理江子、そんな小埜瀬を見て、
「…って、普通…、有り得ないでしょ。…いやいやいや。小埜瀬課長、確か、私たちと殆ど変わりない程度しか、お酒。」
順平、佐津香と一緒に、
「なんですけど…。この通り。前も同じように。ウッショ。」
佐津香、自分の肩に小埜瀬の右腕を。そして他のスタッフにも、
「ごめ~~ん。私、送ってく~~。」
恵梨と圭衣子、
「いやいやいや。びっくりだね~~。」
「課長~~。前も…、あの…、歓迎会の時も~~???」
愛結美、恵梨と圭衣子に、
「うん。…で、課長を家まで。」
菜帆子、
「佐津香さん、私も行くわ。」
菜帆子、助手席の窓にコンコン。
「運転手さん、助手席、乗れる…???」
運転手、窓を開けて、
「えぇ。構いませんよ。」
菜帆子、理江子たちに、
「私も、課長の家、知ってるから。」
愛結美、頷いて、
「確かに。」
理江子、
「へぇ~~。」
愛結美を見て、
「じゃあ~~。前も…、こんな風に、佐津香さんたちが…???」
愛結美、理江子と恵梨、そして圭衣子を見て、
「うん。…とにかく、課長…、あんな感じでしょ。…で、とにかくガタイが良いから。」
圭衣子、
「確かに。」
愛結美、苦笑いしながら、
「重い、重い。」
その、「重い、重い。」に理江子、クスリと…。そして、こちらも苦笑いで、
「重い…。よね~~。ある意味…。たいへんだぁ~~。」
恵梨、
「もぅ~~。課長~~。」
ようやく小埜瀬をタクシーに乗せての佐津香たち。窓を開けて、
「みんな~~。ごめんね~~。じゃあ、行くね~~。」
愛結美、窓の近くまで顔を、
「うん。分かった。」
真ん中にいる小埜瀬はまだ…、眠ったまま。
愛結美、そんな小埜瀬を見て、
「もぅ~~。課長~~。」
けれども全く小埜瀬。
そんな小埜瀬を見て佐津香。そして愛結美と理江子たちを見て、何とも苦笑い。
理江子、
「お願いします。」
タクシーは動き出す。
愛結美、
「あ~ぁあ~~~。」
そして、
「なんでこうなるかな~~。お酒にだらしない…って、事じゃないとは、思うんだけどね~~。」
恵梨、
「それはないでしょ。さっきも言ってたけど…。私たちと殆ど変わんなかったよ、ビールの量~~。…まさか…、ジョッキで3杯で、あんなに…、なるぅ~~???」
圭衣子は顔を左右に振り、
「いやいやいや。まず、それはない。」
愛結美、口を尖らせて、
「ん~~~。確かに。…お酒だけ…じゃあ~~。…やっぱ…、匂い…???」
理江子、愛結美に、
「匂い…???」
右目を歪めて…。そして瞬き、
「もしかして…、愛結美さん…。その匂いって…、香水の事…???」
恵梨と圭衣子も、
「うそ。」
愛結美、咄嗟に、
「あ、いや…。ん~~~。分かんなかいんだけど~~。前にね。課長、佐津香さんに、匂いが…気になるって…。言ってたんですって。」
理江子、恵梨、圭衣子、
「匂い。」
恵梨、圭衣子、顔を見合わせて、
「香水…、の、事…???」
顔を傾げながら…。
理江子、
「…でも…。今、小埜瀬課長…。今のマーケティング事業部には…、もぅ…、なくてはならない、存在になってるしぃ~~~。」
その声に、恵梨も圭衣子も、愛結美さえ、
「うんうん。」
タクシーの中でも佐津香、隣で眠っている小埜瀬を見て、
「なんでいつも、こうなるかな~~~。」
順平、
「凄いっすよね課長。たった3杯ですよ、ジョッキでビール。…それで…、これなんすから。」
菜帆子、助手席で、
「分かんないよね~~。…って言うか、ほんとにアルコールだけでぇ~~???…こんな風になるぅ普通~~???」
佐津香、
「さぁ…。」
菜帆子、
「でも…。ここにきて、何かしら、手応えって言うの…???」
順平も、菜帆子の声に、
「うんうん。凄かったです。あんなプレゼン、見た事ない。」
佐津香も、
「私も~~。これ、行けるって思ったもん。」
理江子の、
「今、小埜瀬課長…。今のマーケティング事業部には…、もぅ…、なくてはならない、存在。」
と、菜帆子の、
「でも…。ここにきて、何かしら、手応えって言うの…???」
と、順平の、
「あんなプレゼン、見た事ない。」
と言うのが、実は…。
つい1週間前の事。
まだまだ改善は必要なのだが、本番をイメージしての、コンペのプレゼンのリハーサルとして、
「さて、誰が…???」となったのである。
舞台は海外。そういうイメージの中で、ここにきて、準備はいいのだが、
いざ、コンペの時の司会進行…と、なると…、誰も…。
その時、菜帆子、
「課長~~。小埜瀬課長~~。」
と、声低く…。
すると、一気に、メンバーの視線が…。
吉竹、
「小埜瀬さん、どお…???…仙台での…力量~~。」
いきなり振られての小埜瀬、目を真ん丸に、
「い~~~~???…僕が…。ですか…???…いやいやいやいやいや。」
すると今度は愛結美、小埜瀬に両手を合わせて、
「お願い。します。」
小埜瀬、またまた、
「いやいやいやいやいや。」
佐津香は佐津香で、目をパチクリさせながら、口を尖らせながら…。

好きになれない。 vol,180. 「…って、普通…、有り得ないでしょ。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
