「体はしっかりと大学生の年齢の柚香さんなんだ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ  「つまりは。」
藪岡。
「体はしっかりと大学生の年齢の柚香さんなんだ。そして、実際、体が覚えている事は、体の方が動く。…ただ…。幾ら、体で覚えていると言っても、意識は…、これまたしっかりと陽織ちゃん。」

柚香も真輝も藪岡を見つめたまま。

「そして…。」
藪岡、
「とにかく、陽織ちゃんの記憶は、今までの記憶は、ないに等しい。…例え、あるにしても、その記憶は…、2歳で、止まっている。」

真輝、
「2歳。」

柚香も、
「…2歳。」

「…でも、陽織ちゃん、話す事や体の動き…。それは今の柚香さんの動き、そのものなんだろうね~~。それが…、つまりは、体が覚えていると言う。…ただ…、学習能力とかは…。まだ…、全く…。」

柚香と真輝は黙って藪岡の話を聞いている。

藪岡、
「まっ。そういう…事だが…。」
そして…。
「話を元に戻そう。陽織ちゃんの家を知らない。…って~事で…、バッグもスマホもない。…考えた末に、亮輔に電話したんだ。染谷亮輔。」
そして柚香と真輝を見て…。
「柚香さん。」

柚香、そんな藪岡の声に、

「あ、あ~~。そ…かぁ~~。」
そう言いながらも、
「え…???」
そして、髪を揺らすように真輝を見て…。
「あ。いえ…。でも…。」
そしてまた髪を揺らすように、今度は藪岡を。
「え…???…でも…、亮輔さんに電話をしても…。」

その声に藪岡、顔をコクリと。
「そぅ。その通り。…でも、その時には既に真輝君の事が頭にあったんだ。なんとか真輝君に連絡できれば。と思って。…けど…。さすがに…。そんな上手くは…。…実際、亮輔と真輝君との、接点が…。」

その話に真輝、コクリと、
「えぇ…。亮輔君とは…、まず…、話した事って…。殆ど…。」
柚香を見て、
「同じ…、専攻なんだけど…。」

その声に藪岡、
「…けど…。結果的には、亮輔、何とか…。…とにかく、手あたり次第、電話しまっくたと…。」

真輝も、
「僕もビックリしましたもん。見た事もない電話番号から…。一瞬、間違い電話かと…。しかも…、夜中に…。何考えてんだ。出て怒ってやろうと思ったくらいで。ふざけんなって。」

瞬間、藪岡、
「はははは。」
頭を撫でて、
「すまん、すまん。」

そんな仕草に真輝、微笑んで右手を前にヒラヒラと、
「いいえ…。…で、出てみたら、もしもし、俺、亮輔だけど…って。たまに一緒に飲みに行く、桶屋(おけや)から電話番号聞いたって。」
藪岡から視線を柚香に。

藪岡、
「そんな訳で…。でも…。実は…。真輝君から僕に電話があって。家の住所、聞こうとしたら…。僕も一緒にって言ってくれて…。…で、ふたりでエンカントから、柚香さんの家まで…。」

柚香、ゆっくりと頷きながら、
「そうだったんだ~~。…で、タクシーの中で、家の前で…私…。陽織から…。」

藪岡、コクリと、
「うん。…いや…、実際、びっくりしたよ。」

真輝も、
「うん、僕も…。」
けれども、
「…って言うか、昨日…、じゃなかった、一昨日か…。同じ場面は経験してるけど…。でも、とにかくいきなりだったから…。」

藪岡、またコーヒーを…。そして、腕時計を見て、
「さて。…こんな時間だ…。」
そして藪岡、店員の方に手を上げて…。

店員が客の前に駆け寄る。

藪岡、
「すみません。タクシーって呼べる…???」

店員、
「畏まりました。」

「ありがと。」



3人共に、席を立つ。

藪岡、柚香に、
「こんな時間…。帰って、おばあちゃんに…。」

その声に真輝、柚香を見て。

柚香、
「多分…、大丈夫かと…。おばあちゃんの部屋って、家の中じゃ、一番奥で…。玄関での音は…まず、聞こえない。」

その話に藪岡、2、3度頷いて。




そして、柚香は自宅に。

藪岡、タクシーの中から、
「じゃ。」

真輝、
「本当に大丈夫…???」

その声に柚香、ニッコリと、
「うん。」

タクシーは動き出す。

藪岡、真輝に、
「ありがと。助かったよ。」

真輝、
「いえいえ。」

「家まで送るよ。」
「ありがとうございます。」




柚香、けれども、玄関を静かに…。そして頭の中で、
「…おばあちゃん…。起きるな~~。」


その願いの甲斐があり、無事に2階の自分の部屋へと…。
「ふ~~~。」
そして袋の中から服を…。そして着ている洋服を…。
一言、
「いやいやいや。まず着ないでしょ、こういう上下は…。…ってか、陽織、この服で外…。」

確かに。クローゼットを開けてみれば、少しだけ…乱れている部分が…。ふと思い出す。

柚香、口に右手人差し指を当てて、
「そぅ…言えば~~。前も…何度か…、こんな事が…。」

けれども、その時は、それほど気にすると言う事はなかったのである。
それよりも目覚めてからの頭痛の方が気になっていた。
藪岡と真輝に会って、そして、話しを聞いた御蔭で、少しは頭痛からも解放されていた。




ルシアのスマホに着電。
「ハ~~イ。私~~。……うんうん。そぅ~~。ハハ。了解~~。」








LIBRA~リブラ~   vol,074.  「体はしっかりと大学生の年齢の柚香さんなんだ。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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