「おまえの発案したムース、仕上がって、商品化。されてるって…。」
芳樹。
優里亜、
「あ〜〜うん。ふん。そうみたいね〜〜。」
「おや。なんだ…、なんともタンパクだな〜〜。」
「タンパクも何も、あのアイディアって、元々私のアイディアじゃないから…。友達とご飯食べに行ったときに、友達が、そのアイディア、思いついたのよ。それに私も、いいんじゃないって言ったら、あなたの会社で作ってみなさいよ。な~~んて言われて。冗談半分もあったんだけど…。部長に話したら、かなり乗り気で…。」
話を訊きながら芳樹、
「へぇ~~。」
部長から、
「商品企画開発部にって言われて。お願い…、したと。」
「ふ~~ん。そっか。そっか、そっか。」
そんな芳樹に優里亜、
「なになに、気になるの…???」
いきなり笑顔で…。
「ふん…???ん…、まぁ…。そりゃ、一応は…、今まで、一緒に、やってきたからさ。どんな感じかな…っても、思ってみたりして…。ふん。」
営業部のゲストブース、伸永から渡されたサンプルの絵を何度も見ながら。
優里亜、
「ねね、ほん~とに、来月…辞めちゃうの…???」
その優里亜の声に芳樹、
「ん~~???ふん。そっ。」
その声に優里亜、少しだけ芳樹を睨んだように。
「いやいや。だ~~って、考えても見ろよ。営業の主任から、いきなり専務のポストだぜ。それも、新しく立ち上がる新ブランド。」
口を尖らせて芳樹を見ている優里亜。
「そんなとこからいきなりアプローチされたんだ。実際、俺の方がびっくりしたよ。まさかって…。」
優里亜、いきなり立ち上がって、
「はいはい。分かりましった。」
そして、
「ルモンドだろうが、どこだろうが、どうぞ。さっさと辞めちゃえ。」
そして椅子から立ち上がり、ブースを出ていく。
その時に、ブースの入り口で芳樹に振り返り、
「べ~~~。」
芳樹、
「なんなんだよ、一体。……、それにしても、良く描けてるよな~~。あんな…ぼんやりした…感じなのに~~。」
営業部から戻った奈津美と伸永に木綿子、
「ねね、どうだった…???」
奈津美、
「ふん。上出来って。」
葉月、伸永に、
「や~~るじゃん、尾田ちゃん。」
伸永、
「いえいえ。とんでもないですよ。まだまだ。まだまだです。」
「お~~い。〇〇〇町のデパート西崎屋~~。30分経っても、商品が届いてないって~~、問い合わせ来てるぞ~~。神田~~。確か、デパート西崎担当~、神田だったよな~~。」
内海。
木綿子、
「あっ。カンちゃん。西崎、西崎。ふわっとモンブラン。」
その声に葉月、
「あっ、はい。」
「3番~~。食品部門主任の新関さ~~ん。」
葉月、
「はいはい、すみません。」
そして受話器を取って葉月、
「お電話代わりました。クック、ル、ポットの商品企画開発、神田ですけど。」
電話の向こう、
「あ~~。もしもし。デパート西崎屋、地下、食品売り場の新関です~~。お世話様~~。あのね~~。午前10時には入らないと困る商品、ま~だ、届いてないんだわ~~。いつもなら時間通りに届くんだけど。30分過ぎても届かないから、どうしたのかって。運送の方、電話しても、時間通りに出ましたの一点張りでさ~~。そっちで何か、分かんないの~~???」
その電話の内容に葉月、
「えっ…???あっ。はい。わ…かりました。私の方からも、確認させていただきます。すみませんでした。」
木綿子と奈津美、顔を見合わせて、
「どうしたの…カンちゃん…。」
葉月、
「はい。失礼します。」
そして葉月、
「大変大変、商品…届いてないって…。」
そして、
「え~~???どういう事~~。」
ブックスタンドから一冊のファイル。
「西崎屋、西崎屋…。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。