柚香、自然にふたりの後ろを…。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 柚香、自然にふたりの後ろを…。そして…、頭の中で、
「…新宿線…???」

ホームに着き、すぐさま電車が来る。亮輔と阿須賀が先に…。続いて柚香。
空いているシートに3人座り…。

亮輔、
「叔父貴…、新宿の病院なんだ。」

柚香、2度頷いて…。

「新宿の~~、蔵廉大学附属病院ってトコ。凄い、ホテルみたいな病院。」
阿須賀、亮輔の体から頭を出して。

柚香、瞬間、眉毛を上に。

そして阿須賀、
「…で、もって~~。亮輔も、両親はお医者さん。」

亮輔、
「だから~~。余計な事は言うな。」

柚香、
「わお。凄~~い。」



20分程度で病院近くの駅に…。そこから徒歩で同じく20分程度。

亮輔、
「ここだ。」

柚香、
「おっきぃ~~。凄~~い。」

阿須賀、
「でしょ。」




総合案内で亮輔。受付の女性、
「はい。伺っております。」
そして体を前に、
「ここから真っすぐ行きますと案内図がございます。精神科病棟、5階になりますので、どうぞ。」

亮輔、
「ありがとうございます。」




病棟に行き、ナースステーションに。

看護師に亮輔、
「あのぉ~~。」

看護師が、3人を見て、
「あっ、はい。」
そして男性を見て、
「染谷亮輔さん。」

「はい。」

看護師ニッコリと、
「藪岡先生、お待ちです。診察室の方に。…こちらです。」

亮輔、
「ありがとうございます。」

阿須賀、ペコリと。そして柚香は丁寧にお辞儀をして。

看護師、ドアを開けて、
「先生。お見えになりました。」

藪岡、
「おっ。」

そして3人を見て、
「おぅ~~。いらっしゃ~~い。」

阿須賀、藪岡に、
「こんにちは~~。」

藪岡、阿須賀を見てニッコリと、
「はい、こんにちは~~。阿須賀ちゃん。」

そして、2人の後ろにいる女性を見て、
「柚香さん。…汀柚香さん。」

柚香、目の前の男性を見て、いきなり丁寧にお辞儀を。
「こ、こんにちは。…は、初めまして、汀柚香です。」

藪岡、柚香を見て、笑顔で、
「うんうん。」
そして、
「まっ。こういう場合も…、初めまして。なんだよな~~。はは。藪岡海路と言います。藪岡の字は分かると思うけど…。海路は、これ…。この字。」
ネームプレートを見せて。

柚香、
「あ、はい。海の…路。」

「この病院で、精神科医をやってます。」
そして、椅子を見て、
「どうぞ。座って。」

亮輔、
「あ、うん。」
そして自分はベッドに腰掛けて…。

阿須賀、丸椅子を柚香に。そして自分も…。

柚香、
「あ、ありがとう。」

藪岡、2度頷いて、
「うんうん。陽織ちゃんとは双子。お姉さんの柚香さん。」

柚香、
「あ、はい。」

「僕の行きつけの店に、エンカントって言う飲み屋があるんだけど…。スペイン人の女性オーナー。」

「スペイン人の…。」
柚香。
「うん。」

「そこにいたら、陽織ちゃんがいてね。深夜…。」

柚香、またポツリと、
「深夜…。」

「うん。凄い、テキパキとした子でね~~。しかも…、客にもウケがいい。」

思わず柚香、口を窄めて。そして、
「テキパキ…???…ウケがいい…???」

「…で、オーナーに…。…この子、どうしたの…???…って訊いたら。いきなり店に入ってきた。…ってね。」
「いきなり…。」

「うん。…しかも、ラフな格好で…。…で、そのオーナーの話によると…。…って、まっ、そのオーナーも、僕とは知り合いなんだけど…。」

亮輔、
「俺の親父の大学時代からの知り合い。こっちの大学に4年、留学してたんだ。…って言うか、あんまり詳しい事は聞いてないけど…。日本語は流暢。それに、とくかく面倒見がいい。」

阿須賀、
「へぇ~~。そうなんだ~~。」

藪岡、
「まっ。そんなとこだけど…。…でぇ~~。そのオーナーが、いきなり深夜に店にひとりで入ってきたその子を見て…。まぁ…、見た目は、20歳に…、見えた…、らしいけど…。…って言うか…。柚香さん…、大学2年生。…と、言う事は…。」

柚香、
「はい。20歳になってます。」

藪岡、コクリと。
「うん。そっか。…で、オーナーは、特にその子に気にすることはなく。その子の注文が、ビール。」

「ビール…。」
「うん。」

「…で、ビールとおつまみをバーテンが…。それから1時間…って言ってたかな…。その子が帰る時に、その子、ごちそうさまって…。…で、その子にバーテンが、ちょっと待ってねって言って、お代のカードを…。」

亮輔はベッドに腰掛けたままで腕組みを…。
阿須賀は椅子に座ったまま。

「すると…。」
藪岡、
「その子が…、お金、持ってませんって…。バーテンがすぐにオーナーに目を…。」

柚香、藪岡の話を…。

「オーナーも、どうするかな~~と思ったらしい。…そしたら…。その子、働かせてくださいって。」

柚香、目をパチクリと、
「えっ…???」

「オーナーがさ、ひょいと顔を傾げて…。…けど…、その瞬間、その子、自分からカウンターの中に…。そして、深くお辞儀をして、お願いしますって言ったらしい。」

柚香、口を搾って…。








LIBRA~リブラ~   vol,054.  柚香、自然にふたりの後ろを…。

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