「けどさ…。ゆずちゃん。おかあさんのそれ…辞めたって…。それとユッキと…どう…???」
首を傾げながら雅樂。
万美も尋音も橙を見て…。
「この前…、病室で話してたの。私が、お店…どうなのって…???」
橙。
雅樂、
「あぁ…。」
「そしたら、最近忙しくってさ~。誰かさんの御蔭で…。」
その声を聞いて、万美も尋音も、翠も、
「ぷっ。」
尋音、
「奈都の…インスタグラム。くく。」
万美、
「うんうんうん。」
橙、
「だから、今も、仕事終わって、帰ったら、店、手伝ってんだ。って…。たまにおいで、焼き鳥雅楽。…って…。」
翠、
「ふ~~ん…。」
そして翠、
「へっ…???いや…。それ…だけ…???」
「ううん…。」
首を振る橙。
「ユッキの…料理してるとこ、見てみたい。…そして、私も…真似みたいな…事…、出来たら…。」
万美、
「は~は~~ん。」
尋音、
「な~~るほどね~~。」
飛香、
「でも…、ルッポラだって…。」
その飛香の声に橙、首を振って…。
万美、
「ルッポラ、テーブルから厨房…見えないし…。」
飛香、
「あっ、そっか…。」
「ふん。ここだったら、作っているところも、作っている人とも、話…出来る。」
尋音。
「かかかか。その通りで…。」
そして雅樂、
「おぃ。折角焼いたの、冷めちまうだろうが…。」
その一言に、万美、尋音、
「わっ!!!」
そんなふたりとは違ってモグモグと食べてる橙。
その橙の顔を見て雅樂、
「けけけけ。」
飛香、
「ゆずちゃん、や~~っと、いつもの顔に戻った~~。」
尋音、
「ふ~~ん。抱えていた事…、口に出させたからかな~~。」
にっこりと。
「けど…、ゆず…。何度も言うけど、ユッキには…列記とした恋人のみどがいる。あなた…、みどとユッキ、一緒に住んでいるんだよ。」
翠、
「尋…。」
「分かってます。チーフとユッキ…、恋人同士っていうの…。だから…。邪魔…しないように…。」
途端に語尾を濁して。
尋音、
「邪魔しないよう…。」
その時万美、
「いいじゃん。尋~~。」
そして橙の顔を見ながら、
「ゆず。なんなら、みどからユッキ、奪い取っちゃえ。」
その瞬間、後ろの席で、
「ぶっ!!!」
それに驚いた万美、尋音。
そして厨房の翠、いきなりその客の方に…。
革ジャンを着た客。ビールのジョッキを持ちながら、
「あ~~いやいや。ごめん、すんません。いきなり、記事書いてたら、傍で、奪い取っちゃえ。な~~んて、凄い声がするもんだから、いきなり噴き出しちまって。…正に、その通り、そのフレーズ、頂きやす。はぃ~~。」
万美、低い声で、
「え~~~~。」
尋音、
「くくくくくくく…。」
そうしながら前に向き直る。
万美、尋音に、
「何…、、、雑誌者の人…???記者さん…???」
雅樂を見ながら…。
雅樂、
「あぁ…。週刊誌の記者さん。名前…、なんつ~ったか…???」
「それより…。」
声を低くして尋音、万美に、
「何言ってんの、みどからユッキ、奪い取っちゃえ。なんて…。」
その声に万美、今度は尋音に耳打ち、
「何言ってんの。みどの初恋の人、ユウマ。」
その声に尋音、
「あっ。そっか~~。うんうんうん。そうだった、そうだった。」
雅樂、
「ん~~~???」
飛香、
「おじちゃん、次、私、これ…。」
品書きを見て…。
雅樂、
「はいはい。おじちゃんに任せなさ~~い。」
尋音、
「へっ…???おじ…ちゃん…???…って…???」
雅樂、
「尋、何か文句あるか…???」
変顔の尋音、
「あ~~~はははは。いや~~~…。」

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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。