商品開発部に戻ってきた奈都美、葉月、木綿子、そして伸永。
その顔を見た途端に靖子、顔をクシャリとさせて…。
勇喜雄、口を絞って、腕組みをして、奈都美に、
「やっちまったよ。」
内海に顔を向いて…。
奈都美、
「へっ…???」
葉月、木綿子、奈都美の後ろから、
「何々…、どうし…???へっ…???」
靖子、口を捻じ曲げて。
向かいの席で立ち尽くす翔。膨れっ面をして、
「ふぅ~~~。なんで…。」
そんな翔の顔を見て奈都美、そのまま内海の席。
腕組みをしてむすっとした顔で、何かしら考えている風…。
奈都美、
「か…課長~~。七瀬…戻りま…。」
内海、いきなり体を起こして、
「おぅ~~。七瀬~~。」
そして、首の後ろを右平手でトントンと叩いて、
「あのな。さっき、〇〇区のスーパー、ムラコシの店長から電話が来てな。人気のクッキー&クリームドーナッツ。おまえの…。」
奈都美、
「あっ、はい。私が手掛けた…。5個入りの…。」
「中に…、ホッチキスの針…、入ってたんだと。」
その瞬間、奈都美、木綿子、葉月、
「うそ――――――――っ!!!!」
内海、話を続ける。
「女性客からスーパーに電話があったらしい。子供が食べて…。なんだか口の中がチクチクするって…。5歳の女の子だそうだ。」
青ざめる奈都美。
「様子が変だと思って、その女の子の口の中を見たそうだ。お母さんだろうな~~。」
奈都美、
「……。」
「口の中を見ると、ドーナッツの残りに交じって、ホッチキスの針が…。少し歪んで、口から出てきたんだと。」
その声にいきなり奈都美、体をグラリと。
内海、
「おぃ。」
けれども、その奈都美の体を…。
内海、
「お~~っと。かかかか。」
伸永が、奈都美の左側から咄嗟に支えたのだった。
内海、
「かっかかか、ナ~イスフォロー、尾田ちゃん。」
木綿子も葉月も、
「え゛っ!!!」
翔、
「うそ…。」
靖子、
「はぁ~~あ…。はっはははは。」
勇喜雄、
「てっへへへへ。」
奈都美、
「へっ…???」
そして、
「あっ。ごめん。」
隣で木綿子、
「おぅおぅおぅ。くくく。やってくれる~~。」
翔、
「ナツ…。」
伸永、咄嗟の自分の動きに、自分で驚いて、
「あっ。いや…。あれ…???」
恥ずかしそうに照れながら…。
奈都美、気を取り直して、
「す…、すみません…課長。」
「ん~~。とにかく、一大事。今まで、こんな事態…なかったからな~~。」
内海。
靖子、
「異物…混入…。」
翔、机の上を左手でバン、
「なんだって、もぅ~~。」
「その…客のおかあさんな~~。幸い、娘の口の中、針が刺さったら…。でもなくったって、切ったりしたら…。って、物凄い剣幕で…。って…。」
いきなり頭を項垂れる奈都美、
「あ~~~。」
そして両手で顔を押さえて。
木綿子、葉月、
「ナツ~~。」
内海、
「…で、今、その原因を…って事で。」
その時、奈都美、
「あっ!!!そうだぁ~~。フルレット~~。」
奈都美、いきなり自分の席に。そして取引先一覧を…。
その時、内海、
「お~~い、待てぇ~~七瀬~~。」
奈都美、
「へっ…???」
「確かに、原因を追究するのは分かる。けどな。今、一番やんなきゃいけないのは…。」
奈都美、内海の声に、
「あっ。女の子。」
「そうだぁ~~。商品を買ってくださったお客さんだ~~。しかも、万が一にも、他の商品にも、同じように…。」
奈都美、
「課長っ。」
「電話が来てすぐに、お馨さん。スーパーに向かった~~。全商品、回収だ~~。そして、女の子の自宅にも向かう~~。桐ケ谷(きりがや)さんはそれからでも遅くな~~い。」
そして、
「フルレットの社長、おまえの事…気に入ってんだろ。」
奈都美、ペコリと、
「はい。」
「よ~~し。んじゃ、行ってこ~~い。お馨さんには、俺から連絡入れとく~~。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。