「あ、いや…。」
真輝。
柚香、
「うん…???」
「う~~~ん。…こういう状況~~。」
真輝、柚香をチラリと見て、
「う~~ん。…で、どうするの~~???」
柚香、
「うん…???」
そしてその声の意味を理解したように、今度は口をグンニャリとさせて、
「な~~んだよね~~。」
真輝、カードと名刺を柚香に。
柚香、それを受け取ってまたメモ帳に挟んで、
「おばあちゃん。」
真輝、その声に、
「うん。…もしか…したら…。パニックに…なる。」
柚香もその声には頷いて。…けれども、
「うん。…なんだ…けど…さぁ~~。」
真輝、柚香の声に、
「うん…???」
「実は~~。私…。これも、さっき、電車の中で考えてたんだけど~~。」
「うん。」
「陽織がさ。…その、エンカントで、藪岡先生に~~。」
真輝、また、
「うん。」
「何て言ったと思う…???」
その声に真輝、また両眉の先端を吊り上げて、
「うん…???」
「実は…、陽織。何と。病院で、私と入れ替わってた。」
いきなり真輝、その声に、また、少し声を高く、
「うそぉ。」
「これには私もビックリ。…って言うのはね。先生が言うと~~。陽織、目が覚めたのが病院なんだって。」
「えぇ~~え???」
「…でぇ~~。その時に、自分が今、こんな…。」
柚香、自分の体を見ながら、
「こんな体になっているの初めて知ったみたい…、なんだよね~~。」
真輝、目を真ん丸に、そして顔を右、左に…。
「そして…。陽織、なんでベッドで…。それに…着ているのがパジャマ。…で、ベッドに付いている名前を見たら、汀柚香になっている。その時に、私は柚香じゃない。陽織だって…。」
途端に真輝、
「いやいやいやいや。何々…???…じゃあ~~。…柚香さんが陽織になったって…。これ…、初めて…じゃなかった…って、訳…???」
口を尖らせて柚香、そしてゆっくりと頷いて、
「そっ。…だから~~。」
そして柚香、また顔を傾げて、
「ん~~~。…もしか…したら…。おばあちゃん。…もしか…、したら…。なんだ…けど~~。おばあちゃん。…知って…いるの…かも…。」
「えぇ~~~ぇえ~~。マジで…???」
瞬間、柚香、
「あっ。でも、まだ。まだまだ。分かんないよ。まだ、おばあちゃんには話、してないから…。…って言うか、この事実、知ったの、今日、初めてだし…。」
「うんうんうん。…確かに。」
そして、一拍置いて、
「うん。だ~~ね~~。」
そして真輝、口をグンニャリとさせて、
「でも…。こういうの…。」
そして、左手で頭を撫でながら…。そして、柚香を見て、
「こういうの…。もしかしたら…。また…。陽織に…。あっ。ごめん、呼び捨てにして…。」
その声に柚香、右手を前にヒラヒラと、
「あ~~~。うんうんうん。大丈夫。平気。…って言うか、陽織、事実、2歳で亡くなってる訳だから…。…で、私は、列記として、生きてるし。汀柚香だから…。」
そこまで言って柚香、急に可笑しくなって、
「…って言うか…、私は、列記として、生きてるし。汀柚香だから…。…って言うのも、変だけど…。」
にこやかに。
そんな柚香の顏を見て真輝も可笑しくなって、
「はは。確かに…。」
笑顔でコーヒーを飲んでいる柚香を見て真輝、
「けどさ~~。」
真輝もコーヒーを一口。
柚香、
「ん~~~???」
「柚香さん。何か…、凄いよ。」
すぐさま柚香、
「うん…???…なんで…???」
そして柚香、不思議な感じで真輝を見るように、
「えへ…???」
真輝、一旦は口を噤んで…、そして、
「ん~~~。何て言うか~~。なんか…、柚香さん、凄い。もし、自分がそんな風になったら、思ったら、絶対に誰にも言えないし、何だか、ひとりで塞ぎこんじゃう。そんな感じ…。…それなのに…。」
瞬間、柚香、真輝を見て、
「ふん。」
その顔を見て真輝、
「うん…???」
「真輝君。…それって…。さっきね…。病院で、藪岡先生からも…、言われた。」
「えっ…???」
「柚香さん凄いよって…。…そんな…、自分に誰かが乗り移った。そんな状態なのに、何とも平気な…。」
すかさず真輝、
「うんうんうん。そう。凄いよ。」
柚香、そんな真輝にニッコリと。
「…だから私、病院で、先生にも同じ事言ったの。」
真輝、柚香を見て、
「えっ…???」
「考えても、埒が明かない。」
真輝、目をパチクリとさせて、
「考えても…埒が…明かない…。」
コーヒーを一口、柚香。
「うん。当然、昨日、あんな事になって、実際、真輝君がウチから帰った後に、物凄い落ち込んだ。ベッドで枕抱えて塞ぎこんでた。」
真輝、その話に、
「……。」
「大体…。」
柚香、空を見ながら、
「ん~~~。30分…くらいかな…。」
真輝、また目をパチクリとさせて、
「さ…30分。」
柚香、コクリと。
「うん。…けどさ…。もぅ~~。悩んでも仕方がない。どうしようもないって。」
そして髪に両手を当てて搔き乱すような仕草で、
「え~~ぃ、もぅいいや。…ってなって。…そんな風になると、今度は、逆に…。」
真輝、
「逆に…???」

LIBRA~リブラ~ vol,065. 「実は…、陽織。何と。病院で、私と入れ替わってた。」
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