多忙極まる看護勤務。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ  けれども…。多忙極まる看護勤務。
これも…、何故かは分からないが、数年間で、看護師たちが次々に結婚しては出産。
結婚しては出産が続き、看護勤務は激務に。つまりは、看護職員不足。
その負担が、つまりは現場の看護師にまでも影響する。

それは…。芙美花が中学に入学してまでも続いた。
それと同時に、一方、耀司の方も順調に業績は右肩上がり。
激務の妻を心配してはいたが、家事は芙美花が。
と、内心、芙美花の成長ぶりに喜んではいた。

そんな…中での…。2022年、世界規模の新型コロナ禍。
既に祐里子の体の中を完璧に蝕んでいたものがいたのだった。
確かに。新型コロナで耀司は会社勤務が在宅勤務へと。
つまりは世の中が外出自粛へと追い込まれていった。
されど、新型コロナはそういう社会情勢、時代の事などお構いなく、
感染者は留まることなく増加傾向。

当然ながら、その悪循環は感染者が最初に通らねばならない病院へと。
次から次へと押し寄せてくる。やがては…。医師と看護師不足。時間外労働が続く。

確かに、祐里子自身も自分の体の異変には、気が付いてはいた。
…けれども…、短期間での主任の座まで上り詰め、もはや、看護師長とはタッグを組める。
とまでも周囲の看護師からも羨望の目で見られていた祐里子。
自分の事より患者。そして…、それは…、家族にも話す事はなく…。
しかも…、一番厄介であったのが祐里子自身の自尊心。
常に、「自分なら大丈夫。」が、他の誰より強かった。…のだろう。
しかも、祐里子自身の体自体も、通常であれば、「ここらで限界」
のサインがあっても良さそうのはずが…、そのサインすら出ない。
それが、看護師勤務の激務にすら現れず、「まだ行ける。まだ行ける。」

そして…、その自尊心は愛する芙美花であろうと、耀司であろうと、
一切、気付かないままに…。




…そして…。遂に…、破綻した。





ようやく新型コロナも5類に移行するその直前。
3月だった。

勤務中に倒れた祐里子はすぐに検査に。結果は、乳癌。
しかも…、ステージⅣ。

既に他の臓器にも…、転移。
手の施しようもない状態。

一気に衰弱していく祐里子。そして…。その時は、訪れたのだった。








…あれから…、1年が経つ。

芙美花、16歳。博楼高校在学中である。
方や、耀司45歳。芙美花の父親。現在は自宅でリモートワーク。
世に言う、「働き方改革」である。株式会社ウェルストン勤務。Webデザイナー。
今や会社に出勤して仕事をやらなくとも自宅で仕事をした方が、業績がアップ。
との会社側の答え。

家事は一切ダメ。と、言う耀司ではあったが、みすみす、家の中で朝から晩。
娘は朝、学校に行く。そして夕方帰る。当然、部活で帰宅が夜になる場合もある。
そして、帰宅すれば食事などしていない父親の為に勉強もほっぽり出しての食事の支度。

傍から見れば、
「あんたねぇ~~。」
「おまえさ~~。」
「それでいいの…???」
「芙美花ちゃん、かわいそ。」

の、声が…。聞こえてくる前に、耀司、自分から芙美花に。
「料理はしない。けど、おとうさん、他なら出来る。…」
顔を傾げて、
「…かも、知れない。」
と芙美花に宣言。



…がぁ~~。いざ、やってみて…。
掃除…。



家に帰ってきての芙美花、
「えっ…???…どこ…掃除…???」


そして洗濯物の…。ま。確かに、畳んではあるような…。
けど…。芙美花、
「いい。おとうさん、いい。何もしないでいいから。」
と…。芙美花、頭の中で、
「…少しでも、おとうさん。ありがとう。…と、思った私がバカだった。」
頭をガックン。
「…考えてみれば。…だよな~~。おかあさんと結婚する前から俺、家事一切ダメ。…って、豪語したくらいだから。当然、おとうさんが家事をしたとこ、見た事すらない。…期待する方が…。」




そして…。

出した答えが耀司。
「良し。それならこれでどうだ。ふふん。芙美花~~。これを、買う。」
と、芙美花の前に、ドドン。
「食器洗い乾燥機~~。」

けれども芙美花、
「何言ってんの…???…この家には私とおとうさんしかいないの。たったふたり分の食器を洗うための食器洗い乾燥機買ってどうすんのよ。お金の無駄。お金をドブに捨てる気ぃ~~???」
と、一喝。

そんな芙美花に椅子に座りながらも小さくなる耀司。パンフレットを見て、
「良いと思ったんだけどね~~。」

「じゃあさ、こうしようよおとうさん。」
洗濯物を畳みながら。

耀司、パンフレットを見ながらの耀司、
「うん…???」

「自動掃除機買って、おとうさん。」

「自動掃除機…???」
家の中をぐるりと見ての耀司。
「ふん。」
キョロキョロと。…そして…。
「ふ~~~ん。」
にやりと。そして、両眉を上下に。
「いいんじゃない。」








ママでいい…。   vol,003.   多忙極まる看護勤務。

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