秘書課の隣に設けられた一室。
葉子、ドアをノックして開ける。
「お疲れ様で~す。」
中には5人程のメンバーが…。
その中のひとり、紫、入ってきた葉子を見るなり右手で招き猫、
「ヨウちゃん。こっち、こっち。」
葉子、頷いて紫の隣に。
他に、営業推進部の都沢泰明。葉子にペコリと、
「お疲れ様です。先日はどうも…。」
葉子、
「あ、あ~~はい。いえ。」
紫、
「へっ…???都沢さんと…???」
泰明、
「あ~。いえいえ。僕は海江田課長から…。はい。」
そして紫の右隣りにいるのが、広報推進部の藍川実和子。
そしてホワイトボードを背にしているのが、
秘書課の東風美海(こちみなみ)と広報推進部部長の長谷部瑠唯(はせべるい)。
長谷部、
「東風さん。」
美海、
「あと、ひとり。もぅ間もなく。」
…そして、ドアをノックする音。
ドアが開いて、
「すみません。お待たせしました。」
入って来たのが、海江田獏。
葉子、思わず頭の中で、
「…海江田…課長…。」
海江田、目に飛び込んで来た葉子を見て、軽く会釈を…。
そして全員を見て、今度は頭を下げて、
「お疲れ様です。」
全員が、
「お疲れ様です。」
そして…。
美海、
「…では早速。…もしかしたら…、初めての方もいらっしゃると思いますので、簡単に、自己紹介を…。…敵を知るにはまず味方から…。とも、言いますので…。この…、対策室を設けるに当たって天春社長から一切を一任させて頂いております、東風美海と申します。」
そして美海、全員に一礼して…。
そして隣の長谷部。
「広報推進部の長谷部瑠唯です。」
長谷部、一礼をして。
「今回の件で、マスコミ他には、全て私が対応させて頂きます。」
そして美海が紫に手を。
ひとりひとりが、今の自分の持ち場を…。
そして美海、
「ありがとうございます。それぞれが、今の仕事の他に、この件を…。忙しいところ、誠に恐れ入ります。けれども、ご承知の通り、横浜トランキルマンヘブンズホテル、有り得ないとは思いますが…、もし万が一にでも、飲み込まれたら…。そのための対策室です。準備段階から始まる事になりますが、進捗情報と共に精査して、そして解決していきたいと考えますので、ご尽力、お願いします。」
凡そ2時間で、第1回目の、「対策室」は幕を閉じた。
「何か情報があれば、入れば、随時開かれます。」と銘打って…。
対策室から出て紫と都沢。そして海江田と葉子、自然に4人一緒に。
海江田、歩きながら、
「知らなかったな~~。鈴村主任も都沢君と一緒にトランキルマンヘブンズホテルのコンサルタント…。財務の…???」
紫、
「あ、はい。」
「そっか~~。」
そして4人、エレベーターに乗り込んで…。
海江田、葉子に、
「鳩崎部長、言ってましたもんね~~。トランキルマンヘブンズホテル、社長が一番可愛がっているホテルだって…。」
その声に葉子、
「えっ…???…そうなんですか…???」
「あぁ…。そりゃ、そうだろう~。父親から娘が財産として受け取った資産だ。資産価値だけでも何千億。しかも、その財産が、今でも驚くほどの収益を産んでくれている。こんなありがたい事はない。」
葉子、その話に、
「そうですよね~~。」
いつも情報交換をしている紫と泰明、そんな海江田と葉子を見て、
「……。」
海江田、ズボンのポケットに両手を入れながら、
「…それにしても、向うさん、どうして、トランキルマンヘブンズホテルを…。まぁ…、金に物を言わせているって感だけにしか…、思えないけど…。」
葉子、
「資産、5兆…。」
エレベーターを降りる4人。
海江田、葉子に、
「じゃ、僕たち、こっちだから…。」
葉子、一礼をして、
「お疲れ様です。」
紫、いきなり、
「ねね、ヨウちゃん。何…???海江田課長と…。何だかフレンドリーに…。えぇ~~~???」
笑顔で…。
その声に葉子、いきなり目をパチクリと…。
「へっ…???」
いきなり顔を傾げる。そして…、
「いやいやいやいや。全然。そんな…、全く…。はい。」
目を真ん丸に。
その時、いきなり後ろから、
「あ~~っと、お~~い。」
瞬間、紫と葉子、後ろを…。
海江田、ふたりに駆け寄り、
「あ。あのさ。」
葉子に、
「選さん。」
葉子、キョトンとして、
「あっ、はい。」
「虎一郎君から、話、聞いてる…???」
その声に葉子、
「あ、あ~~。はい。」
海江田、笑顔で、
「うん。おっ。そっか。うん。分かった。じゃ、お願い。…でないと、僕、しょっちゅう言われそうな…。」
急に葉子、口を真一文字に、
「はい。分かりました。」
「じゃ。」
そのまま後ろを振り向いてふたりから離れる海江田。
紫、葉子に、
「何…???どういう事…???」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,068. 秘書課の隣に設けられた一室。
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