薫子、
「あっと、霧島さん。」
凛久、
「はい…???」
「今日…、この後…、予定…???」
凛久、自分を右人差し指で…、
「僕…ですか…???」
そして…。
お互いに生ビールの入ったジョッキをカチンと…、
「乾杯。」
そしてビールを飲んで…、
「へぇ~~。そうなんですか~~。番組の視聴率アップ。それに先生の書籍も好評とは…。」
凛久。
薫子、
「うんうんうん。プロデューサーからは喜ばれるし…。馴染みの書店からも…。ふふ。」
そして改まって、
「これも偏に、ナターシャの特集のおかげ…かな~~って思って。」
凛久、そんな薫子に右手をひらひらと、
「いえいえ。そんな…。…けど…、嬉しいですよね~~。思いっきり、ヒットしてるじゃないっすか~~、成宮先生~~。」
薫子、
「ありがとうございます。…と言うわけで~~。直接、霧島さんや羽田さんにお礼…したかった。」
「いやいやいや。そんな…お礼だなんて…。…逆にこちらの方こそ…。いい取材…させていただいて、感謝しております。」
薫子、顔を傾げて、
「へっ…???」
「だって、そうじゃないですか~~。雑誌、当然、読者が買ってくれて…、そして広告料が入って。…でも、それだって、取材する大本がなかったら、何にもない訳ですから~~。雑誌が売れて…、ありがたいのは僕らの方なんです。」
笑顔で凛久。
薫子、その話を聞いて、
「あっ、そっか~~。」
凛久、
「はい。それに、成宮先生の特集があって…だと、思うんですけど…、お陰様でナターシャ8月号、売れ行き好調。一週間で5万部…売れちゃったって言うんですから~~。」
その話に薫子、
「うそ…。」
「逆に、こっちの方が成宮先生の方に、お礼のごちそうさせて欲しいくらいですよ~~。」
「あらら。」
凛久、店の中を見回して、
「先生…、ここって…良く…???」
薫子も店の中を見回して、
「ううん~~。初めて…ふん。…ジム終わったら、それこそ、真っすぐ帰っちゃうから…。」
「ふ~~ん。いい感じのお店ですよね。」
「うん。それは私も店に入って気づいた~~。あら素敵って…。ハイ。」
ジョッキをまた凛久に掲げて。
「…でも、結局、霧島さんから特集の依頼がなかった…、今の状況には…ならなかった…、訳ですから…、あらためて…、感謝~~。」
凛久、顔を歪めて、
「ん~~。そう…なりま…すか。かかかか。」
薫子、にっこりと、
「そうですよ~~。」
凛久、素直に薫子に従って、
「んじゃ、乾杯。ありがとうございます。」
店のスタッフが、
「お待たせしました~~生、どうぞ~~。」
凛久、
「ありがと。」
薫子、
「へぇ~~。それで…今…、ナターシャで~~。今までフリ~~。」
凛久、ビールを一口、
「えぇ…。」
「男社会でお仕事…、だったか~~。」
そして薫子、
「あっ、じゃ~~。ほら。あの…羽田さんなんて…、いいんじゃな~~い。いいコンビって感じだったけど…。」
その話に凛久、すぐさま右手を振って、
「いえいえ、羽田さんはもぅ…、お子さん…いますから…。」
「うそ。」
「えぇ…、ははは。2児のおかあさんです。」
瞬間、薫子、
「へぇ~~~。全然、想像つかな~~い。なんだか…バリバリのキャリアウーマンって…イメージなんだけど~~。」
凛久、
「それこそ…、成宮先生と…歳…同じ。」
「へっ…???うそ…???」
「羽田さん…、34。」
「わお。…そうなんだ~~。」
凛久、
「かかかか。今頃、彼女、くしゃみしてますよ…。かかかか。」
そして、
「成宮先生は…、旦那さん…???」
その瞬間、凛久、
「あっ。そっか…。」
そして、薫子の前で畏まって、
「すみません。失礼な事…。」
そんな凛久に薫子、キョトンとして、
「ふん…???あっ、ははは、いいのよ、いいの。うん。」
その時、凛久、ふと考えて、
「成宮先生って…、苗字…???」
薫子、
「へっ…???…苗字…???…あ~~。」
薫子にっこりと。
「はい。私は成宮のまんまです。主人が…、亡くなっても…、そのまんま。へへ。成宮家に、住んでます。はい。ふふ。」
凛久、口を尖らせて、
「ふ~~~ん。そうなんだ~~。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.42. 薫子、「今日…、この後…、予定…???」
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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。