佐津香も慌てて、
「あ、あの…。私たち、まだ…、オーダー。」
未梨、お皿を配りながらも、
「コース料理になります。」
菜帆子、愛結美、慌てて、
「コース…???」
「はい。」
もぅひとりの女性。
「理恵子さんから聞いてて、もし、オーダーが中々出ないようなら、お任せします。何でも。ただ、何かしらお気に入りの料理があれば、その時は、その時で…。」
その女性もお皿を配り終えて。
未梨、
「娘の伽璃菜(かりな)でございます。」
瞬間、菜帆子も愛結美も、
「奇麗~~~。」
小埜瀬も口をおちょぼ口にして。
順平、いきなり、その女性に、ニコリと、
「初めまして。」
頭をコクリ。
間髪入れずに菜帆子、
「順平~~。NG~~~。」
愛結美も顔を捻じ曲げて、
「うん~~~。」
佐津香、ニコリ、
「ははは。…でも、うん。奇麗なお嬢様。」
伽璃菜、ペコリと、
「ありがとうございます。」
菜帆子、メニューを見て、
「うんうんうん。でも…、美味しそう~~。」
そして未梨を見て、
「えっ…???…コースって、私たち、そんな…。」
未梨、ニコニコと。
「いいぇ~~。お気になさらず。最後までどうぞ、ごゆっくりと~~。それでは…。」
ふたり、席を離れる。
思わず愛結美、動揺を隠せずに、
「え~~~???…ってか…、コースって…。どうなってるの…???」
小埜瀬、
「何とも。サプライズですね~~。こりゃこりゃ。」
順平、
「それにしても…。旨そう~~。」
佐津香、笑顔で、顔を傾げて、
「まっ。頂きましょ。ある意味、これ、理江子さんの…、サービスかも知れないから、受け取りましょう~~。」
小埜瀬、ニッコリと。
「ですね~~。ん~~。いい香りだ。…それでは。」
5人一斉に、
「頂きます。」
そして、スプーンで一口。
それぞれがそれぞれの顔を。目を真ん丸に、顔をコクリ、コクリと。
そして、
「うんうんうん。」
「旨い。」
「おいしい~~。」
「いいっすね~~。」
「あはははは。ほんわか~~。」
順平、
「こういうのも…、たまには、いいっすね~~。」
佐津香、順平のその声に、
「うんうんうん。それ。分かる~~。」
そして食べながら…。佐津香、思わず口に手を。
「ぷっ。」
菜帆子と愛結美、そんな佐津香を見て、
「佐津香さん…???…何か…???」
小埜瀬も、
「うん…???」
佐津香、
「あっ、いえね。ちょっと思い出しちゃって…。」
菜帆子、
「思い出しちゃってって…何を…???」
愛結美も、
「うんうんうん。」
佐津香、菜帆子を見て、
「ほら。この間のお重。」
瞬間、菜帆子と愛結美、
「あ~~~。はいはい。」
「うんうんうん。そういえば、確かに。」
佐津香、また口に手を当てて、
「今の順平の声で、あのお重、思い出しちゃって…。物凄い、懐かしい味だったから~~~。」
そんな佐津香を見て小埜瀬、何かしら嬉しくなって、
「おばあちゃんね~~~。はは。」
愛結美、
「そのおばあちゃん、今は。」
「えぇ。元気ですよ~~。もぅ、勝手知ったる他人の家って奴です。」
順平、
「本当っすか。」
小埜瀬、コクリと、
「えぇ。…ただ…。そんなに…、他人のプライベートにはってんで…。…でも、夜は、いつも、テーブルに晩御飯。」
その話に4人、
「へぇ~~ぇえ~~。」
「しっかりと書置きまで。僕は、朝は食べないし、昼は外食。まっ。コンビニもありますけど…。」
愛結美、
「あ、朝もしっかりと食べないと…。」
菜帆子も佐津香も、
「うんうんうん。」
順平、
「俺だって食べてるんすから。」
愛結美、
「立ち食いでね~~~。まっ。でも、それでも偉い。」
小埜瀬、
「まぁ~~。長年の…、習慣に、なっちまってるんでしょうね~~。」
菜帆子、
「じゃ~~。だから…、それこそ、いい人~~~。」
瞬間、愛結美、
「ぷっ。」
そして、
「さすがに、そっちに戻るか~~~。」
菜帆子、
「だ~~~って~~。56で、独身。…って言うか…、ね~~。佐津香さ~ん。」
いきなり佐津香を見て。
佐津香、いきなりの振られようで思わずドキン。
「えっ…???…え…、ぇ。ま。まぁ~~。はははは。」
そんな佐津香に菜帆子と愛結美、思わず、
「えっ…???」
「…でも…。」
佐津香、
「私も…。課長の気持ち…。分かるなぁ~~って。奥様の事。」
菜帆子、
「あ、あ~~~。未だに…。ねぇ~~。」
愛結美も、
「ん~~~。確かに。その人の身になってみれば…。」
小埜瀬、思い出したように、
「はは。」
菜帆子、
「それこそ…。課長の奥様って…。」
その瞬間、
「あっ!!!」
小埜瀬、目をパチクリと、
「うん…???」
菜帆子、
「すみません。」
「あ、はい。」
「もう一度、課長のスマホ。」
キョトンとして小埜瀬、
「あ、あ、あ~~。はい。どうぞ。」
そして自分のスマホを菜帆子の方に。
菜帆子、
「ちょっと、ごめんないね。」
佐津香、
「菜帆子、そんな、あなた、人のスマホを勝手に…。」
菜帆子、アルバムを…。
「仕事の写真ばっか。それと…、飲みの写真。」
けれども…。
「うっ。」
愛結美、
「ん…???」
小埜瀬、
「はい…???」

好きになれない。 vol,138. 「あ、あの…。私たち、まだ…、オーダー。」
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