そして柚香、
「だよね~~。」
そこに真輝、また右手を顔の前で振って、
「いやいやいや。…でも…、それを言うんなら柚香さん。…柚香さんも初めて…???…だって、さっき…、んじゃ、スカイツリーって…???」
柚香、途端に、
「あ~~~。ん~~~。」
少し考えて、
「う、うん。…いや。…でもさ。いや…。確かに、新宿から都庁って。…そりゃ、私も…、メグと一度。…うん。行った時はあるけど…。…そんな…。わざわざ…。…で…???…まぁ…、友達同士でも…。」
口を真一文字…。
「ん~~。」
そして…、へたれ顔で、
「…まず…、ないか…なぁ~~。はははは。」
その話に真輝も、口を尖らせて、
「…それを言うんなら…、僕だって…。わざわざ…。そんな…。」
そして…、また数秒の…沈黙。そしてまたふたり同時に、
「行き…。」
柚香、真輝、顔を見せ合い、
「ますか。」
そして…。ふたり共にチケットを購入して展望デッキへと…。
柚香、真輝、共に、
「へぇ~~。凄~~い。」
「正に絶景~。凄ぇや。」
柚香、
「はは。都庁には申し訳ないけど…、スケールが違う。」
「全くだ。」
「それに、天気も最高~~。」
「完璧に、富士山までしっかりと。」
柚香、真輝を見てニッコリと、
「うん。」
その時、柚香のバッグの中からスマホの着メロ。
真輝、
「おっと、髭男。アイラブ。」
柚香、目を真ん丸にして、
「わっ!!!」
すかさずバッグからスマホを。
「おばあちゃん。」
瞬間真輝も、
「わっ!!!と。一番最初に報せなきゃいけない人。」
そして顔をグシャリとさせて、
「いっけねぇ~~。」
柚香、スワイプして、
「もしもし、おばあちゃん。私、柚香。」
その声に、いきなり幸乃、鼓動がドン。目をパチクリと。そして、
「柚香。…もしもし…???…柚香なのかぃ。」
スマホから聞こえてくる柚香の声。
「うん。私、柚香。陽織じゃないよ。隣に真輝君もいる。新宿駅に着いた時に、何かの拍子で私に戻ったみたい。」
…声が帰って来ない。
幸乃、スマホを耳に当てながら、僅かにその手は、震えている。
そして…、頬を伝わる一筋の涙。
スマホから、
「おばあちゃん…???」
幸乃、一瞬、瞬きをして、
「あっ。うん。うんうんうん。そぅかぃ。柚香に…。うん。」
思わず鼻水を啜りながら、
「あは。…うん。」
そして、ニッコリと、
「うん。良かったよ~~。」
景色を眺めながら柚香、
「おばあちゃん…???…ちょっと…、もしかして…、泣いてる…???」
チラリと真輝を見て…。
真輝もそんな柚香を見て、ニッコリと顔を僅かに傾げる。
幸乃、柚香の声に、
「何言ってる。」
鼻の先を右手人差し指で拭って。
「泣いてやしませんよ~~。」
僅かに腰を下ろして、手摺を握り、スマホで話す柚香。
そんな柚香を見ながら真輝、微笑んで東京の晴れた景色を…。
柚香、
「うん。うんうんうん。分かった。電話する。うん。じゃね~~。」
通話は切れる。そして…。財布を見て、
「わお。ほんとだ。五千円。気付かなかった。」
咄嗟に真輝、
「あぁ~~。おばあさん、陽織ちゃんに、出掛ける前に、これって…。柚香さんのお金、使う訳にはいかないからって…。」
「ふ~~ん。」
「まっ。陽織ちゃんもその事には納得して、柚香さんには迷惑、掛けられないから。って。」
その声に柚香、
「へっ…???…陽織が…、そんな事、言ったの…???」
真輝、柚香に、
「うん。」
「へぇ~~~。…なんか、つっけんどんって…。…だから、意外と、ズケズケ物を言って、ある意味、嫌われっぽぃ…のかな~~って、思っても…みたり…???」
「まぁ…、確かに。」
真輝、
「なんとなく、男勝り…???…しかも…、相手の名前は呼び捨て。なんでだよ。って、男言葉。」
一瞬、柚香も右眉を歪めて、
「男言葉…。」
「うん。」
真輝、コクリと、
「ほら。今朝だって陽織ちゃん、僕に、真輝、どっか連れてけ。なんて…。」
「あ、あ~~~。」
「それに。」
真輝、柚香を見て、前に顔を。景色を見ながら、
「今朝の陽織ちゃんの恰好。」
「恰好…???」
「うん。…茶の間で、座椅子に、胡坐」
目を真ん丸に柚香、真輝を見て、
「胡坐…???」
真輝、柚香を見て、
「うん。…しかも、その、胡坐のままで、テーブルに腕組みしたままでベッタリと。」
その時の状態を真輝、自分も腕組みした姿勢で。
柚香、またまた右眉を歪ませて、
「うそ~~~。凄~~ご~~。」
そして、僅かに考えながらも、
「確かに…。…男勝りな部分は…。あるわ。…とぉ~~。ヤバイ、ヤバイ。メグに電話しなきゃ。」
柚香、スマホを…。
瞬間、真輝、
「あっ。藪岡先生にも。」
柚香、
「あっ。それなら、おばあちゃん。」
耳にスマホを、真輝を見て。
3回目のコールで相手が出る。いきなり耳元で、
「もしもし!!!ユズ~~???いきなりユズの名前で電話きたからもぅ~~~。」
柚香、
「かかかかか。戻ったよ~~。」

LIBRA~リブラ~ vol,134. 「行き…。」柚香、真輝、顔を見せ合い、「ますか。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
