「真輝君、ナビ…、お願い出来るか…???」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 藪岡と真輝、裏口から…。
そして、通りで待っていたタクシーに。

後ろからルシアが、
「藪さん。はいはい。これ…、陽織ちゃんの洋服。」

藪岡、
「おっと、サンキュ~~。」

ルシアから袋を受け取って。真輝が反対のドアを開けて…。
静かに陽織の体を…。首をダラリとして眠っている陽織。全く動く気配がない。

藪岡、運転手に、
「世田谷駅の方に…。」
そして、
「真輝君、ナビ…、お願い出来るか…???」

その声に、
「あ~~。はい。」

腕時計の針は午前2時を回っている。
車はゆっくりと、真輝の言う方角に…。



そして…、数分後…。

真輝、
「あ~~っと。ここです。ここ。」

藪岡も、
「うん。なるほど…。汀の表札。…ここかぁ~~。」

運転手、
「ここで、よろしいですか…???」

藪岡、
「あ~~。うん。ありがと…。」
そして真輝に、
「じゃ、真輝君、また…。…静かにね。深夜だ。」

真輝、
「あ…、はい。」

ドアが両方開く。そして…。藪岡が…、陽織の体をゆっくりと…。

…すると…、その時、
「ん…、ん~~~。」

陽織の目が…。

「えっ…???」
そして、目をパチクリと。
「えっ…???…ええ…???…何…???」
顔を左右に…。
「えっ…???え…???…私…。なんで…???」
今度は思いっ切り顔を右に、左に…。目を真ん丸にして、
「えっ…???…うそ。…なんで…???」

藪岡も、
「うそ…。」

真輝も、
「えっ…???」

藪岡、目をパチクリと、
「まさか…。柚香さん…???」

真輝、
「わっ!!!」

柚香、
「えっ…???…わた…。」
瞬間、柚香、
「わっ!!!…頭…、痛っ。」

真輝も驚いて、
「うそ。柚香さん…???」

柚香、右を見て、
「真輝君…???」
そして今度は左を見て、ドアから降りる寸前の藪岡に、
「…もしかし…。藪岡…、先生…???」

藪岡、
「びっくりした~~。」
けれども…、
「大丈夫…???」

柚香、
「えっ…???…えぇ~~。…けど…、頭が…。」
傾げながら、
「痛い…。」

藪岡、シートに座り直して、
「歩け…そぅ…???柚香さんの…家の前…だけど…。」

柚香、
「へっ…???…うそ…。」

真輝も、
「うん。柚香さんの家の前。」

柚香、タクシーの窓から外を…。確かに、家の前。
「何…???…どうなってるの…???…私…。」

運転手、
「お客さん…???」

藪岡、腕時計を見て、
「柚香さん。」
ルームライトの中、
「今、この時間…。」

柚香、明るさの中で藪岡の腕時計を見て、いきなり口に左手を、
「うそ。2時…。」

「このまま、家に、入れる…???…それとも…、何処か…???」

瞬間、柚香、目をキョロキョロと…。そして、
「ひょっとして…、私…。」

その声に藪岡も真輝も、頭をコクリと。

柚香、それを見て、
「うそ。…私…。」
そして、自分の着ている服を見て、
「何…???この服…。どうしたの…???」

藪岡、また、
「柚香さん。」

柚香、右目を瞑って、
「あ、あ~~。」
すると今度は、自分の体を…。あちこち手を。
「うそ。スマホも何も…。えっ???…どういう事…???」

再び運転手、バックミラーから、
「お客さん。」

藪岡、運転手にチラリと視線を…。そして、
「もう一度、駅まで。そして、24時間営業の…。」

その声に運転手。
「あ~~。ありますよ。マックスアイランド。」

「あ、そこ、お願いします。何処ですか…???」
「走って10分程度~~。」

「お願いします。」
「あいよ。」

ゆっくりと車は動きだす。

真輝、途端に、
「ふぅ~~。」

藪岡のスマホに着電。
「おっと。」
画面を見ると、
「…だよな~~。」
そして、
「もしもし、俺だ。」

柚香、両眉の先を吊り上げて真輝に、
「どういう事…???」

真輝、顔を顰めて、
「あ、あ~~。…ちょっと…、待ってね。」

藪岡、スマホに、
「あ~~。遅れて申し訳ない。状況は大丈夫。柚香さん…。あ、いや…。陽織さんの家に着いた。…これから…。」

その声に柚香、真輝を見て、
「はっ???…陽織…???」

真輝、口を真一文字に…。そしてゆっくりと頷いて、
「…実は…。」

藪岡、
「今、タクシーでマックスアイランドに向かってる。そっからまた電話する。」

 

その声にベッドに腰を下ろしたままで亮輔、

「あ、あ~~。うん。分かった~~。」


深夜2時20分。当然、道は空いている。
タクシーはそのまま24時間営業のマックスアイランドに。

3人、タクシーから降りて店に。
すぐさま藪岡はタクシーを降りた途端に亮輔に電話。

真輝、
「…と。言う事で。柚香さん、陽織さんになってた。」

その声に柚香、目を真ん丸く、そしてビックリして、
「全然…、記憶…、ないんだけど…。」
けれども顔を顰めて、
「…でも、頭…、痛~~い。」

藪岡、スマホの通話を切って、
「ビール、飲んでたからね~~。」

すぐさま柚香、
「えぇ~~~ぇえ…???」

真輝も、
「…だ、そうです。」

店員が、
「いらっしゃいませ~~。」

客はまばらに数名。

藪岡、
「とにかく、座ろうか。」

柚香と真輝、
「あ、はい。」

そして藪岡、
「時間も、時間。柚香さん、後で家まで送る。」

柚香、その声に、頭をコクリと、
「ありがとうございます。」

そして藪岡、
「あっと~~。」

紙袋を柚香に、
「そして、これ、君の洋服。エンカントのオーナーから。」

柚香、
「えっ…???」








LIBRA~リブラ~   vol,072.  「真輝君、ナビ…、お願い出来るか…???」

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