池辺、壁際の机から、椅子から立ち上がり、
「おかえり優維香。大丈夫ね。うん。」
ニッコリと。
優維香、
「みんな…。」
池辺、メンバーを見回して、
「みんな、優維香が帰ってくるまで待ってるって。」
瑛子と阿寿沙、同時に、
「びっくりしたよ~~、んもぅ~~、優維香が倒れたって聞いて~~、心臓破裂しそうだった~~。」
亘夢、いきなり優維香に抱き付いて、
「おかえり、チーフ。良かった~~。元気そぅ~~。」
優維香、そんな亘夢に、
「はは。ありがとう。」
ドアがバン。
「戻ったか。」
真宮。小埜瀬と優維香を見て、
「おぃおぃ。驚かせるなよ。カミさんから電話があって。…もぅ~~。勘弁してくれ。おまえたちに何かあったら、社長から大目玉だぜ。」
小埜瀬、真宮に一礼して、
「ご心配、お掛けしました。チーフ殿、軽い脳震盪という事で、病院で休んで。今は、この通り。」
優維香、メンバー全員に深く頭を下げて、
「ご心配、お掛けしました。」
池辺、真宮を見て、そして小埜瀬と優維香を見て、
「…で…???…ヘアサロンCOCO。」
優維香、
「はい。谷津峰社長との話で、準備が整い次第に契約との事です。」
メンバーたち、また歓喜。
「やった、やった。」
真宮、両腕を高く、
「ヨ~~シ。良くやった~~。うんうんうん。」
メンバーたちも、小埜瀬と優維香に、
「お疲れさまでした~~。」
そして、ようやくメンバーたち、ふたりを見て安心したように、
「お先しま~~す。」
小埜瀬と優維香も、自分たちの席に。
悠里、
「…ったく~~。驚かせないでよね~~。相棒~~。」
優維香、申し訳なさそうに、
「ごめん、ごめん。」
「こちとら、ヒヤヒヤもんだよ。」
優維香、
「すみませんでした。」
ペコリと。
「…と~~。まっ。病院帰りの人と一緒に食事って言ったら、怒られますね~~。はは。先に帰るわ。」
「あん。うん。お疲れ様~~。」
「…ってか、優維香、あんた、倒れて病院に運ばれたって、おかあさんには…???」
瞬間、優維香、小埜瀬同様に、
「あっ!!!」
池辺もその声に、
「うん…???」
優維香、右目を瞑って、口を捩じり、
「あっちゃ~~~。言ってないや~~~。」
悠里、
「わ~~お。」
池辺、優維香を慰めるような顔で、
「優維香。」
優維香、池辺に、
「あ、はい。」
「おかあさんには私の方から電話しておく。仕事上でのアクシデントだもん。私が…。」
優維香、池辺に体を向けて、
「すみませ~~ん。」
そして優維香、帰る準備をして…。池辺に、
「では、課長、お先です。」
池辺、
「あん。うん。お疲れ様~~。」
小埜瀬、
「では、一緒に。また何かあったら。」
池辺、小埜瀬に、
「うん。そうね。リーダー。お願い。」
「分かりました。」
そして…。
優維香と一緒に小埜瀬。駅まで…。
そして…。優維香、どこまでも自分に着いてくる隆英に、
「えっ…???」
「家まで、送りますよ。」
その声に優維香、
「あ、あ、あ~~~。」
そして…、ホームへの階段を上って、その時、スマホに着電。瞬間、優維香、
「あっ。」
隆英、
「うん…???」
優維香、バックからスマホを。そして画面を。
「やっぱり。」
隆英を見て、
「おかあさん。」
隆英、その顔に、
「うん。」
スワイプした瞬間に、
「優維香、あんた、何やってんの。池辺さんから今、電話来てび~~っくり~~。」
隆英、
「わお。やはり…。」
優維香、スマホを耳に、
「ごめんなさい。今、ホーム。これから帰る~~。」
母の声、
「もぅ~~。びっくりさせないでよね~~。出掛けで倒れて救急車で運ばれたって。おかあさん、何も知らなくって~~。もぅ~~。軽い脳震盪って言ってたけど~~。」
優維香、
「うんうんうん。はいはいはい。もぅ、大丈夫だから。帰ったら、ゆっくりと。」
「早く帰ってきなさい。何やってんのもぅ~~。」
いきなりプツリと切れる。
優維香、ポツリと、
「かなりだね~~~。」
隆英を見て。
隆英も、
「そのようで…。」
電車に乗って…。
優維香の隣に隆英。
優維香、隆英に、
「大丈夫…???」
その声に隆英、
「うん…???…何が…???」
優維香、隆英を見て、前を向いて、
「あ、いや…。」
顔をほんのりと赤く。
柿崎家の前。
優維香、隆英に、
「ここです。」
隆英、頭をコクリと。
「はい。」
優維香、玄関を開けて、
「ただいま~~~。」
リビングから小走りに、佐津香。
「優維香~~。あんた、もぅ~~。大丈夫なの~~。…ったく~~。」
玄関に…。
すると…。
優維香の後ろに、ひとりの男性。佐津香、思わず慌てて、
「あら。」
優維香、
「ただいま。」
そして隆英に両手を添えて。
「今日、私と一緒にいた、ウチのリーダー。小埜瀬隆英さんです。」
佐津香、瞬間、
「あら、まぁ~~。」
優維香、
「…で、倒れた時に、救急車を呼んでくれて、一緒に病院へ。」
佐津香、男性に、
「これは、これは。何と言ってお礼していいかぁ~~。」
男性に深くお辞儀をする佐津香。

好きになれない。 vol,287. 「みんな、優維香が帰ってくるまで待ってるって。」
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