「けどさ~~。いきなりゆずに…みどからユッキ、奪い取っちゃえなんて…。そもそも、ユッキがゆず…好きだって…???」
帰り道に尋音、万美に。
「いやいやいや。だって、ゆずがユッキ、好きなら、しょうがないじゃん。ユウマがゆずの事…、嫌いになるとは、思わないけど…。」
その瞬間、尋音の隣で歩いていた橙、
「へっ…???ユウマって…???」
途端に万美、尋音、
「わっ!!!」
「ねね、万美さん、尋音さん、ユウマって…、誰の…???」
キョトンとした顔で…。
尋音、小さな声で、
「ヤッバ~~。」
万美、いきなり両手をひらひらと…。
「ううん、ううん、なんでもない、うん…なんでもない。」
橙、目をキョロキョロさせて、
「ユウマ…、ユウマ…ユウマ…。」
数秒、
「わっ!!!!」
いきなりビクつく尋音と万美、
「お…っと~~。」
キョトンのその場の状況を見ている飛香、
「…???」
「もし…かして…。巽の…事…???ユウマって…???」
尋音と万美を見ながら橙。
万美、尋音、なにやら心配そうな顔して…。
「ユウマ…。うん。確かに、巽と初めて会った時、みんなから…ユウマって言われてる。…って、言ってた。」
万美、
「初めて会った時…???」
橙、
「うん。4年前だけど…。」
「さすが…、凄い記憶力…東大。」
尋音。
「いやいやいや…、それ…違うから…。単に記憶良いだけ。」
右手を振りながら万美。
橙、
「でも…、ユウマって…。どうして、万美さんと、尋音さん…???」
飛香も橙の左側で、
「ふん…???」
尋音、顔をくしゃりと…、
「やっば~~。」
万美、いきなりおでこに手を…。
「万美さん。尋音さん。」
ぴしゃりと橙。
万美、
「ん~~~。しゃあないかぁ~~。」
飛香、
「へっ…???」
尋音、
「万~~。」
「ふん。まっ、みども予想は…してんじゃないの…。多分…。」
尋音、低い声で、
「うん~~。」
「ちょっと…、そこ、座ろっか。」
万美。
駅の傍の休憩場所に…。
「実は…さ…。」
万美が橙に、翠が高校生の頃の事故の事を話す。
飛香、
「え~~~。そう…だったんですか~~。」
尋音、
「うん。…でも、これって…ゆずも…初めて雅楽に言った時に…。」
橙、
「うん。聞いた~~。」
「…でね。そのユウマって…人が~~。実は~~。」
今度は尋音、
「遊馬君って…事で…。」
その途端、橙、いきり目をまん丸くして…。
「巽が…チーフ…。そして、チーフの初恋の人…。」
「10年振りの…再会…って…、事~~。」
万美。
飛香、
「うそ~~~。凄~~い。」
「で~~~。肝心の…みど…。」
万美、
「みどに、直接…訊いたんだけど~~。どうやら…、みども~~。ユウマの事…。」
飛香、
「えっ、えっ…???…じゃ、みどさん、遊馬さんの事…。」
尋音、
「好…き…みたい。…けど…。いやいやいや…。この事…、まだ…私らしか…知らないから。」
「えっ…え…???…だって、今、しっかりと…ユッキさんと一緒に…。」
こちらも目を真ん丸くしながら飛香。
「ん~~~。まっ、別に、一緒に住んでいたとしても…。ねぇ…。他の人…好きになる事は…。その…人なりに…。」
両肘をテーブルに着けて万美。
橙、おもむろに顔を下に、そして低く、
「うっ…。うっ…。」
万美、右目を瞑って、
「…あ~~ゆず~~。や~~っぱり~~。」
尋音、
「ふぅ~~。夜の空を見上げて…。あ~~~。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。