そんな理沙の声に須美、
「うん。」
目をパチクリさせながら理沙、
「…でも…、やっぱり…、まだ…恐いわ。」
栞奈、須美と杏美の顔を見て。
杏美も同じく…。
理沙、
「ほら。背中が背もたれに付けていればいいけど…。自然に、前にってなると…。体が前に…、倒れてしまいそうで…。脚の感覚が…ない…から…。」
その声に栞奈も杏美も、
「あ、あ~~。」
屋上で将輝と馨。
馨、
「へぇ~~。あの子ねぇ~~。麗亜とおまえがここにいたときに、いきなり体に異変。」
将輝、
「あぁ~~。…で、結局は…、下半身…あんな風になっちまって…。」
麗亜、
「理沙お姉ちゃん、立てない、歩けない。下半身麻痺になっちゃった。」
「麗亜は…いつまで…???車椅子。」
その声に麗亜、
「あ~~。もう…ちょっと…かな~~???頑張ってみるけど…。」
将輝、麗亜を見て、
「無理すんな~~。父さんだって、無理しない。ゆっくり、ゆっくりでいいって…。おまえは、元々スポーツは苦手。おとなしい性格だから。」
菅田麗亜、小さなころからあまり体は強くない。
どちらかと言えば体を余り動かさずにできるものが得意。
そのために趣味は読書、そして絵画。そのためか中学では美術部に入部している。
馨、
「まっ、でも、いずれは麗亜、治るんだから、また歩ける。なっ。」
麗亜、そんな馨に、
「うん。」
「けどな~~。あいつは…。」
将輝、景色を眺めながら…。
馨、
「ん~~???」
「もぅ…、歩けない…、もんな~~。」
「おま…、将輝…。」
「なんかさ…。何度も、何度も…。なんで、あんとき、屋上、連れて来たかな~~ってさ。俺が着いてて…。」
「将輝…。」
「俺…。とんでもない事…、しちまったって…。」
馨、そんな将輝の肩を抱くように、
「おま。」
いきなり、
「そんな事ないもん。」
大きな声で麗亜。
「そんな事ないもん。」
するとみるみる麗亜の顔が赤くなって、
「お兄ちゃんが悪いんなら、私なんて、一番悪いっ!!!理沙お姉ちゃんのすぐ隣にいたんだから~~。うっく、うっく。」
涙流しながら。
「あ~~~~~。」
馨、将輝に、
「ばか、おま、麗亜、泣かせちまったじゃねぇかよ~~。」
将輝、いきなり車椅子に、
「悪い、ごめん、麗亜。ごめん。兄ちゃん、悪かった。うんうん。ごめん。」
将輝の手を振り払って泣く麗亜。
将輝、
「…参ったな~~。」
理沙の病室で…。
杏美、
「しっかし…、おっきかったね~~。」
そして杏美、顔を傾げて、
「名前…、なんだっけ…???…確か、馨…???」
理沙、
「うんうんうん。」
「神野馨。」
栞奈。
理沙と杏美、
「お~~~。」
理沙、
「さすが、お姉ぇ。」
「いやいやいや。あれだけインパクトありゃ、一発で覚えちゃうでしょ。185は、でかい。うん。」
理沙、意地悪そうな顔で、
「お姉ぇ、惚れたりして…。」
「は…あ…???」
杏美、
「ぷっ。」
栞奈、腕くみして、下唇をビロンと、
「ん~~。それは、ないなぁ~~。」
杏美、途端に、
「えっ…???…なんで…???」
栞奈、
「考えても見てよ、185ったら、私より、30センチ、高いのよ。そんな背の高い人と…、無理無理無理無理。」
顔の前で右手を振って。
杏美、
「あ、あ~~。まっ、確かに…、デカ過ぎるのも…。かかかか。」
「因みにアズちゃん。」
杏美、
「あっ、はい。」
栞奈、ベッド脇に立って、杏美の脇腹を捕まえて。杏美の頭に手を当て、
「私、アズちゃんより、背ぇ…、低いのよ。」
杏美、
「あっ。そっか…。…って事は~~。もしかして…、理沙と…。」
栞奈、
「ふん。理沙より、背ぇ、低い。」
理沙、
「いつの間にか、私、お姉ぇ、追い越してた。」
「あんたがバレーで、背が伸びたんだよ。何で1年で10センチ以上も伸びるかな~~。何を食べたら、そんなに伸びんのよ。」
その声に杏美も、
「かかかか。あっ、それそれ。私もそれ、兄貴や親からも言われた~~。」
理沙、思わず、
「ぷっ。くっ。私も同じ~~。おかあさんに、同じもの食べてんのに、なんで~~って…。かかかか。」
栞奈、
「あんた、中学で剣道やってたとき、私より、身長、低かったんだからね~~。」
杏美、2度3度頷いて、
「うんうんうん。それは言える。何でだろうね~~かかかか。」
確かに、理沙も杏美も、中学時代は150センチそこそこ。
けれども、高校に入った途端にみるみると…。

信じて…良かった。 vol.038. 「あんたがバレーで、背が伸びたんだよ。」
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