そして廊下を歩きながら奈都美、
「尾田君のお姉さんって、凄いのね~~。び~~くり~~。…って、言うか、なんで尾田君も…知ってる訳~~???」
そんな奈都美に伸永、
「えっ…???えっと~~。姉ちゃん、結構、僕にはオープンなんです。」
翔、
「かっかかか。お姉さんだから、まっ、オープンはオープンだろう~~。」
そんな翔に、
「バカ。いくら何でも、大の大人が…、しかも…仕事で、オープンって…。ある意味、家族でも、企業秘密って、あるでしょ。」
翔、空を見ながら、
「あっ、そりゃ、そうだ。」
「…って言うかさ。勝巳さん…、鞍替えって…???…んじゃ、加瀬優里亜…どうなるの…???」
奈都美の声に翔、
「いや…。それは…、全く…???…さっぱり。」
口をへの字にして。
懸命に資料を見続けている伸永。一枚、一枚、確認するように。
そんな伸永を見ながら奈都美、また伸永から薫る匂い。頭の中で、
「…あっ。」
そして翔の顔に、伸永を見る仕草。
翔、
「ふん…???」
奈都美、そして今度は鼻をクンクンと…。
翔、伸永に鼻を近づけて…。それでも…、首を傾げて、右左に…。
奈都美、その翔の顔を見て、くしゃりとして。そして、前を見て、腕組みをして、
「ふ~~ん。」
伸永、
「七瀬さん、どうかしました…???」
奈都美、
「あっ。いや…、ううん、なんでも。」
昼休みになっても伸永、その資料を見ながら弁当を…。
木綿子、葉月、
「尾田君、例の営業の…???」
伸永、
「えぇ…、はい。」
葉月、
「…で、あんたは何を探してんのよ…、ナツ~~???」
伸永の隣で、こちらも弁当を食べながら奈都美、スマホを葉月の前に…。
葉月、
「ん~~???…ル…モンド(Le・Monde)…???アパレル…???ブランド…???聞いたこと…ないけど…???」
奈都美、
「尾田君さ…。既に、会社自体は…立ち上がってんのね。」
伸永、
「そう…ですか~~。僕が姉ちゃんから聞いたのが、2ヶ月前ですから…。法人として立ち上がったんですね~~。資金も、投資で調達出来ているはずですから…。」
「ふ~~ん。そこに~~、勝巳さんが専務で…。」
木綿子、葉月、
「へっ…???何の話…???」
葉月、
「それに…この…ル・モンドって…何…???」
奈都美、いきなり両目をキョロキョロと…。
「尾田君…、これって…話していいの…???」
「…って、なんであんたが尾田君から許しをもらう…???かかかか。」
葉月。
奈都美、舌をチラリと、
「あっ。そっか…。かかか。」
伸永、
「いいと思いますよ、ただ。」
資料を見ながら、弁当を食べ、そしてペットボトルのウーロン茶を一口、
「シークレットですけど…。」
木綿子、いきなり、
「何…???その…シークレットって…???」
般若の形相に…口をすぼめて…、葉月を見る。
葉月、右手を振って、
「私が知るわけないじゃん。」
奈都美、
「あのね。ここだけの話…なんだけ…ど~~。」
木綿子、葉月、
「うんうんうん。」
「営業の勝巳さん。ここ、辞める…らしい…。」
木綿子、
「へっ…???うそ。ほんと…???」
「うん。」
葉月、
「なんで、なんで…???」
「鞍替え…する…らしい…。」
「ど、どこによ…???」
木綿子。
「それが~~。ル・モンド。」
スマホの画面を指でトントンと。
木綿子、葉月、
「へっ…!!!!うそっ!!!マジ…???」
木綿子、
「え――――――――っ!!!」
「ユッコ、声、おっきぃ。」
「あっ。」
周囲を見て、
「ごめん…。思わず…。」
奈都美、
「しかも…勝巳さん…、専務に抜擢。」
葉月、
「うそ―――――――――っ!!!!」
奈都美、泣くように、
「カ~~ンちゃん…。」
葉月、詫びるように、
「あ~~はははは。は。」
奈都美、
「ふん。…で、今、尾田君がじっくりと見ているこの資料。キャンペーンのデザイン…考え中~~。このキャンペーンが終わったら…、会社辞めて~~。そっちに…。」

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