僅か数秒、ふたり、共に沈黙。
真輝、目をパチクリと、
「え…???…それって…。…どういう事…???」
柚香、腕組みした腕を解いて、
「ふ~~~ん。」
そして、目を落として、
「…こういう事って…。」
そして目を真輝に戻して、
「ふたりが言うには~~。」
「うんうん。」
「陽織と、今まで…。」
顔を傾げて。
「2回は…、会って、いる…らしい。」
「2回。」
真輝。
「うん。…それも…、深夜のお店で。」
今度は真輝、両眉の先を吊り上げて、
「深夜の店…???」
柚香、自分のバッグからメモ帳を出して、それに挟んである名刺とカードを真輝の前に、
「これ。」
真輝、顔を傾げて、そのカードと名刺を…。
「エンカント。…で…、こっちが…、精神科医、藪岡…海路。」
柚香、
「大学の、そのふたりが良く行くお店。」
真輝、
「へぇ~~~。」
「…で、そのお店に、何と、陽織も深夜に行ってる。」
真輝、いきなり、
「えっ…???…うそ。」
そして、
「えぇ~~~ぇえ…???」
「…で…。」
柚香、
「陽織、そこで、お酒、ビールを飲んでる。」
「うそ~~~。」
「しかも。その時間、陽織がそのお店に行っているのが…。」
真輝、カードを見て、柚香を見て、
「うんうんうん。」
「何と。深夜の0時から3時まで間。」
また真輝、両眉の先端を吊り上げて、
「0時から3時。…って、どういう事…???」
その声に柚香、また腕組みをして、
「ん~~~。分かんないんだけど~~。…多分、その、3時には、そのお店を出て~~。家に帰ってきて、眠る…???…と、しか…。」
真輝、口を噤んで、そして目をキョロキョロと…。
「帰りの電車で~~。」
真輝、カードを見ながら目は柚香を…。
柚香、腕組みしながら顔を傾げて、そして右眉を歪めて、
「だから…、私…、時々、朝、目覚めると…。頭が痛かった…。…のって…。」
真輝、口を噤んで柚香を…。
柚香、真輝を見て、
「あっ。…と、言うのは~~。」
真輝、顔をコクリと。
「実は…、私…、お酒…???…まっ、ビールとか…。」
顔を振って、右手の平を前にヒラヒラと、
「飲めない。」
途端に真輝、キョトンと、
「えっ…???…うそ。」
柚香、少し顔を綻ばせて、
「…って、言うか~~。はは。飲めないっ…言うか…。仮に…、コップ一杯…???」
また顔を傾げて、
「一杯…じゃないな。その半分。飲んだだけで…、もぅダメ。バタンキュ~~。」
「うそ。」
「ほんと。」
真輝、また目をパチクリとさせて、
「えぇ~~~え…???」
「アルコールが…、体に…合わない…の、かな~~。」
真輝、
「いやいやいや。それは、知らなかった~~。」
「…って、言うか、言ってないもん。」
瞬間、真輝、柚香を見て、
「あっ。…確かに。」
そして真輝、頷きながら、
「うんうんうん。」
目をキョロキョロと、
「うんうんうん。…だからか~~。あ、うん。柚香さん、朝になったら、頭が…。」
「うん。」
柚香、口をグンニャリと。
「少しだけ…。…謎が解けた。」
「へぇ~~ぇえ~~。…そういう事~~。」
けれども真輝、
「ん~~~。…でも、何で深夜の0時から、3時…???」
その声に柚香、
「う~~ん。私もまだ、そこは…。」
「…で…???…この…、精神科医の…。」
柚香、
「あっ。その人、その人。…実は~~。凄い事。」
真輝、また目をパチクリと、
「ふん…???」
柚香、口を真一文字に、そしてニッコリと、
「真輝君。」
そんな柚香を見て真輝、顔を傾げて、
「ふん…???」
「真輝君の同期に、染谷亮輔って人、いるでしょ。」
「染谷…亮輔…???…あぁ~~。うんうん。僕の同期、同じ、機械工学科。」
柚香、
「その、染谷亮輔って人が~~。」
真輝が持っているエンカントのカードに指差して、
「そのお店で陽織に会ってる。」
いきなり真輝、その声に、
「えっ!!!」
声を殺したような…。
「うそ。」
「うんうん。」
柚香そしてまたニッコリと、
「…で~~。その、染谷亮輔って人が~~。今日、大学の学食で~~。私に声、掛けた人。」
真輝、目を真ん丸に、
「わ~~お。えぇ~~ぇえ~~。」
「女の人もいたけど…、そりの女性は、亮輔君の彼女さん。」
真輝、2度程頷いて、
「ふんふんふん。」
「でぇ~~。しかも…。その…、精神科医の藪岡海路って人。」
「うん。」
「その、染谷亮輔さんのオジサマ。」
「わお。」
「でぇ~~。これもビックリなんだけど~~。その藪岡…先生も~~。そのエンカントって言うお店で、陽織を見ている。…で、話しをしている。」
瞬間、真輝、またまた目を真ん丸にして、
「え~~~っ!!!」
柚香、驚いている真輝を見て、
「ねっ。凄いでしょ。今日だけで、いきなり…、こんな情報。私の方が驚きだよ。まさかって感じ。」
真輝、顔を傾げて、
「うんうんうん。だよな~~。」
「で~~。その…、藪岡先生…。」
「うん。」
「も~~。陽織と私の事が気になっている。…どうして、こんな風になったのか…。…先生の場合は、既に、解離性同一性障害って言う事には陽織に会った時点で、気付いたんだって。」
真輝、
「うんうん。医者だから、ね。」

LIBRA~リブラ~ vol,064. 真輝、両眉の先を吊り上げて、「深夜の店…???」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
