隆英、優維香の母親にお辞儀をして、
「優維香さんと同じ部署の、小埜瀬隆英と言います。」
佐津香、思わず、
「えっ…???」
瞬き。…そして…。
「小埜瀬隆英さんって…。」
目をパチクリとさせながら佐津香、優維香に。
「優維香…、あなた…。」
優維香、母親に。顎で頷くように、
「うん。」
口を尖らせて、そして戻して、
「おかあさんの結婚するおかあさんの会社の、おかあさんと一緒に働いている、小埜瀬瑛士さんの、息子の、隆英さん。」
再び隆英に両手を。
瞬間、佐津香、目を真ん丸に、
「!!!!…うそ。」
優維香、
「うそじゃないよ、本当だよ。」
隆英、優維香の母親に、丁寧にお辞儀を。
「初めまして。」
佐津香、一体何がどうなっているのか分からず、慌てながらも、
「あ、あ、あ。あ、ま、まま、どうぞ、中に。どうぞ、どうぞ。」
そそくさと玄関からリビングの方に向かう佐津香。頭の中で、
「…あの子ったら、何、いきなり…。」
優維香、隆英に、
「どうぞ。入って。」
隆英、促されるままに、コクリと。
「お邪魔、しま~~す。」
優維香の後ろをゆっくりと隆英。
佐津香はキッチンでお茶の準備を。男性に、
「すみません。この子ったら、何も連絡なしで…。」
隆英、
「あ、いいえ。逆に、僕の方こそ、優維香さん。病院からなので、また何かあったらと。池辺課長にも話して、送らせて。」
佐津香、キッチンから離れて、男性に丁寧にお辞儀をして、
「今日は、本当に優維香の事、ありがとうございました。」
優維香、母に、
「おかあさん。ちょっと、座ってくれる…???」
鼓動が高鳴っている。
そんな優維香を見て佐津香、目を見開き、顔を傾げて、
「…???」
優維香、再び、
「いいから。」
佐津香、ドギマギしながらも、ふたりを見て、
「え、えぇ~~。」
ゆっくりとキッチンから。そして椅子を引いて、椅子に座り…。目の置き場に困ったような趣で、
「は…、い。」
優維香と男性を交互に目で。
優維香、母に向かって、
「あのね。」
その声にゆっくりと頷く佐津香。
…すると…。優維香、隆英に両手を。そして、
「どうぞ。」
「何っ!!!何々何、サッちゃん、今、何つった…???…キャッハハハハハハハ。」
スマホを左耳に、笑っている須美。
「び~~っくりするでしょうよ~~。…そんな…。だって、いきなりよ、いきなり~~~。」
佐津香、リビングのソファに。そして前屈みになりながら…。
伊寿美も、目を丸く、左手でスマホを耳に。口に右手を当てて、
「うそ―――――――――っ!!!」
優維香、
「ほんと。うん。」
「…って言うか、あんた、優維香。彼氏、いたんだ~~~???…って。最近、あんた、物凄い忙しいらしいから、滅多に会えてなかったけど…。」
「その辺の事については、正直、謝る、ごめん。友よ。」
「え~~~~ぇえ~~???…何々何、じゃあ何、ついさっきの事じゃないよ~~。さっきの~~。」
須美、物凄い、興味津々な顔で…。
佐津香、
「うん。小埜瀬さん、帰ってまだ1時間しか経ってない。優維香はご飯食べないって、お風呂入ってそのまま部屋に行ったから。」
須美、佐津香の声に、
「あら。ご飯食べないでって。優維香ちゃん。」
「うん。あの子、今日、仕事で出掛け先で倒れたらしいのよ~~。」
「え~~~ぇえ~~???」
「軽い、脳震盪だって。」
「脳震盪。」
「最近、かなり仕事、きつかったようだし…。」
「あ~~~~。」
「でもねぇ~~。」
佐津香。
その声に須美、
「うん。」
「単純に。あの子には言わなかったけど…。彼、小埜瀬さんの話を聞きながらも、自分自身、してやられたって、思ったわ。つい可笑しくなって小埜瀬さんの前で笑っちゃったけど…。優維香には、おかあさん、笑うなんて失礼。ごめんごめんって、謝ったけど…。」
須美、顔を傾げて、
「うん…???」
「ほら。私、優維香に小埜瀬を紹介したくって~~。」
須美、思い出したように、
「あ~~。うんうんうんうん。サッちゃん、小埜瀬さんに丸投げ。あなたから優維香に言ってって。」
「くくくくく。そう~~。」
佐津香、笑いながら。
須美、ニッコリと、
「は、は~~ん。それをサッちゃん。」
佐津香もニコリと頷きながらも、
「うん。そぅ~~。おんなじこと、やられたな~~って、思ってねぇ~~。」
「…って事は~~???…ふふふふ。優維香ちゃんと彼、小埜瀬さん。」
佐津香、目を丸く、口を尖らせながらに、
「いやいやいや。当~~然。母親があんな事やらかしておいて~~、娘には。」
笑いながら須美、
「かかかかか。…でしょうね~~。」
「あの子ももぅ、気付いてはいるかも…、知れないけどね~~。あの時の事。」
「うん。」
「でもね~~。…とにかく、驚いた。まさか、まさかよ。私の結婚相手の息子さんと優維香がって。」
須美、口を真一文字にして、
「確かに。ふふ。」

好きになれない。 vol,288. 「何々何、サッちゃん、今、何つった…???」
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