芳樹、
「しかも…、今回のキャンペーンは、今までにない、若者向けの…。いわゆる、10代、20代をターゲットとしたスィーツのキャンペーン。ほら、加瀬が新しい食品…。」
奈都美、
「あ~~。」
芳樹、
「今、どんな感じ…???」
「あ…。えぇ…、まぁ…何とか…いい方向に…。」
優里亜、
「……。」
芳樹、
「ただ、今回のキャンペーンは、さっきも言った通りに、今までにない切り口でって…考えてる。」
テーブルの上の様々なデザイン書。それを見せて、
「全~~部、駄目だし食らってる。」
「これに…、2週間…掛かってんの。」
優里亜。
「に…、2週間で、こんなにも…。…けど…。」
奈都美。
「ふん。なんとも、OKが出ない。」
翔、
「う~~っそ。」
テーブルの数枚のデザイン書を見て、
「みんな…凄ぇのばっかり…。」
芳樹も優里亜もそんな翔を見て…。薄く笑った感じで…。
翔、
「あっ。」
「…とは、思うんだけど…。」
優里亜。
「これでも…、駄目なんだ~~。」
伸永、
「この資料、数枚…借りて…良いですか…???」
優里亜、
「えっ…???あぁ…、うん…。好きなの…選んでくれる…???」
奈都美、
「尾田…くん…。」
伸永、
「分かんないけど…、コンセプトがないと、僕もイメージが…。」
芳樹、
「おぅ、頼めるか…???」
「…でも、…やってみないと…。今の…仕事もありますから…。」
「うんうん。分かってる。何とかお願いしたい。」
そして芳樹、両手を両脇に。
「このキャンペーンが、ここでの俺の最後の仕事になるんだ。」
翔、奈都美、
「えっ…???」
優里亜、
「勝巳さん。会社、辞めちゃうんだって。」
翔、
「辞めるって…。」
「まっ。この業界から身を去ることになる。」
奈都美、
「えっ…???」
優里亜、
「鞍替えするんですって…。」
プンとした顔で…。
奈都美、
「鞍替えって…。何か…。別の仕事…。」
優里亜、数枚の資料を見ながら、
「アパレルに転向。」
翔、
「アパレル…。」
「今度立ち上がるアパレル新ブランド、ル・モンドの専務に抜擢~~。」
その名前に伸永、
「えっ…。ル・モンド…。」
奈都美、
「へっ…???尾田君…知ってるの…???」
芳樹、
「ほぅ~~。」
伸永、
「えぇ…。確か、まだ、大々的には、リリースは…してないものの。フランスの著名なデザイナー数名が既に投資しているとか…。代表取締が、確か、並榎志穂梨(なみえしほり)…。」
芳樹、
「おやおや。」
優里亜、
「そう…らしいわね~~。」
と、素っ気ない。
奈都美、
「凄っ。なんで、尾田君、そんな事、知ってんの…???」
翔も、
「凄ぇや…。」
伸永、照れながら、
「実は…、姉ちゃん…、アパレルの…パートと、雑誌記者の…掛け持ちなもんで…。いろいろと…、情報が…。」
芳樹、奈都美、翔、
「へぇ~~~。」
芳樹、
「…まっ、そんな訳で、この仕事、しっかりと…終わらせねぇと…。」
優里亜、
「ねぇ~~。次期、専務殿~~。」
むすっとした顔で…。
翔、奈都美、顔を見合わせて。
芳樹、
「今のところ、他部署からの応援はないんだが…。その辺は…、何とか…。」
翔、
「はぁ…。」
頭を掻きながら…。
目を真ん丸に、そして口を一文字に奈都美。
伸永だけが、
「はい。分かりました。それでは…。」
出口に振り向いて。
翔、
「…って、おぃ。」
奈都美、
「ほんとに…、大丈夫なの~~???」
そんなふたりに伸永、
「はい。やってみます。」
翔、奈都美、お互いに両手を…。
「ふ~~ん。」
優里亜、
「翔~~。ありがとね~~。そして、ナツも~~。」
奈都美、変顔で、
「いえいえ。」
頭の中で、
「…そして、ナツも~~、が…、何とも…素っ気な~~。」
芳樹、
「幸村~~。頼むな~~。」
翔、
「あ。はははは。は~~い。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。