亮輔と阿須賀の手を取り、そして思い切り上に掲げて陽織、
「ははは。ははははは。」
いきなり手を引っ張られた亮輔、驚いて、
「えへへへへ~~~???」
そして、そんな驚きは阿須賀も同じ、
「えへ~~~。うそ~~~。」
陽織を見て亮輔を見て。
陽織は一度、両手のふたりの手を引っ張り、高々と掲げたかと思えば、
今度はその両手を振り下ろしてまた掲げる。そして、今度は更に声を高く、
「イエ~~ィ。はははは。あ~~はははは~~~。あ~~ん、気持ちいい~~。」
そして陽織、亮輔を見てニッコリ。そして今度は阿須賀を見てニッコリ。
そして、ふたり、交互に見て笑顔満面で、
「ねっ。」
亮輔、そんな陽織を見て、思わず、
「おぅ。はは。はははは。」
「…って…、亮輔~~???」
陽織に手を握られ、そして掲げたままの阿須賀。
亮輔、そんな阿須賀に、
「いいじゃねぇか。陽織ちゃん、気持ちいい~~って言ってんだから。」
そう言って亮輔、今度は、
「じゃ、陽織ちゃん。」
そう言いながら握られてた手を放して、
「こぅ。」
両手を高く掲げて。
「陽織ちゃんもやってみな。」
陽織、握っていた阿須賀の手を放して亮輔の言う通りに両手を高く。
亮輔、ニッコリと、
「もっと高く。こぅ。」
陽織、頭の上まで上げた亮輔の両手を真似て自分も頭の上に。
すると亮輔、その陽織の両手に自分の両手を強めにペン。
瞬間陽織、
「わぁ。」
僅かに後ろに仰け反るような感じで…。
亮輔、ニッコリと、
「陽織ちゃんも同じように俺の手にやってみな。」
すると陽織、すぐさま、亮輔の両手にペン。
「これでいいの…???」
亮輔、そんな陽織に、
「あぁ、そうだ。じゃあ、今度はこれを一緒に。」
「一緒に…???」
「あぁ、行くよ。」
すると、すぐに自然に、ふたり同時にお互いの両手を、
「ペン。」
そのふたりを見て阿須賀、
「あはっ。」
その景色を見ていた幸乃、ポツリと、
「陽織…。」
そして、真樹も、
「何が…どう…???」
亮輔、陽織を見て、
「これが、ハイタッチ。何か成功したり、何かを成し遂げたときに仲間とやるのが、これ。ハイタッチ。覚えとくといいよ。」
その話に陽織、
「ハイタッチ。……。」
すると陽織、
「うん。分かった。覚えとく。ありがと、亮輔。」
「…と、言うか…、びっくりした~~、いきなり。」
阿須賀。
「左手、引っ張って上に挙げて、イェ~~ィ、だも~~ん。」
目を真ん丸にして。
亮輔、
「まぁな。」
「陽織ちゃん、大学ってね。」
真輝。
そんな真輝を見て、キョトンとしての陽織、
「うん。」
「陽織ちゃんはまだ、学校を知らないと思うけど…。僕たち子供は、小さい時には、保育園。」
「保育園…???」
「そぅ。そこから、今度は小学校、中学校、そして高校。それから大学と。僕たち、子供が、大人になるまでに段階毎に学ばなきゃいけない場所なんだ。…つまりは、勉強するところ。」
すると陽織、
「ふ~~~ん~~。」
また腰に両手を回して体をゆらりゆらりとさせながら、
「じゃあ~~。真輝も、亮輔も、阿須賀も、その小学校、中学校、そして高校、大学って~~???」
瞬間、亮輔も阿須賀も、
「凄っ。記憶力。」
陽織、3人を見て、
「勉強してきたんだ…???」
阿須賀、
「凄い、この理解力。」
小さな声で。
亮輔、陽織を見て、笑顔で、
「あ、あ~~。」
そして亮輔、幸乃の顏をチラッとは見るが…。
「因みに…、陽織ちゃんは…???学校…、どうするの…???」
その声にビクンとする幸乃。そして、何か言おうと…。
その前に陽織、目をキョロキョロとさせて、口を噤んで、
「ふ~~ん~~。私か~~。」
そして顔を傾げて、
「ん~~~。…分かんないや。…だって。陽織は、今日、初めて朝…???」
祖母を見て、
「ご飯食べて。柚香の…、お姉ちゃんの服、着て、初めて朝から外に出て、今…、ここ…???…ねぇ、おばあちゃん。」
そんな陽織に幸乃、僅かに困惑したような顔で、
「う、うん。」
真輝は真輝で、
「うん。そうだね。」
陽織、続ける。
「だから陽織、これから、何をどうすればいいなんて…。全然。」
顔を右左に、
「分かんない。…って言うか~~。私…。陽織は2歳で死んでるんでしょ。」
その言葉に、真輝も亮輔も、阿須賀も、
「えっ…???」
「死んでるはずの私が、今こうして、生きてる。…しかも…。柚香の体で…。」
瞬間、阿須賀、小さな声で、
「何…???…この子のこの、理解度…。」
阿須賀、亮輔の左肘に右肘をツンツンと。
「半端なぁ~~。」
亮輔もその阿須賀の声に、2度程頷いて、
「う、うん。…いやいやいや。自分でちゃんと、理解してるし。」
阿須賀も頷いて、
「うん。」
「それに…。」
陽織。
「陽織、おばあちゃんに迷惑、掛けたくないんだ。」
幸乃、その声に、思わず、
「へっ…???」
目をパチクリと…。
真輝、そんな陽織を見て、
「陽織ちゃん。」
陽織、口をへの字にして、
「だ~~ってさ~~。」

LIBRA~リブラ~ vol,117. 思い切り上に掲げて陽織、「ははは。ははははは。
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
