薫子、そんな侑里を見て、
「へぇ~~。凄いね~~。羽田さ~~ん。」
侑里、途端に、
「何言ってるんですか~~。全然、成宮先生になんて、適いませんよ、私なんて…。」
「あっ、でも、羽田さん、お子さんたち…。」
その声に侑里、思わず、
「ぷっ。」
薫子、
「ふん…???」
顔を傾げて…。
そして女子更衣室を出て。
薫子、
「へぇ~~。そうなんだ~~。旦那様~~。それに…おかあさん。ふふ。子供達…喜んでるでしょう~~。」
侑里、チロリと舌を出して、
「まぁね。あっ、先生、霧島君、玄関にいると思うけど…。」
薫子、
「あぁ…。うん。大丈夫。霧島さんに…よろしく言っておいて。」
侑里、
「あ~~ぁ。あ、はい。分かりました。お疲れ様で~~す。」
薫子、侑里の方を見て、ニッコリと。そして右手を上げて。
そして、そんな薫子に侑里も右手を肩まで…。
「まさか…、本当に先生と会えるとは…。」
踵を返して、受付を見て…、も、誰もいない。玄関の方に…。
「あ~~れ…???」
辺りを見回して…、
「いない…ってぇ~~。霧島…。へっ…???」
そしてもう一度受付の方を…。けれども姿はなし。
侑里、腕組みして、頭を傾げ…。
その時、ようやく更衣室の方から…。そして受付の方に右手を…。
そして前を向いて侑里に笑顔で右手を…。
侑里、腕組みしながら…、少し口を尖らせて…。
凛久、そんな侑里に、
「ごめん、ごめん。珍しく、茉祐子さんからライン来ちゃってて…。」
瞬間、侑里、目を真ん丸く、
「あら~~。へぇ~~。」
ニッタリと…。
「セールスプロモーションのみんなと今、エトランゼで…の、ようです。」
侑里、
「ふ~~ん。CМ解禁のお祝いねぇ~~。」
「そのようです。」
そしてふたり、エントランスを出て、
「さて…、行きますか…。」
「…って、どこ行くのよ…???」
凛久に侑里。
凛久、途端に、
「えっ…???帰るんじゃないんですか…???」
瞬間、侑里、物凄い表情で、そして両手をぶんぶんと振って、大股歩きで、
「もぅ~~いいっ!!!」
ずんずんずんずんと、侑里。
そんな侑里を見て凛久、思わず、
「は…羽田さ~~ん。わ、わかりましたよ。はい。わかりました。いつも行っている、居酒屋。行きます。はい。…って言うか、行きましょう~~。」
そこでようやく、侑里、歩みを止めて。後ろの凛久に振り向いて、
「霧島凛久~~っ。少しは女の気持ち、考えろ――――――っ!!!」
その声に凛久、思わずシュンとなって…。
それから凡そ20分後…。
「くぅあ~~~。旨い。さすがに汗の掻いた後のビール。沁みるわ~~。」
侑里、一気にジョッキの生ビールを3分の2ほど。
その侑里の飲みっぷりを見て凛久、目をパチクリと。そしてボソッと。
「す、凄ごっ。」
侑里、
「ふぅ~~~。かかかか。体動かして汗掻いたら、喉は乾くわ、お腹は空くは…。」
そして目の前の唐揚げを一口。
食べた瞬間、口を尖らせて、そして目を見開いて、口に左手を当てて、
「なにこれ…???」
凛久、そんな侑里を見てニッコリ。
「お~~いしぃ~~。」
凛久、
「ふん。料理上手の羽田さんも…。」
侑里、
「うんうんうん。凄っ。お~~いし。」
凛久、侑里に、
「今更ながら…ですけど…。成宮先生も、それを食べてご満悦。」
「へぇ~~。」
そして侑里、凛久の顔を見て、
「ぷっ。」
凛久、顔を傾げて、
「ふん…???」
侑里、口の中でモグモグと…。口を左手で覆いながら、
「実はね。ここに来るまで話さなかったけど…。さっき、成宮先生…、来てた。」
その声に凛久、
「えっ…???」
瞬間、表情が変わる凛久。
その表情に侑里、
「ふん…???…うん。更衣室で…、バッタリ。」
口を尖らせながら凛久、目を小刻みに…。
そんな凛久を見ながら侑里、再びジョッキを口に。
「更衣室から出てね、成宮先生に、玄関の方に霧島君、いるけど…って言ったんだけど…。そしたら先生、大丈夫、霧島さんに…よろしく言っておいて。…って。」
凛久、その話を聞いて唇を微妙に動かしながら、
「ふ~~ん。ふん。そぅ…ですか。」
そこに店員、
「焼きそばになりま~~す。」
侑里、
「おっ、来た来た~~。うんうんうん。おいしそ~~。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.177. 「まさか…、本当に先生と会えるとは…。」
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