病室のベッド上で巽、雑誌を見ながら…、
「ゆずに…悪い事…しちゃったなぁ…。…ったく、かあさんも…、余計な事…。」
けれども巽、母親から言われた、
「巽っ!!!あんた、あの木葉さん、好きなのかい。」
そう言われて、いきなり、
「ドキン。」
実際、母親には…、
「いきなり、何言うんだよ。…んな事…。」
口を濁したのである。思わず溜息を突く巽。
「ふ~~~。」
そして片やこちら。既に誰もいなくなった個室の病室。
薫郎、
「なんとも…、広過ぎねぇか…。俺…ひとりで…。おぃおぃおぃおぃ。」
そのうちに、
「あいつ…、遊馬君、どうだったんだろ…。」
妙に橙の事が気になる薫郎。
「…なんか…、落ち着かねぇよな…。」
そして、仙台では…。
「ゆずちゃん、東京…着いたのかな…。連絡ないけど…???」
渚沙である。
「ん…ん~~…。」
右側に寝返りを…。左手を大きく前に…。
けれども、左手が落ちたのは…シーツ。
「…ん…???絃…、起きた…???…ん~~。早~~~。」
既に下に降りている絃。
流しで歯を磨いている雅樂に、
「おはよ、雅樂じぃ。」
雅樂、
「おぅ、おはよ。何、散歩かぃ。」
「うん。」
「気ぃ付けてな。」
「は~~い。…あっ、雅樂じぃ、ユッキ、10時で良いんだよね。」
「おぅ。仕入れの前に、見舞いに行く。…おめぇの方は…???」
「うん。今、大学は…夏休み~~。」
「かかかか。そうでやんした~~。」
「じゃ、行ってきま~~す。」
「おぅ。変な奴に引っ掛かんじゃねぇぞ~~。おめぇのアパートとは違って、駅…近ぇから。」
「わ~~かってる~~。」
うがいをして雅樂、
「それにしても、あれで、彼氏のひとりもいねぇってぇ言うのが、世の中…分からねえ…。」
顔を洗って、そして顔を拭いて、
「あの歳でよ、こうで、こうだよ。」
両手で胸の前で手を、そして、尻の方に手を。
「世の中の男は…。何やってんのかね~~。…そう…思わねぇかよ、おぃ。」
「…って…、誰に何、言ってんのよ、雅樂じぃ…???」
後ろから…声。
「へっ…???誰に何って…おめぇ…。」
いきなり、
「うぇぇぇぇぇぇ~~。びっくりした~~。おま…、そこ、いたのけぇ。」
翠、
「うん。」
「いつから…???」
「いつからって…。何、胸の前と、お尻で…???あの歳で…、何が…どうの…???世の中の男…???何の話し…???…だい…じょう…ぶ…???」
雅樂の顔の前に顔を付けて、そして雅樂のオデコに右手を。
「熱は…ないよね。」
その瞬間雅樂、顔を思いっきり顰めて、
「あったりめぇだ。」
そして、タオルを掛けて、
「そう簡単に、くたばって堪るけぇ。」
そんな雅樂に翠、
「かかかか、それより、絃…???」
「あぁ…。散歩、行った。まだ、その辺…歩いてんじゃねぇか…。」
「ふ~~ん。…あっ、雅樂じぃ、ユッキ、10時ね、頼むよ。」
「おぅ。絃もそのこと、言ってった。」
翠、
「かかかか。うん。」
そして翠、表に出て、通りの方に、右を…、そして左を。
「あっ、いたいた。絃~~。」
その声に振り向いて絃、右手を挙げてにっこりと。
駆け足で絃に翠。
「早~~。起きたら、もう、いないんだも~~ん。」
「気持ち良くってさぁ~~。目が覚めちゃった。はは。」
「うんうん。気持ち良い朝だよね~~。」
絃もにっこりと、
「うん。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。