「あん。おかあさんたち、審査の結果発表まであと30分。」
優維香。
既に勤務は終了していたが、優維香、素直に家に帰る事も出来ずにいた。
そんな優維香に向かい側から、
「はは。付き合うよ、相棒~~。」
悠里。ニッコリと。
優維香、そんな悠里に、下唇をビロンと。そして両手を合わせて顔をコクリと。
「ありがとう~~、相棒~~。」
悠里、目を真ん丸に、そして口を真一文字にして顔を傾げて、
「ふふん。」
そして…。…結局、こちらの方も、休憩ブースでコーヒーを飲みながら、
夕方の東京の街を窓から…。既に父、瑛士とは電話番号でラインは繋がっていた。
隆英、
「親父…。」
休憩ブースから出て来て小埜瀬、目に飛び込んで来た2人に。
「おや、チーフ殿に悠里殿。」
既に部署内にはまだ残っているのが池辺と阿寿沙。そして巴月。
小埜瀬を見ての優維香と悠里。
「はは。コンペが気になって中々…。」
変顔。
「…と、申しております。」
そんなふたりに小埜瀬、
「まっ。仕方ないでしょうね~~。お互い。」
その声に悠里、両の眉毛を上下に。
「う~~~ん。」
佐津香、休憩中もスマホで動画撮影をそのままの励に、
「はははさすがね。…でも、リアルタイムだからね~~。こういう機会は、まず、今後、ないでしょうから~~。それに…、舞台はフランス。全く環境、違うからね~~。」
菜帆子、
「確かに。」
そして、
「あ、それこそ、優維香ちゃん、ずっとスマホ、見てるんじゃない…???」
そして菜帆子、
「それこそ課長の息子さんだって~~~。」
いきなり小埜瀬の顔に。
その声に励と圭衣子、
「えっ…???」
佐津香、目を真ん丸にして菜帆子に、
「菜帆子っ!!!」
圭衣子と励、すぐさま、
「課長の息子さんって…???」
目パチクリしながら。
菜帆子、いきなり目を丸くして口に右手を。
佐津香、そんな菜帆子を何とも、苦しい慰めるような顔で…。
圭衣子、
「えぇ…???…佐津香さん…???…奈帆子さん…???」
「あのね。」
佐津香の隣の椅子に座っている小埜瀬。
「さっき、倅からいきなり電話、あったんですよ~~。まずもって偶然に~~。」
その声にスマホを向けながらの励、
「あ~~。はいはい。課長、息子さんいらっしゃるって言ってましたもんね~~。」
瞬間、菜帆子、佐津香、両眉をビクンと。頭の中で、
「…ナイスフォロー。」
そしてお互いに見つめ合い、菜帆子は左手親指を。佐津香は右手親指を影で。
小埜瀬、
「んまぁ~~。いきなりだったんで、倅には、今の私の状況、詳しく、話しましてね~~。私が東京に来てて、そして今はフランスでコンペに参加してるってね~~。」
圭衣子、
「あ~~。はいはいはい。うんうんうん。課長、仙台にいるままって、話、でしたもんね~~。」
吉竹も、小埜瀬の傍に、
「おや。息子さんに話されたんですか~~。」
小埜瀬、
「あ~~、部長~~。えぇ、まぁ。…で、記念に動画、見てみろって。送ったんです。」
その声に佐津香、
「えっ…???…動画、送ったの…???」
小埜瀬、その声に、目をパチクリと、
「えぇ。」
瞬間、菜帆子も佐津香も、目を真ん丸に口をおちょぼ口にして。
その顔を見て圭衣子と励、
「えっ…???」
菜帆子、
「あは。ううん。」
顔を左右に振って。
佐津香、
「…と、言う事は、今もこの動画、見てるかもよ~~。課長の息子さ~~ん。」
圭衣子と励、ビックリした顔で、
「あっ、そっか~~。」
そしてお互いに見つめて、
「わ~~お~~。」
「何話してんですか…???」
今度は順平。
菜帆子、
「あん、順平。…もしかして…、彼女さん…???」
その声に、
「えぇ。動画、見てるって。かかかか。かなり動画、見られてますね~~。物凄い、感動したって言ってましたよ。課長~~。映画みたいだったって。」
瞬間、小埜瀬、頭を下げて右手を振って、
「いやいやいやいや。」
けれども今度は頭を上げて、
「いや…。…って言うか…。」
今度は両手を両大腿に。そしてまた頭を下げて、
「ありがとうございます。」
そして今度は何ともホッとした顔で、
「とにかく嬉しいですわ~~。もぅ~~。出し切りましたからね~~~。」
その声にそのメンバーたちニッコリと。それぞれが、
「うんうんうん。」
「ですよね~~。」
吉竹、小埜瀬の左肩に右手を。
「お疲れさん。」
その時、会場内からアナウンス。
佐津香たち、
「うん…???」
いきなり静まり返るエリア。
吉竹、
「何て言ってんだ…???」
菜帆子、
「はは。英語だもん。」
すると、すぐさまどよめきが…。
観客席でもどよめきが…。
理江子、
「あら。」
寿永流も、
「おっと。」
舞桜、
「何て言ってるの…???」
すぐさまイヤホンを耳に。
理江子、
「審査、遅れてる~~~。」
取締役たちもそれぞれ顔を見合わせて。
静かにアナウンスを聞く佐津香たち。そして…。ようやく日本語。
「審査。遅れてる~~。」

好きになれない。 vol,244. 「あん。おかあさんたち、審査の結果発表まであと30分。」
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