陽織、椅子から立ち上がり、ゆっくりと声のした女子ふたりの方に。
ただ…、表情は険しい…。頭の中で、
「…おぃおぃ。なんでお姉ちゃんの大学…???」
目をキョロキョロと。
「…ってか…。」
さっきのトイレの事を思い出して、
「…あ、そっか~~。トイレで…、お姉ちゃんから…。」
そして陽織、ふたりの元に。また、頭の中で、
「…なんとか…。」
陽織の左隣には絢美。華奢な体で地味な服装。
若き頃の一色紗英かアメリカ映画女優、若き日のジェニファ・コネリーの彼女である。
そして、その隣には本郷心都(ほんごうみひろ)。
こちらは普通の女子大生。因みに、芸能人に例えると、見上愛。
そんな心都が自分のスマホで、絢美に、
「ねね、これどう思うよ。絢美、あんたの意見。」
その声に絢美、画像を見ながら、
「ん~~???…あぁ~~。」
その時、柚香のスマホにラインの着信音。陽織、
「おっと。」
その瞬間、隣で柚香の、「おっと。」の声を聞いての絢美、
「えっ…???」
陽織、バッグからスマホを出して、画面を…。そして、また、
「おっと、真輝。」
講義が始まる5分前。
画面には、
「大丈夫か、柚香さん。」
スマホを見ている柚香に絢美、顔を傾げて、
「ねね、柚香~~。」
その声が陽織の耳に届いているのか…。陽織、すぐさま、
「私、陽織。トイレでお姉ちゃんから変わったみたい。…っと~~。送信。」
また絢美、
「ねね、柚香~~。」
その声に陽織、思わず左側に顔を、
「えっ???…ああ、うん。何…???」
ラインを貰っての真輝、いきなり表情が、
「えぇっ!!!」
一気に慌てて。
「…って言うか。」
鬼の形相の真輝、
「今、さっき。トイレでって。」
がっしりと顔を。
「うん。ぐっ。また。かっ!!!…ったく。なんで今っ!!!」
すぐさま真輝、指でトン。
2回のコールで亮輔が出る。
「ほぃ、俺~~。」
真輝、
「ほぃ、俺~~じゃねぇだろ。今、おま、何処にいんだよっ!!!」
その声に、
「あぁ。俺か~~。」
「俺かぁ~~じゃなくって。」
「…って事は、柚香さん。陽織ちゃんに。」
真輝、
「あぁ。たった今、俺の送ったラインに返信。」
亮輔、すぐさま、
「分かった。阿須賀に電話しとく~~。」
真輝、その声に、
「あ、阿須賀さん…???」
亮輔、
「ふん。そう。じゃな~~。」
プツリと切れる。
「いやいやいや。」
急に真輝、
「えっ???えっ…???…いやいや。何…???…どういう事…???」
真輝、キョロキョロと教室を見回して、
「…ってか、あいつ、今、何処にいるんだ…???」
そして、こちら、商学部の教室。1本の電話に、
「はいは~~い。分かった~~。」
そして通話を切って、
「さて…と。」
バッグを持って椅子から立ち上がる。
「おん~~もしろくなってきた~~かかか。」
真輝のスマホにライン。その画像を見て、
「えっ…???うそ。」
ラインには、亮輔から、
「今、阿須賀、柚香さんの教室、向かってる~~。」
そのメッセージに真輝、両眉の先端を吊り上げて、
「…って…。どういう事…???」
既に講義は始まっている。
そんな中で、阿須賀、低姿勢で教室に入り、教室のあちらこちらを…。
そして、ようやく陽織の顔を見つけて、小声で、
「ラッキー。ふふん。」
低姿勢のまま小走りで…。
数秒後…、
「はいは~~い。ちょっ、ごめんね~~。」
いきなり陽織の右隣りに。その人物に驚いて陽織、いきなり右に顔を…。
その前の数分。何とか声をしなやかに絢美には誤魔化していた。ニコニコとした顔で…。
陽織、いきなりのその人物に、
「阿須賀っ!!!」
その声に陽織の隣の絢美と心都、柚香に振り向き、
「うん…???」
そして、柚香の隣に座っている女性に頭を傾げる。
阿須賀、陽織に、
「こんにちは。また会ったね~~。ふふん。」
陽織、思わずキョトンとして、
「あ、阿須賀。おま…。」
そんな陽織に阿須賀、ニコニコとしながら、
「まま。いいから、いいから。」
そして、
「とにかく。…教室、抜け出すよ~~。」
陽織に阿須賀、前を向いて小声で。
その声に陽織、こちらも小さな声で、
「うっそ。」
「大~~ぃ丈夫~~。…では。」
阿須賀、すぐさま、陽織の隣の女子に。右手の平を。
「ごめん。ちょっと、この子、借りるねぇ~~。」
いきなり阿須賀、陽織の右手を引いて。
陽織、
「えっ…???あっ。う、うん。」
絢美と心都、
「えっ…???あ。」
「うそでしょ。ねね。ちょ。柚香~~。」
その声がもぅ陽織に聞こえているのか、既に席を後に。
ふたり、共に低姿勢で、陽織、阿須賀のやる通りに体を低く。
そして陽織、
「へぇ~~~ぇえ~~。」
そして…。廊下に出て。阿須賀、
「ふ~~~。」
陽織を見て、
「まっ。こんな感じかな…???」
陽織、思わず可笑しくて、
「はははは。凄ぇ事、するんだな、阿須賀~~。」
「ま~~ねぇ~~。まっ。大学って、ある意味、単位が取れれば~~って、話。そんな…、全部の講義を受ける…。無理無理。」

LIBRA~リブラ~ vol,145. 「…おぃおぃ。なんでお姉ちゃんの大学…???」
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