「胸に…、仕舞っておく。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 「でね。」
陽織。
「ドキドキ、ドキドキ。…で、今度は、鼻がツ~~ンと、するし、で、涙が…。そしたら、今度は立っていられなくって…。…でも、何とか…。」

肇、
「おやおやおや。」

ルシア、
「ほほほほほ。」

「後で…、そんな感情…、調べたけど…。」

肇もルシアも、
「うん。」

「これって…。恋…???…好きな人が…、出来たって…???」

肇もルシアも、共に、口を捻じ曲げる。

「だから。」
陽織、
「私…。亮輔の事…、好きなんだ。」

肇とルシア、
「……。」
けれども陽織、
「…けど~~。こんな感情…。」
陽織、そして、顔を傾げて、考えた風に、
「胸に…、仕舞っておく。……。ははは。…無理だよ。…いつ、また…、柚香、お姉ちゃんに…。今は…。」
今度は…少し、遠くを見る目で、
「私…。3週間…。なのかな…。」

肇、
「う~~~ん。」

ルシアも、
「もぅ…、そのくらい…???」

「今回。私…。長いよね。」

その、陽織の、「今回。私…。長いよね。」の声に肇もルシアも、陽織に優しい笑みで…。
そして、顔を僅かに傾げる。


そして…。




その3日目だった。

藪岡から熊沢の下に電話が…。

熊沢、
「そぅですか~~。もぅ…、3週間以上も…。」

スマホを耳に藪岡、
「えぇ。」

「…と、言うか…、藪岡先生は、柚香さんと陽織さんとは…、どんな経緯で…???」
「あ、あ~~。私が、良く行く店で…。」

「店…???」

僅かながらに藪岡、可笑しがりながら、
「えぇ。まっ、ちょっとした、昔からの縁で…。知り合いの店なんですよ。」

熊沢、その声に、
「ほほぅ~~。」

「…で、その店に、陽織ちゃんがいたと。」
「陽織ちゃん。…ですか~~。」

「え、え~~~。まぁ…。事の成り行きで…、みんな…、彼女の事は、そんな風に。」
「事の成り行き…。みんな…。」

「まっ。とにかく…、不思議な縁で…。」
「不思議な縁で…。…ですか~~。」

「今や、柚香さんも陽織ちゃんの事は…、大切に。…そして、陽織ちゃんもお姉さんの柚香さんの事を…。大切に…。…そんな風に、感じているみたいですが…。」

熊沢、
「そうですか~~。」
看護師たちを眺めながら。
「ただ…。今は…。…そうですか~~。3週間以上…。」

「何かしら…、ある衝撃で…、陽織ちゃんは、柚香さんに戻った。…そんな話を…、真輝君。」

熊沢、目をキョロキョロと、
「真輝君…???」

「勝巳真輝君です。長篠観音総合で、入院していた時に。」

いきなり熊沢、口を開けて、
「あ~~。はいはいはい。彼…。」
そして熊沢、受話器を耳に、顔を下に、
「ははははは。…と、言う事は…、あのふたり。」

パソコンの画面を見ながら藪岡、
「あのふたり…???」

瞬間、熊沢、
「あ、いえ…。」
熊沢、いきなり体を左側に…。看護師たちに背をするように、
「実は…、ウチでも、あのふたりは…。…特に看護師たちの間では…。何やら…。」

途端に藪岡、
「へぇ~~~。…と、言う事は…、長篠観音総合では、既に…。」

「いやいやいや。…と、言うか、ウチでは…、そんな感じだったと。まっ、今は、実際、どうなのかは…。」

その話に藪岡、笑顔で、
「はははは。うんうん。…そうですか~~。…まっ。とにかく、真輝君の方が、柚香さん、とにかく心配で、心配で…。」

遠くから、
「先生。」

熊沢、
「おっと。…では、藪岡先生。その件、よろしく。藪岡先生の方が、こちらより、尽力されているようで…。お願いしますよ。」

藪岡、
「ありがとうございます。では…。」

「では。」





そして…。大学キャンパスから通りに。

絢美、心都、陽織に、
「じゃあね~~。」

陽織も、ニコニコと、
「うん。じゃ、また、明日。」

そしてバッグからスマホを出して…。
その時。いきなり陽織の右側から二輪車が。

「危ないっ!!!」
後ろから叫び声。

その声に陽織、ドキンと。

瞬間、二輪車は陽織と、もはや、ぶつかるスレスレで交差点を通過。
その二輪車の風圧で陽織、その場に。目を真ん丸に。

後ろから、
「うそでしょ。危なかった~~~。もぅ~~。陽織ちゃ~~ん。」
阿須賀、である。

陽織、思わず、
「えっ…???…って…、ここ…。」

阿須賀、陽織の肩に手を、
「大丈夫~~~???」

陽織、右後ろを見て、
「あ…、阿須賀…さん…???」

そして、絢美も心都も、
「柚香~~~。大丈夫~~???…いきなり後ろから危ないって声、したから。」
柚香に急ぎ足で。

陽織、
「えっ…???…あ…???」
何かしら、顔を傾げて、
「あ。…う、うん…。大丈夫…だけど…。はは。」
頭の中で、
「…ってか、ここ、大学の、外じゃん。」

阿須賀、口を窄ませて、小さな声で、
「阿須賀…さん…???」
瞬間、
「うそ。」
いきなり陽織に体を近づけて、耳打ち、
「もしかして…、柚香さん…???」

そんな阿須賀に柚香、こちらも口を窄めて、真ん丸の目で。そして小さく2度の頷き。

そして柚香、阿須賀に小さな声で、
「私、どうなった…???」








LIBRA~リブラ~   vol,164.   「胸に…、仕舞っておく。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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