柚香、状況が掴めず…、
「…ん…???」
すると…、その場からいきなり立ち上がって、
「真輝君。」
真輝、顔を小刻みに揺らして、
「えっ???」
柚香、すぐさま真輝の右手を取って、
「ちょっと来て。」
「えっ…???…はっ…???」
「いいから、ちょっと来て。」
真輝、右手を引っ張られながら、そして、言う通りに、
「あ、あ~~。」
幸乃、
「ちょっ、ちょっと柚香~~。」
そんな幸乃に柚香、
「おばあちゃん、ちょっとごめん。真輝君、ほら。早く。」
真輝、仕方なく、
「あ、あ~~。」
その場から立ち上がり、幸乃に頭をコクリと、
「あ。あ…。じゃ、じゃ~~。すみません。」
幸乃、柚香を見て、
「一体、どうしたの~~。」
柚香、幸乃に、
「おばあちゃん。ほんと。ちょっとごめんね。」
そのまま真輝の手を引いて、
「真輝君、こっち。」
「あ、あ~~。」
そして茶の間を出てそのまま階段に。
幸乃、ふたりの後から…。
「勝巳さん。ゆっくりね~~。」
柚香の下から真輝、後ろを振り向いて、
「あ、あ~~。はい。ありがとうございます。」
柚香、2階に上がって自分の部屋に。
真輝、
「おっと~~。…お邪魔…。しま…。」
柚香、真輝を自分の部屋に。
「真輝君、いきなりでごめんね。」
バッグを机に置いて、
「適当に座って。」
「あ、あ~~。」
柚香、すぐさま絨毯の上に腰を下ろして…、
「何…???…どういう事…???…真輝君がウチにいるって…。…私…、カフェで待ってたんだけど…。その後の記憶が…。」
顔を傾げて、
「訳分かんないけど…。あれから…記憶が…、飛んじゃった…???」
そして真輝を見て、
「ねぇ。」
そんな柚香を見て真輝、ゆっくりと腰を下ろす。
「全然…、覚えてないの…???」
その声に柚香、
「…って、いうより…、何…???…どうなっちゃって…???」
真輝、ゆっくりと柚香に、
「君は…。今の…、君は…。柚香…、さん…だよね。」
その声に柚香、
「はっ…???…えっ…???…いや…。うん。私…、柚香だけど…。…それが…、どう…???」
真輝、すかさず右手を振って、
「あ、いや…。ごめん…。」
そして、納得したように、
「そ、そっか…。うん。分かった。」
柚香、
「何…???…どういう事…???」
真輝、
「ん…。ん~~~。」
「真輝…君…???」
真輝、口を噤んで…。そして、今度は尖らせて…。
「あの…、さ…。」
「うんうん。」
「さっきから…、少しずつ…考えて…、いた…んだ…けど…。」
真輝を見て柚香、コクリと、
「うん。…で…、何…???」
真輝、けれども、目をあちらこちらに…。そして顔を右左に傾げて…。
「いや…。ん~~。」
柚香、今度は両眉の先を僅かに吊り上げて、
「…だから…、何…???」
真輝、今度は腕を組んで、
「こういう…事って…。どういう…???」
柚香、
「真輝く~~ん。」
真輝、チラリと柚香を見て、
「あ、ごめん。…って、言うか~~。俺も…こういうのって…、経験…。…って言うか…。有り得ない…。…と、思うんだけ…どぉ~~。…あのね。」
「うん。」
また、コクリと…。
「君には…。…柚香さんには、双子の…、陽織さんって妹がいる。」
瞬間、柚香、
「へっ…???…えっ…???」
そして柚香、目をパチクリと…。数回の瞬き。
「あ。え…???…って言うか…。私…、真輝君に、その事って、話したっけ…???」
真輝、その声に顔を左右に、
「ううん。」
「だよね~~。」
「でも…、さっき…、君のおばあちゃんから…。」
柚香、納得したような顔で、
「あ、あ~~~。」
と…。しかし…。
「えっ…???…って、言うか…。どうしてそんな話に…???」
そこまで話して、
「…って言うか、どうして真輝君が私の家に…???…そもそも、そこが分かんない。どうなってる…???」
真輝、
「うん。分かった。ねね、柚香さん。…驚かないで、聞いてくれる…???」
柚香、口を尖らせて、
「う…、うん。」
「実…は~~。…単刀直入に言うと…。…さっきまで…。俺の目の前にいた君、柚香さん。」
柚香、また顔をコクリと、
「う、うん。」
「実は…、柚香さんじゃ…、なかったんだ。」
瞬間、柚香、
「はっ…???…へっ…???」
「君は…、カフェの時から、さっきまで…。柚香さんじゃ…なかったんだ。」
柚香、いきなり目をパチクリと、訳の分からない顔で、
「いや…。いやいやいやいや。…いや。何で…???」
「いや…。何でって言われても、困るんだけど…。君じゃなくって、君の双子の妹の、陽織さんになってた。」
「はっ…???…どういう事…???…んな訳ないじゃん。陽織は、小っちゃい時、2歳の時に、死んだんだよ。そんな…。…確かに、私には、双子の妹の陽織、いるけど…。」
柚香、途端に可笑しがるように顔を振りながら、
「いや。いやいやいやいや。…そんな…。いやいやいや。全然、意味分かんないし…。いやいや。有り得ないでしょ。そんな…。私が…。え~~~。…現に、私は…。」
そして体全体で表現して、
「ほら。どう見ても、汀柚香だよ~~。」
真輝、
「なんだ…けど~~。」

LIBRA~リブラ~ vol,041. 柚香、状況が掴めず…。
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
