薫郎の見舞いを終えて通りを歩きながら3人。
「ゆずって…、あの子だろ、ジェシカのルーキーって…。」
雅樂。
翠、
「うん。」
「確か…、この前初めて店に来た、どこだかのレストランの店長、本条さん。」
「ルッポラ。うん。」
「そこんとこで、働いてんだろ、その…、遊馬ってか…人。…けど、その、遊馬って人の…アパートの隣って…言ってなかったか…あの人。」
「うん。私たちも…、そのことまでは…知らなかったんだ。まさか…アパートが隣同士って…。」
絃、
「あっ。だからユッキにも…そのこと…。」
「うん。」
その時、いきなり翠のスマホにラインの着信音。
「おっと~~。来た来た~~。」
絃、
「ゆず…さん…???」
「うん。…チーフ、連絡できなくってごめんなさい。今…起きました…。…へっ…???今、起きた~~???…おぃおぃ…随分…と、のんびり…。…とは…言っても…。」
絃の顔を見て、
「まっ、3連休だし…。…それに…、仙台…から…。」
そして画面を切り替えてすぐさま、指でポン。2、3回のコールで…。
「もしもし、ゆずです。…おはようございます。」
橙、何かしら元気のない声で…。
「どうしたの~~ゆず~~。メールしても、全然既読になんないし…、電話も繋がんないし…。」
絃の顔を見ながら翠。
「ごめんなさい。夕べ、部屋に戻って、チーフに電話しようと思ったら、バッテリー切れ…寸前で…。」
その声に翠、
「やっぱり…そうだったんかぃ。」
そのまま、橙からの声が途切れる。
「へっ…???…ゆず…???ゆず…???」
橙、翠の声に気付いて、
「…あ…、はい。」
「ど~したの…、元気ない声…。まっ、仙台から帰ってきて、ユッキの事でも…、かなり…疲れていると思うけど…。…でも、昨日のゆずとは…。」
そんな翠の声に橙、
「…あっ。あ…、はい。ううん、大丈夫です。」
そして、その途端、鼻水がグスリ。
翠、
「…ん…???どした~ゆず~~。もしかして…泣いてる…???」
目に涙を溜めて橙、
「…ん…。」
そして、
「ううん…。大丈夫。」
翠、
「ゆず…???」
絃も、眉を少し吊り上げて…。
橙、思いっきり泣きたいのを我慢して、
「…ん…。はぁ…。」
「ゆず。ゆず。何何々…、どうした…。」
もう…橙の声がない。翠、いきなり、
「ちょっ…、ちょ~~っと~~。」
絃、
「みど…???」
雅樂、
「ん~~。どうしたぃ。…なんか、穏やかじゃねぇな…。」
翠、
「あの子…部屋で泣いてる。」
絃、
「え~~~。」
雅樂、
「おぃおぃおぃ。」
「参った~~。」
翠。すぐに、
「ユウマの電話…。いやいやいや。病院じゃやばい。…けど…。念のため。」
そう言って、巽にラインでメールを送る翠。
そして今度は電話の履歴から…、
「本条珂帆…。」
そのまま指でポン。
5回のコールで相手が出る、
「はい、本条です。逢坂さん、おはようございます。」
翠、
「店長、おはようございます。すみません、いきなり電話で…。」
珂帆、
「いえいえ。」
洗濯物を籠に戻して、
「どうしたの…、何か…???」
翠、
「ユウ…、遊馬君の…アパート…どこか知りませんか…???」
その声に珂帆、
「えっ…???」
翠、
「ごめんなさい。今…、ゆずが…、部屋で…???」
珂帆、
「ゆず…ちゃんが…???」
「なんだか…泣いているみたいで…。」
「泣いて…。どうしたの…???」
「全く分かんなくって…。」
そんな翠の声に珂帆、
「な…、な…、何が…どう…???」

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