薫子、
「あ~~~。霧島さ~~ん。」
凛久、
「へっ…???…あっ、いやいやいや。…別に…何も…。」
薫子、
「私…、成宮先生。あっ、私の料理の師匠、朱里って言うんですけど。」
凛久、
「えぇ…。以前、お聞きしました。」
「育てられた~~。」
「ふ~~ん。」
「そして、その旦那様の…、かか、私の旦那様でもあったんだけど…、成宮優希弥。可愛がられた~~。」
凛久、
「……。」
「だから…かな~~。今住んでる家…???」
「えぇ…。」
「守って行かなきゃって…。」
その声に凛久、
「そっか~~。」
「まっ、それに、守るものは…。あはっ。もの…じゃないんだけど…。守っていかなきゃならない…人も…いるし。」
「人…???」
「ふん。人。私の師匠と旦那様の可愛いひとり娘。」
凛久、幾分背中を椅子の背もたれに…、
「へぇ~~。」
そして凛久、少し考えて、また体を起こして、
「へっ…???…もしかして…、成宮先生に…子供…???」
その声に薫子、
「かかかかか。ざ~~んねん…、私には子供…いないのよ~~。」
「おっと~~。」
驚いたような凛久の反応に薫子、
「あ~~。その顔は~~。当然、子供のひとりやふたりは…いるって顔~~。」
その声に凛久、思わず、困ったように右手を振って、
「あっ、いやいや…、そんなことは…。」
と、言いながらも、顔を歪めて、
「かか、分かりました…???」
薫子、にっこりと、
「ふん。顔に書いてある。」
凛久、
「おやおや。」
そして食事も終わり…。
凛久、
「ん~~。美味しかったですね~~。」
薫子も、
「うんうん。まさか…、こういうお店があるなんて…。ねぇ~~。」
「成宮先生と一緒に食事なんて…。いいご褒美です。ありがとうございます。」
そんな凛久を見て薫子、
「いえいえ。」
そして凛久、伝票に手を…。
瞬間、薫子、
「き~りしまさ~~ん。」
凛久、
「はい…。」
「女に…恥をかかせないでください。」
その声に凛久、
「はい…???あ、あ~~。」
薫子、口を真一文字に、
「私が…霧島さん…誘ったんですから~~。」
凛久、
「あ、いや~~。」
頭の後ろを撫でながら、
「そうでした~~。はい。申し訳ございません。」
薫子に頭を下げるように…。
その表情を見て薫子、
「かかかか。な~~によ~~。そんなに頭を下げられたら、こっちが困る~~。」
凛久、
「はははは。いや。はい。とにかく、ご馳走様でした。ありがとうございます。」
薫子、店を出ながら、
「いえいえ。でも…、また…機会がございましたら…、今度は…、お願いしようかしら。ふふん。」
凛久、その声に笑顔で、
「はいはいはい。歓迎です。その際には、しっかりと…ご馳走させていただきますよ~~。」
「ふふん。期待しております。」
そして帰宅して薫子、
「ふん。まだ、茉祐子は帰ってない。千晶ちゃんたちと食事ってね~~。」
ひとり、シャワーを浴びてリビングに。そして冷蔵庫から缶ビールを…。
そしてリビングのテーブルの上にあるナターシャの8月号、自分の特集ページを…。
読みながら、
「うんうんうん。なかなか良く書けてる。」
全部読み終えて、最後の編集者の名前を見て、
「霧島…凛久…かぁ~~。」
自然に、傍らのスマホを取り、スケジュール帳の中に差し込んである2枚の名刺を抜き、
スマホに登録。
「羽田…侑里。……。と~~。霧島…凛久…。……。と。うん。」
その30分後に茉祐子、帰宅。
「ただいま~~。」
そしてリビングに…。
「ふ~~。あのままいたら…午前様になっちゃう…。かかかか。」
そんな茉祐子に薫子、
「なになに、上機嫌ね~~、はははは。」
「な~~んか…、訳分かんないんだけど…、勇吾が上機嫌で…。みんなにサービス旺盛~~。」
薫子、
「あらら、まあ。」
そして薫子、
「確か、勇吾君と茉祐子ちゃん、親戚同士って…、会社の人たち…、知らないんでしょ、まだ…。」
茉祐子、顔を傾げて、
「ふん。…多分…。まだ…、本部長と課長以外は…。知らないはず~~。…あっ、ライチ~も知ってるか。」
「かかかか、千晶ちゃんはね~~。うんうんうん。分かる分かる。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.43. 「今住んでる家…、守って行かなきゃって…。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。