亮輔、店のドアを開いて、そのままバン。
外に出るなり、
「阿須賀~~~。」
陽織、ようやく、椅子に…。顔は…、伏せたままで…。
肇、そんな陽織に、
「陽織ちゃん。」
ルシアも、陽織の傍に。そして、隣の椅子に座って、陽織の背中を摩る。
「陽織ちゃん。」
黙ったままの陽織。
数秒…。そして…。ゆっくりと顔を…。
「オーナー。店長…。」
ルシア、肇も、
「うん…???」
陽織、
「私…。今…、何をした…???」
その声にルシア、肇を見て…、
「うん…???」
肇も、そんなルシアを見て、陽織を見て、
「うん…???」
そして…、
「まぁ…。…なんだな…。要するに~~。つまりは…。唇と…、唇が…。」
陽織、その声に、すぐさま、
「うそ。」
肇、目をパチクリと、
「…って、言うか~~。まっ。私の前で、しっかりと目に入ってきた…のは…。疑う余地…なしの…。うそでも、何でもなく…。唇と唇が…触れた…。キス…???」
ルシアを見て。
ルシア、そんな肇の声に、口を真一文字に…。
「ふ~~ん。…って、言うか、私の位置からは…。」
すると…、陽織。今度は目を真ん丸に。そして、口を真一文字に。
「ワハ。やた。やたやたやた。はははは。」
小さく。
途端に肇、
「えっ…???」
そんな…。自分の隣で両手を小さく拍手してニッコリとしている陽織を見てルシア、
思わずポカ~~ンと。けれどもそれも一瞬。すぐさま、陽織を抱き締めて、
「はは。」
ニコニコと、
「陽織ちゃん、かっわいい~~~。かかかかか。」
そんなルシアと陽織を見て肇、困ったような笑顔で、
「やれやれ…。」
もぅ…、涙は出てなかった。スタスタと歩いていたのが、ようやく落ち着いてか…。
後ろから亮輔、
「阿須賀~~~。」
ようやく阿須賀の右肩に亮輔の左手が…。
けれども、その手を振り払って歩く阿須賀。
亮輔、
「おぃ。」
言葉なく阿須賀。
そんな阿須賀に亮輔、
「待てって。」
それでも後ろを振り向く事なく阿須賀。
そして亮輔、また阿須賀の右肩に左手を。そして、
「おぃ。」
今度は強く。
阿須賀、その力に、
「何よ。」
ブスっとして。
ようやく立ち止まるふたり。
亮輔、強張っている阿須賀に、
「あのな~~。おまえなぁ~~。」
阿須賀、亮輔から目線を外して、
「何よ。」
「何がどうしたよ~~。俺が、おまえに、何した~~???」
「何って…。そりゃ…。」
口を尖らせての阿須賀。そして、今度は下唇をビロンと。
「何よ。…だって…。ふん。まっ。そりゃ。亮輔、あんた。何も…。私に、何もしてないよ。…けど。…けどさ。」
そこまで言って阿須賀、言葉が止まる。
そして…。
「けどさ。…けどさ。」
すると、いきなり、また泣きそうに…。
そして…、遂に、泣き声に、
「けどさ…。亮輔…。」
亮輔の両手を両手で握り。そして亮輔の胸に頭を。
「あ~~~ん、あああああ。亮輔~~~。」
亮輔、阿須賀の頭を右腕で抱いて、左手は阿須賀の腰に。
阿須賀、右手で亮輔の左脇腹をトントンと。
「あは~~~~。」
「しゃあ~ねぇな~~。」
亮輔、ポケットからスマホを…。そして、
「もしもし。俺…。まっ。今日は、このまま、帰るわ。」
スマホから、
「うん。分かった。気を付けて。」
ルシアの声。
そして亮輔、そのまま、スマホから…。
数分後、その場にタクシーが…。
阿須賀、シートに、亮輔に抱えられたまま。
午前2時。既にいつもの自分の席に、陽織。肇に、
「店長~~。」
その声に肇、
「ん~~???」
「私ね。人に隠し事するの、嫌い。」
その声に肇、
「おぅ。ほほほほ。うんうん。…確かに、そうだな。」
「だから、私、店長には。オーナーには、話しておきたい。」
「おや。」
「でも…。これは…。」
そして陽織、顔を傾げて、
「多分…。ダメ…かも…。」
肇、
「うん…???」
そして肇、すぐさまルシアに目を。
ルシア、その目に気付いて、陽織の隣の席に、
「うん…???…どうした~~???」
陽織、
「オーナー。」
「うん…???」
陽織、グラスを両手で…、そして、グラスを見ながら、
「もしかして…、私ね…。」
肇、陽織を見て、そしてルシアを見て。
陽織、今度は顔を上に、
「あのね。私。亮輔の事、好きかも…。」
いきなり肇、そしてルシアも目をパチクリ。
肇、
「おっと。」
ルシア、目を丸く、そして口を真一文字に、
「ふ~~~ん。」
そして、今度は、
「ん~~~???」
「もしかして…。」
陽織、
「…もしかして…。なんだ…、けど~~。」
肇、
「うん…???」
ルシア、
「ふん。」
「亮輔、あいつ…。私の事…。どう思って…???…もしかして…、好き…なのかな…。」
その声に肇、ニッコリと、
「お~~っと~~。」
ルシア、そんな陽織に、
「ふふん。」
そして、
「さ~~て~~。」
陽織、少し顔を赤らめて、
「ど…、どうなんだろ…???」
そして陽織、
「前に…。」
肇とルシア、
「うん。」
「オーナーと店長の家、行った、その帰り。家に着いて、すぐさま、胸が締め付けられそうに痛くって。」
いきなり肇、
「わ~~お。」
ルシア、
「うそ。」

LIBRA~リブラ~ vol,163. 亮輔、店のドアを開いて、そのままバン。
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