隆英と賀寿恵、荷物を持ちながらも廊下を…。
賀寿恵、隆英の後ろから、
「隆英さん、柏田先生、ご存じだったんですか…???」
その声に隆英、
「いいえ…。先日、私も初めてお会いして…。」
「どんな経緯で、先生の…???」
「望都さんです。」
「望都って…。おばさんの…???…って…言うか…、あの…、麗子さんの…娘さん。」
隆英、
「えぇ。ホテルのフロントで、物凄い偶然。…と、言うか、あのホテルも麗子さんの紹介だから、初めから…。」
賀寿恵、後ろから、
「えぇ。確かに、望都さん、ニューフロレンスホテルのホテルエ。」
「その望都さんが、柏田さんの本の大ファンなんだそうです。」
思わず賀寿恵、
「え~~~~。それは…、知らなかった~~。」
斜め後ろに顔をチラリと隆英、
「はは。」
愛結美との通話を切っての菜帆子、
「いやいやいやいや。なんとも…。そういう事になるぅ~~~???」
愛結美は愛結美で、こちらも通話を切って、そして…、何やら腕組みをして、
「ん~~~~。」
まださっきの小埜瀬との通話の、小埜瀬の声の調子が頭の中に余韻となって…。そして、
「とにかく、あの…、課長の声のトーン。会社内では…、あんまり…、聞かないよね~~~。」
そして…、ニッコリと、
「ははは。」
そして今度は、口を真一文字にして、何かしら悪戯っ子のような面持ちで、
「もしかして…。佐津香さん。もしかして。もしかして~~~。ふふん。」
その2日後…。
榊の部屋に奏多、ドアをノックして、
「失礼します。先生。」
榊、
「どうでした…???」
奏多、資料を榊に。
「うん。」
そして榊、資料を見ながらも…、
「ふ~~~ん。…なるほど~~~。…自閉症…ですか~~。…で…、それでいて…、今は…、アルバイト…。…小料理屋の…ほぉ~~~。」
奏多、
「先生…。」
それから…、2週間が経った。
優維香、部署に入って来て、
「あれ…???」
悠里に、
「リーダーは~~~???」
悠里、優維香に、
「ふん。ちょっと出てきますって。」
優維香、そんな悠里に右目を歪めて、
「また…???…んもぅ~~~。また何の連絡もなしに~~。」
そんな優維香に悠里、困ったような笑顔で、
「最近、リーダー、ちょくちょく、自分で出掛けちゃってるよね~~。ははは。」
「はははじゃな~~い。単独行動、目立つ~~~。」
そんな優維香に悠里、
「まぁね~~~。…でもさ。そんなリーダーの発案が切っ掛けで、それにプラスしての優維香のイメージで、スタッフコレクションと加味しての、新しいデザインも好調~~と、来てるし~~。ある意味、これもまた…、新しい風…???」
「確かに~~。まぁ~~。それは。それで、良いんだけど~~。コミュニケーションって言うのも、あるでしょう~~。最近。単独行動~~。んもぅ~~。」
そして池辺に、
「課長~~~。」
池辺、その声に、
「ん~~~???」
優維香、池辺のデスクに、
「あのですね~~。」
池辺、優維香に、
「まぁまぁまぁ。優維香の気持ちも分かる~~~。まっ。…でも…、そこを何とか…。彼にも、彼なりの…、やり方って言うの、あるのかも…、知れないから。…今まで、世界歩いて来て…。いきなり会社の枠にって…。」
その声に優維香、膨れっ面をして、
「それは…、まぁ…。そうなんですけど~~~。」
つまりは…。
隆英、歓迎会からほぼ1週間はとにかく自分の席でいろいろと…。
けれども、それ以降は…。優維香の言う通りに、
何かしら、席を外しての単独行動が目立つようになっていた。
ただ…、そんな中でも新しいデザインを提案しては、
必ずそれを優維香に見せて、日本版にアレンジしての、
独特のインテリアをリリースするという形に仕上げてはいた。
そして…、その雰囲気は…、今まで慣れていないトラディショナル事業部の他のスタッフたちにも、
僅かなりの違和感をもたらせても…、いたが…。
敢えてスタッフたち、その違和感を口に出してはいなかった。
そして…、こちらでは…、コンペの準備が急ピッチで…。
当然ながらも、部署内にも日々テレビ局のカメラ。既に2週間も経過している。
最初のぎこちない感じからは慣れたのか、これこそが密着取材、と言う状態にも落ち着いていた。
小埜瀬は小埜瀬で、時折吉竹と門倉で食事を…。
その時は特段、問題はなかったの…、だが~~~。
「んもぅ~~~。また~~~???」
佐津香。
こちらでも小埜瀬が…。
菜帆子、
「これって…、何かの症状…???…なんで…???」
今回は理江子も同席。コンペメンバーとの食事の帰り。
小埜瀬、また、道路上で倒れてしまったのだった。しかも、気持ち良さそうに…。
佐津香、
「もぅ~~。課長~~。しっかりしてくださ~~い。」
理江子、目をパチクリとさせて、
「えっ…???…前も同じ…???」
そんな理江子に愛結美、菜帆子たちも、顔をコクリと。
「うん。」

好きになれない。 vol,179. 「佐津香さん。もしかして。もしかして~~~。ふふん。」
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