耀司、汐梨の声に、
「うん…???」
汐梨、
「ん~~。これは…。まっ、ないかな…???…とは思うんだけど~~。念のため~~。私も仕事で、って言うのもあるんだけど~~。その時は勝臣に何とか無理言って頼むんだけど~~。勝臣、出張がない時に限られるけど~~。」
耀司、スマホに、
「うん。何。」
「麻沙美のピアノ教室~~。」
「あ~~ん、はいはい。ヨシカワ音楽教室~~。」
「もしかしたら~~。送り迎え、頼む。…かも知れない。」
耀司、ニコニコと。
「お安い御用で。」
汐梨もニッコリと。
「じゃ、決まりね。OK~~。了解~~。」
芙美花、
「うそ。ほんと…???…汐梨おばちゃんが…???」
リビングでコーヒーを飲みながらの耀司、お風呂から上がってきた芙美花に。
芙美花、濡れた髪をバスタオルで拭きながらも、
「はは。や~~った~~。」
父を見て、
「うんうんうん。汐梨おばちゃんなら言う事なし。我が家の台所、隅から隅まで知ってるから。」
耀司、
「まっ。1ヶ月先の事だけど。汐梨も、大事な姪の事だからって、引き受けてくれたみたい。…って、逆に、おとうさんも条件出されちゃったけどね。」
その声に芙美花、
「ふん…???…何…???」
「汐梨にとっては、芙美花は大切な姪。」
瞬きしながらの芙美花、
「ふんふんふん。…だよ。」
「でぇ~~。」
耀司。
「おとうさんにとっても、麻沙美は大切な姪。」
その声に芙美花、
「ふん…。」
顔を傾げて、
「ふんふんふん。…ふん。だよね。」
「でぇ~~。」
耀司、笑いながら、
「結局のところ。おとうさんも汐梨にお願い、されちゃった~~。かかかかか。」
芙美花、
「お願い…???」
パジャマ姿のままで椅子に腰掛けて、
「えっ…???…って、何…???…どういう…???」
耀司、
「つまりは~~。」
芙美花、キョトンとしながらも、
「ふん。」
「芙美花が修学旅行に行っている3日間の間~~。家の事は汐梨がやってくれる。家事全般。まっ。勝臣君も~~。家事が出来る。…と言うよりは~~。自分の事は自分で出来るから。」
その声に芙美花、右眉を歪めて。
「あははははは。…かか。確かに。勝臣おじちゃんはねぇ~~。出張も多いし。いざとなれば、ひとりで…。」
耀司、
「…て事で~~。修学旅行、芙美花が帰って来るまでの~~。凡そ1か月の間~~。」
芙美花、コクリと、
「うん。」
「麻沙美の保育園の…。ん~~。まっ。これは多分、お迎えになると思うんだけど~~。汐梨の代わりに、おとうさんが行く事もある。」
すぐさま芙美花、
「はっ…???」
「まま。なんだかんだで…、重なった場合の事だ。」
芙美花、
「わお。」
「…でもって~~。これも、万が一…、かも、知れないけど~~。」
芙美花、また顔をコクリ。
「ふん。」
「麻沙美の音楽教室。」
すぐさま芙美花、
「あん。ヨシカワ。」
「送り迎え、よろしく~~。…って事で。」
「あ。な~~るほど~~。うんうんうん。麻沙美、凄いもんね~~。4歳であれだけピアノ弾けるって。かかかかか。さすがは汐梨おばちゃんの遺伝だよ。」
耀司、
「まぁね~~。汐梨も、あいつも4歳からピアノだったから。けど、麻沙美は何と2歳からって…。」
「うんうんうん。」
そして芙美花、
「そっか~~。ヨシカワの送り迎え。おとうさん。…もしかして…。久し振りに、日常生活に、何かしらの嬉しいイレギュラ~~???…可愛い姪の~~。」
「ん~~~。まぁ…あ。ねぇ~~。…って言うか~~。普通なら、こんな男性が、4歳の女の子の送り迎え…。完璧におじいちゃんって感じなんだけどね~~。」
芙美花、父を見て、意地悪そうな顔で、
「くくくくく。確かに。…でも、麻沙美、物凄い可愛いもん。さすがに汐梨おばちゃんと勝臣おじちゃんの子だよ。」
「まっ。確かに。それは言える。」
「それに、しっかりとおとうさんにも懐いてるし。」
「まぁね~~~。…って言うか、勝臣君自身がとにかく子煩悩だから。だからおとうさんにも麻沙美、物凄い、親近感が、あるんだろうね~~。」
芙美花、いきなり、
「ははは。イケオジだもんね~~。…まっ。勝臣おじちゃんだって、汐梨おばちゃんとだもん、美人の奥さんと美男子の旦那様になる訳だけどね~~。」
耀司、
「かかかかか。我が妹夫婦の事~~。…さすがは我が娘~~。嬉しい事、言ってくれるじゃないの~~???うん~~???」
芙美花、ニコニコとしながら、
「ふふふふ。」
確かに。4歳の女の子の保育園や音楽教室への送り迎え。
普通ならば親戚の子供かお若い祖父母…的な感じに受け止められる。
…が、実に。麻沙美は正真正銘の耀司の妹の汐梨の娘、4歳である。
汐梨自身、現在42歳。つまりは麻沙美を産んだのが、高齢出産。汐梨、37歳の時。
そして…。元を正せば汐梨、実に、結婚したのが35歳と晩婚型である。

ママでいい…。 vol,011. 「我が家の台所、隅から隅まで知ってるから。」
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