スリーポイントラインでボールをバ~ン、バ~ンと将輝。
そしていきなりバンバンバンとドリブルをして右に入るかと思いきや左に。
すかさず右手を後ろに回して左手でボールを。そのままセンターにパス。
すぐさまセンターにふたりのガード。そのガードのタイミングを崩してセンターがジャンプ。
シュートと思いきや再び回り込んでいた将輝にパスしてフリーの状態でシュート。
且元尚哉(かつもとなおや)、
「何やってんだ~~。菅田がフリーなってんだろっ!!!」
部員たち、
「ハイ、すんません。」
そのまま尚哉、強いパスを馨に。
部員たち、
「ヤバイ。」
そのまま馨がスリーポイントラインからシュート。
ボールは放物線を描いて、リンクにバシュ。
尚哉、
「遅~~い。シューティングガードもフリーにさせんな~~。」
コートの外では3人、ひとりは椅子に座って。
立ったままでタブレットを見ている由岐涼香(ゆうきすずか)、
鴻上高校バスケ部マネージャー3年。
そしてタブレットを持ちながら画面を見ている、
こちらも鴻上高校バスケ部マネージャー1年の静川恵(しずかわめぐみ)、
いろいろと画面を操作しながら…。
涼香、
「うんうんうん。これだよね~~。」
そして、
「先生…。」
「ん~~???」
そしてタブレットの画面を見て、
「ほほ、これは、これは、素晴らしいダンク。まっ、頑張りましょう。うん。」
スキンヘッドにオーバル型の眼鏡。
そして、白い鼻髭に、白い顎鬚を蓄えて姿勢正しく椅子に座っている男性。
その男性が、
「…では。」
そして椅子から立ち上がると、その身長、凡そ160センチと、小柄。
その姿に男性部員、すぐさま男性の下に。
そしてメンバーたちも駆け足で…。
各々、
「先生。」
「先生。」
「監督。」
この男性、凡そ部員たちの肩までの身長しかない。
けれどもこの男性の話を慎重に聞き入る部員たち。
数分後…、この男性の話を聞いて、部員たち、一斉に、けたたましい声で、
「はいっ!!!!」
この男性、現在も続いている日本大学バスケの強豪、都築(つづき)大学、
その大学時代、1年の時からレギュラー入り。そしてポジションはポイントガード。
その後、大学4年間で、大学バスケリーグで2度の優勝、2度の準優勝に貢献。
そして卒業後、監督に就任。
けれども、厳格で無理な指導でひとりの部員に怪我を負わせ、選手生命を絶ってしまった。
その責任から数年、バスケ界からは姿を消し、
ある切っ掛けで、鴻上高校のバスケ部監督を任せられた逸材である。
弓狩智也(ゆかりともや)。
そして、その弓狩の隣の由岐涼香、高校3年、身長168センチで容姿端麗、
彼女目当てでバスケに入部する男子も多いが、練習のキツさで殆どが部を辞めていく。
けれども、その練習のメニューは主将の且元と由岐涼香が主に関わっている。
そのメニューを監修する立場にいるのが弓狩と副主将の都井和真(といかずま)である。
その事に新入部員たちは、入部して数日後に気付き、
涼香をお目当てで入部してきた部員たちは容姿端麗とは別タイプのストイックな性格に驚き、
自信喪失。部を辞めていく。
けれども、そんな部員に涼香は労いと激励で送り出している。
そんな涼香の隣にいるのが静川恵、タブレットの画面を部員たちに。
そして説明している。
静川恵、実はこの1年生の女子が、馨の言う偵察屋。
高校生、または大学のバスケのゲームとなれば、
可能な限りタブレット持参で観戦に行くという、高校生女子としては、
珍しい男子バスケぞっこんの女子。
なぜなら恵の父親が全日本実業団バスケットボールの日越(にちえつ)金属の監督を務めている。
「しっかし、恵ちゃん、凄いね~~。」
副将の和真、
「ここまで撮影できるんだから。普通…、中々出来ないよね~~。」
「うんうんうん、これはねぇ~~。何とも素敵な素材になってるわよ~~。」
涼香。
「もぅ~~。ギュ~~ってしちゃう。」
そう言って本当に恵を抱き締める涼香。
そんな恵もニコニコと笑顔で…。

信じて…良かった。 vol.039. 「何やってんだ~~。菅田がフリーなってんだろっ!!!」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
