「じゃ、じゃ…。もしかして…、加瀬優里亜も…そっちに…???」
木綿子。
葉月、
「まっさか~~。そんな話、全然聞こえてこないよ~~。」
木綿子、
「うんうん。」
そして木綿子、
「はてさて。あのふたりは…今、一体…どうなっているのか…???」
葉月、
「さぁ…???…で、ナツ~~。尾田君との共同のあれは…???」
奈都美、
「ふん。順調、順調。良い感じ~~。もしかしたら…予算内に、収まるかも…。」
木綿子、
「へぇ~~。」
すると伸永、弁当を食べ終わって、バッグから用紙を取り出してテーブルの上でサラサラと…。
「えっ…???そんなにサラサラと…描けちゃうものなんだ…???」
木綿子。
葉月も、
「凄ぇ~~~。」
口を尖らせて。
手際よく右手を動かして、サラサラと…、伸永。
そんな伸永を見ている3人。全くの沈黙。
木綿子、
「ぷっ。早っや~~。」
奈都美は呆気に捉われての無口状態。
葉月は身を乗り出すように。
「まさか…、これまでとは…。」
木綿子。
「別の意味で、これ…、これだけで、商売…できそう~~。」
奈都美、そんな木綿子に、
「ユッコ~~。」
一枚仕上げて。今度はページを捲り。
「えっ…???また描くの…???」
奈都美。
しかも、今度は全く別の構図で…。
そして、自然に段々伸永の方に体が傾いていく奈都美。
そして、また匂う伸永からの匂い。何気にニッコリとしての奈都美。
そんな奈都美の顔には全く気付かず伸永の絵に見入っている木綿子と葉月。
とにかく黙って黙々と描いている伸永。
木綿子、
「さっきとは全く違った構図~~。」
描き始めて大凡数分。
そして、
「マジ!!!また別の~~???」
奈都美。
伸永、ポツリと、
「描いていると、途中から、別の自然に頭の中に浮かぶんです。」
その声に木綿子、頷きながら、
「へぇ~~え~~。」
そして腕組みをして。
葉月は、
「そう…いう…、もの…???私には…そういう芸当は…できないな~~。」
木綿子、そんな葉月の右肩をバンと叩いて、
「かっかかかか。あんたにそんな芸当があったら、今、ここにいないよ。かっかかか。」
その声に奈都美も、
「ぷっ。だ~~よね~~。仮にそうなったら、私ゃ悲しい。カンちゃんと一緒にいれないもん。」
そんな奈都美に、両手を伸ばして葉月、
「おぉ~友よ~~。」
泣きそうな顔で。
木綿子、変顔で、
「ちょっと…臭いかな~~。かっかかか。」
「ふ~~。今は…、こんな…感じかな~~。」
伸永、椅子に背中を付けて、バン。
その途端、一枚一枚、木綿子、奈都美、葉月の順に…。
「いや~~。」
木綿子。
葉月、
「なんと。」
「うちらのといい、今度のといい、凄っごいよね~~。」
奈都美。
「思いついたら…、描いておかないと…。気が済まないんで…。」
伸永、恥ずかしそうに。
木綿子、
「な~~に、そんなに恥ずかしがって言う~~。こら~~。尾田君、凄い才能だよ。」
葉月、
「うんうん。」
そこに奈都美のスマホに着メロ。
奈都美、
「ふん…???翔。」スワイプして、
「――ナツ~~。すぐ戻って来い。」
その声に、
「へっ…???どしたの…???」
「――課長が呼んでる。」
「課長が…???」
木綿子、葉月、
「なになに…???」
伸永も、
「どう…???」
奈都美、
「分かんないけど…。」
首を傾げながら…。スマホに、
「うん、分かった、今、これから行く~~。」
弁当を仕舞って、そそくさと。
木綿子、葉月も、
「うんうんうん。私らも…。」
伸永、
「あっ。」
そうしながら3人の後を…。
奈都美、
「かかか。尾田君は良いよ。」
「…でも…。」
木綿子、
「ふふ。うん。行こ。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。