賀寿恵、そんな2人を見て、
「あ~~~ん。なるほど…。インスタ。」
その声に隆英、賀寿恵に、
「インスタ…???」
「はい。」
隆英を見て…。
「多分…。隆英さんの後ろ斜めの席の女性ふたり。インスタにここのメニュー、上げているんでしょうね~~。私は知らなかったんですけど…。道理で…、客入りがいい。」
隆英、周囲を見渡しながら、
「はぁ…。」
「隆英さんは、インスタ。」
目をパチクリとさせながら、
「あ、いえ…。インスタ…???」
「はい。インスタグラムの事です。写真を撮影してネットに上げるやつ。」
頷きながらの隆英、
「あ~~、はいはい。それなら…。名前程度は…。」
「今や、女性たちの間では人気ですから。」
ポツリと隆英、
「なるほど。」
賀寿恵、自分のスマホをササササと。そして隆英にそれを…。
「これです。」
画面を見て隆英、コクリと、
「はいはい。なるほど…。」
けれども恥ずかしそうに、
「はは。僕は…、やった事も…。」
スマホを自分の方に、賀寿恵、
「こうやって、今の女性はインスタに上げて…、ある意味…。いいねや、フォロワー数が増えれば増える程、感激するって訳です。」
「へぇ~~ぇえ~~。」
「まっ。一種の…、生活リズムの、モチベーションでも、あるのかも…。」
隆英、
「じゃあ…。弓さんも…???」
賀寿恵、照れながらも、
「あん。でも…、私の場合は…、それほど…。…単に…、流行りに…乗るだけ…。…一応…、インテリアに関して、アンテナは…、張っておかないと…。」
「なるほど。」
「…で、ないと麗子さん。社長に仕えている訳ですから。」
隆英、両眉を上下に、
「う~~ん。」
ダイニングに絢美、
「大旦那様~~、お食事の準備が~~。」
ベランダで寛いでいる横井土と礼美、そして麗子、
「おほ。準備、出来たか~~。」
「うん。」
「そうらしい。」
麗子、今度は玄関から。
そして…、キッチンに…。
「こんにちは。」
絢美、
「あら、麗子さ~~ん、いらっしゃってた~~。」
そんな絢美に麗子、
「かかかか。うん。いきなりベランダに入っちゃったから。」
「そうでしたか~~。」
麗子、
「う~~っわ。凄いご馳走~~。絢美さんも一緒に、でしょう~~。」
「えぇ~~。頂きます~~。」
瞬間、
「おっと。敬嗣(けいじ)さん、教えてあげないと。」
礼美、
「あん。それじゃ、私が…。…と、言っても、お兄ちゃん、絢美さんじゃないと、ダメか~~。」
その声に麗子、
「えっ…???…そうなの…???」
絢美、何かしら、恥ずかしそうに…。
礼美、麗子に耳打ち。
麗子、
「ふん…???」
そして、目を真ん丸に、
「うそ―――――――っ!!!」
礼美、思いっきりしかめっ面をして、
「シ――――ッ。おじい様には内緒。」
麗子、途端に、
「え~~~ぇえ~~???」
絢美、真っ赤な顔をして…。
麗子、絢美を見て、
「うっそ。」
小さな声で、
「絢美さん、敬嗣と…???」
瞬間、絢美、口を真一文字に。
「ん~~~~~。…」
困った顔をして…。それでいて、嬉しいような、微妙な表情で…、
「…どう…なんで…、しょうかね~~~。」
麗子、
「いやいやいや。マジで…。」
横井土は既に椅子に座り新聞を。
礼美、
「私も着替えて来よう~~っと。」
麗子、ゆっくりとダイニングに。
横井土、
「それはそうと…。ジョエル、どうだぃ。今。お前のお気に入りの…、柿崎優維香君。お前さん、どうやらその子、見染めたんじゃ。その子のお蔭で、今度のスタッフコレクション。」
麗子、椅子に座りながら、
「えぇ。彼女のセンスは抜群。前回で、辞めてった子、その子と同じセンス。持っているような…。」
横井土、
「かかかかか。そうか。うん。逞しい~~。私も顔は見せてもらったよ。」
「へっ…???…お兄ちゃん、何処で…???」
「あ~~。お前には内緒にしてたが、当日、私も礼美に誘われて…会場にね。かかかかか。あいつ、あの日は仕事、休みだからって、自分の局でも生中継するから見に行こうって。」
麗子、目を真ん丸に、
「そうだったの~~???」
「…元々、お前からその子の名前、聞いて知ってたから、どんな子かなって、思ってね。…そしたら、何々、礼美が見つけてくれて、かかか、挨拶までしたよ。彼女、礼美がテレビ局の人だって知って、驚いてたが…。かかかかか。」
麗子、
「へぇ~~~。そうだったんだ~~。」
横井土、新聞を畳みながら、
「確かに。彼女、良い目をしていた。なるほどと。…で、そういう意味でも、リッツカルバンをね~~。」
麗子、目を真ん丸に、そして口を真一文字に。
「ふ~~~ん、な~~るほどね~~。そこまでは…、私も…。」
横井土、
「かかかかか。今回は、私が、一本取ったな。ははははは。」
その笑いに麗子、ニッコリと。
「ふふふ。まぁね。」
この、「私が一本取ったな。」の意味は、つまりは、絢美の事を指している。

好きになれない。 vol,170. 「あ~~~ん。なるほど…。インスタ。」
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