そんな阿須賀を見て藪岡、
「ほ~~ら、阿須賀ちゃ~~ん。君、だろう~~。」
ニッコリと。そして、
「阿須賀ちゃん、君には何かしら、周りの人を喜ばせる。楽しませるタレント性がある。うん。…俺なんか、スカウトされないのがおかしいって思うくらいなんだけど…。」
途端に阿須賀、顔に両手を…。そして、
「え~~~~???…あ、はははははは…。」
藪岡の話に柚香も、
「うんうんうん。私もそんな風に思う~~。何だかグラビア雑誌のモデルかなんかって…。最初、感じたから。」
その声に阿須賀、またもや、
「え――――――っ!!!」
亮輔、いきなり、
「ちょっと、ちょっと、おふたりさん。あんまりこいつ、おだてない。すぐに着け上がるぞ~~。」
左眉を歪めて、口をへの字に。
途端に阿須賀、
「亮輔~~~。」
こちらも右眉を歪めて、口をへの字に。
藪岡、
「かかかか。仲がおよろしいようで…。…さて。…その…、彼…だけど…。男性の人。」
柚香、藪岡に、
「あっ、はい。」
「陽織ちゃんって、どんな感じだったのかな…???」
「昨日、私が聞いた限りでは…。口調は…。」
目をキョロキョロとさせながら…、
「なんだか、乱暴な…。…あんた誰…???…私に何の用…???」
つっけんどんな感じで…。
藪岡、口を噤んで僅かに驚きの表情で…。
「へぇ~~~。…乱暴な口調…。かぁ~~。僕の見た限り…、全然。」
柚香、
「ただ…。彼も…、真輝君。」
阿須賀、
「あは。名前で…。真輝君。」
そこで柚香、またほんのりと赤く…。
亮輔、
「あのなぁ。」
阿須賀、舌をチロリと…。
柚香、
「僅かに…、数分…???…カフェから、家までの時間だけ…。」
顔を傾げて空を見て、
「ん~~~。…ただ…。」
藪岡、
「ただ…。」
「陽織…。確か…、真輝君にソッポを向いて家に帰ろうと…したらしく…。そんな真輝君も、何が何だか分かんなくって…、言葉を荒くして、ちょっと待てよって…。…だから、陽織も、あんた誰…???…私に何の用…???って、なったようで…。」
藪岡、頷いて、
「うんうんうん。なるほど、そっか~~。」
そして、
「いや。分かった。どうもありがとう。…まっ。今日は…、これくらいにしておきましょう。…多分、これ以上の事は、まだ…。…とにかく、ゆっくりと…。追及するしか…。」
そして藪岡、
「まま。陽織ちゃんは陽織ちゃんとして…。…でも、今は、こうやって柚香さん。自分として何ら問題ない状態。」
そして柚香に、
「体調的には…???」
柚香、キョトンとして、
「はい。どこも…。」
そして顔をコクリと…。
藪岡、ニッコリと、
「うん。まっ。一度、こういう症状になってしまったんだ。別人格…。医学上では、確かに、解離性同一性障害。柚香さんが、柚香さんではなく、陽織ちゃんに。」
柚香、口を噤んで、
「えぇ。」
藪岡、腕組みをして、
「ん~~~。」
けれども藪岡、僅かに顔を曇らせて…。
「…けど…。…柚香さん。」
柚香、
「あっ、はい。」
「確かに。今、体調的には、大丈夫。問題ない…、として…。」
柚香、キョトンとして、
「あ、はい。」
「…その…、割には…。かなり…、精神的に、落ち着いて…。」
瞬間、亮輔も阿須賀も、
「あっ。」
亮輔、
「確かに。」
藪岡、柚香を見て、不思議な目で…、
「気持ち的には…。…どうなの…???…普通の人なら…、ある意味…、パニックに…。そして…、表現はキツクなっちゃうけど…。それ以上に、ノイローゼや…。下手すりゃ、鬱にも…。」
亮輔も、
「うんうんうん。」
その話に柚香。僅かに口をグンニャリと。そして顔を傾げて、目は空を…。そして数秒…。
「わ…た、し~~。」
藪岡、
「うん。」
目をパチクリと柚香、
「確かに。昨日、茶の間で…。自分に気付いた時。…うん。何が何だか分かんなくって…。…って、言うか。目の前に真輝君がいるって。それだけでいきなり体がビクン。心臓バックバク。何でいるのって…。」
瞬間、藪岡、目をパチクリとさせて、
「…って…。えっ…???…そっち…???」
柚香、思わず顔をコクリと、
「あ、はい。…とにかく、何が何だか、分かんなくって…。…で、いきなり立ち上がって、真輝君の手を引っ張って、自分の部屋に。だって、傍におばあちゃんもいて…。どうなってるって…???」
藪岡、思わず口を開けて、
「あ、あ~~。はいはい。」
「…で、真輝君を連れて2階の自分の部屋に。…で~~。その後に~~、真輝君から事情を聞いて…。…それこそ、こっちが、うそ。うそうそうそ。有り得ない。冗談ってなって…。…でも、真輝君の話を聞いて…。…それが事実だって…。…それから…、数時間は…。もぅ~~。私も…ベッドの上で…。駄目でした。完全に参ってました。」
亮輔、腕組みして、
「だよな~~。」
2度程頷いて…。
「…へっ…???」
顔を傾げて、
「いやいやいや。でもさ。今日…、大学来てるし。…昨日の今日だけど…。」
藪岡も、腕組みして、
「うん。」

LIBRA~リブラ~ vol,059. 「昨日、私が聞いた限りでは…。口調は…。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
