限り、高井戸家に入る。」
耀司、
「汐梨~~~。」
汐梨、耀司を見て、
「だ~~ってさ~~。高井戸家と私の家。車で15分よ。私なんて、今の仕事。ウェディングプランナーの仕事に就いた時に、うそ。こんな偶然ってある…???…まるでお膳立てしたかのように、勤務先は近いわ、兄さんの家は近いわ。び~~っくりしたんだから~~。」
その話に耀司に芙美花もニコニコと、
「うんうんうん。かかかかか。」
「だよね~~。おかあさんもびっくりしてた。まさか汐梨さんがご近所さん。偶然ってあるもんだね~~って。」
「だからさ。」
汐梨。
「この際~~。」
口を真一文字にして、そして、
「ん~~。芙美花の修学旅行が良い機会~~。兄さ~~ん。芙美花の事、助けると思って~~。芙美花の学業、専念。じゃないと~~。芙美花~~。家事全般で、高校卒業しても~~、大学卒業しても~~。更に~~。社会人になっても~~。家事全般で男っ気なし~~~???」
汐梨、芙美花を見て、
「そ~~んなの、叔母である私が、許しません。逆に、かあさんから、あんた、近くにいて何してんの…???って、電話でどやされるのがオチ~~。昭和人間。割烹着。まっ。今じゃ何とか、エプロンに落ち着いたから~~。なんだけど~~。」
芙美花、笑いながら、
「かかかかか。確かに。凄いよね、おばあちゃん。パワフルだわ~~。とにかく動きっぱなし。まっ。確かに。和歌山の家が、昭和って感じの家だから~~。それに、家の中も広いし~~。」
耀司、
「まず、台所から出てくるのは飯の時か、掃除している時だけ。近所のおばちゃんたちも、家に来たら、まずは台所。茶の間なんて入んないから。逆に、茶の間なんて男の場所。」
汐梨、
「確かに。…でも、凄いわ。かあさんもとうさんも。家を継げなんて、まず言わない。おまえらの勝手にしろ。…だもんね~~。」
耀司、思い出すように、
「ん~~~。とにかく、何考えてるのかさっぱりと分かんない親父だったからな~~。」
汐梨も思い出すように、
「地元水道局勤務40年。されど、現在は嘱託職員として未だに従事。」
耀司、
「まぁな。定年超えてるし。」
芙美花、
「うんうんうん。…でも、おじいちゃんも、カッコイイよね。」
汐梨、そんな芙美花に、
「はははは。こりゃ、遺伝かね~~???…しかも、あの歳で、結構、声も良いからね~~。何とも渋みのある声~~。」
芙美花、ニコニコ、
「うんうんうん。で、必ず和歌山行くと~~。芙美花、芙美花って呼んでくれてしっかりお小遣いくれるから~~。ふん。取っとけって。ニッコリとだよ。」
耀司、
「まな。親父にしてみれば。…まぁ、お袋にしてみても、芙美花は大事な初孫だから。…って、言うか、麻沙美が産まれた時なんて、親父、あれ、一晩中、泣いてたんじゃない…???」
汐梨、
「確かにね~~。私、小学から家にいなかったからね~~。」
耀司、汐梨を見て、
「かかかかか。アルバイトでな。」
芙美花、
「えっ…???…そうなの…???…私、知らな~~い。」
汐梨、芙美花に、
「うん。私、小学から、ほんとは悪いんだけど、お店でバイトみたいな事やってたから。お金欲しさに。」
芙美花、
「へぇ~~~。」
耀司、
「美比呂(みひろ)おばちゃんのとこでな~~。」
汐梨、
「うん。食堂だったんだけど~~。今は、料理屋。宇門(うもん)って言うお店~~。とに~~かく、お客、来てた~~。」
耀司、ニコリと、
「あそこは繁盛するよ~~。とにかく、味が滅茶苦茶凄い。」
汐梨、
「まっ。確かに固定客が多くって~~。私、小学から大学まで、宇門。おばちゃんからいい加減にこの店で働けや~~。って、言われたんだけど~~。」

ママでいい…。 vol,014. 「芙美花。あんた、可能な限り、学業に専念しな。」
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