病院を出て橙。けれどもゆっくり、ゆっくりと歩きながら…。
段々、歩く気力も…。
気が付いたら、タクシーの中、シートにどっぷりと背中を預けて…。
こちらも、時間ギリギリまで病院で薫郎を見舞っていた翠たち。
帰りはこぞって雅樂の店に。
絃、
「おかえり~~。」
翠、万美、尋音、
「ただいま~~。」
飛香、
「お邪魔しま~~す。」
雅樂、
「おっ、飛香ちゃん、いらっしゃ~~い。」
「はい。いらっしゃいました~~。」
にっこりと飛香。
「どうだったぃ、ユッキ。」
翠、
「ふん。さすがに、タフ。元気だった。はは。」
万美も尋音も、
「うんうん。…あれで…腹膜炎…???…って感じ。」
雅樂、
「へぇ~~。」
「明日、私も見舞いに行く~~。」
絃。
翠、
「ふん。私もいいよ、病院…案内する。」
「どっちにしても、明日から3連休だし…ねぇ~~。」
万美。
「それはそうと…、ゆず…、ユウマ…。どうだったんだろ…???」
尋音。
「メールは…、まだ…来てないけど…ねぇ…。」
そんな尋音に翠、メールを…。
けれども、幾ら経っても既読にならない。
「おっかしぃなぁ~~。」
そして、電話しても見るが、
「…電源が入ってないか…、電波…。」
翠、
「まさか、あの子、バッテリー切れ…???」
「いやいやいや。今時…、それは…、ないと思うけど…。」
尋音。
「ふん。とにかく、みどが電話しても、繋がんないんじゃ…。週明け…か…。」
万美。
「あ~~ん。ゆずの住所、聞いておくんだった~~。」
翠。その瞬間、
「あっ。」
雅樂、翠を見て、
「……。」
万美、
「どしたの…???」
絃も、
「……。」
翠、
「あ~~。いやいやいや…。もしか…して…。ルッポラの…本条さん…知らないかな…???…な~~んて…、思ったりして…。はははは。」
変顔で…。
その話に万美、
「あ~~ん。な~~るほど…。」
焼き鳥を焼いている雅樂。
そして、4人にそれぞれ飲み物を運んでいる絃。
「とにかく、お疲れ~~。」
尋音。
両隣でジョッキをカチン。
尋音、
「あっ。そうそう、絃…、みどと一緒…???」
その声に絃、
「あ~~い、この前から、一緒に寝てま~~す。」
「かかかか。速攻で、寝ちゃうでしょ、みど。早いかんね~~。」
万美。
翠、
「うるさい、万っ!!!」
「かかかか。うんうん凄い。喋ってたのに、声掛けたら、もう寝てる。早~~っや。」
その声に飛香、
「へっ…???へっ…???うそ。そんなに早いんですからみどさん。」
「ん~~。多分、5分…以内でクァ~~~。」
尋音。
飛香、口をすぼめて、
「すごっ!!!」
万美、
「そんなんで、どうやって、ユッキとエッチする…???」
いきなり雅樂、
「ぶっ!!!」
瞬間、尋音、
「きったな~~い。焼き鳥焼いてんのに~~。」
雅樂、尋音の顔に、頭を撫でて、
「すぃやせん。しつれい…しやした。」
飛香、
「かかかかかか。」
翠、万美の両頬を横に引っ張って、
「もぅ~~~~。」
万美、
「痛、痛、痛い痛い。痛い~~。」
「でも…、ユッキも…寝るの…早いって…。みどさんと…変わんないくらい…。」
お通しをそれぞれに配りながら絃。
尋音、
「うそっ。それって、初めて聞いた~~。」
「聞かないから、言わな~~い。」
すぐにお通しに箸を付けて翠。
万美、
「なんで…???」
「いや…、なんでって言われても…。…それ…私に訊く…???」
万美、尋音、
「当~然!!!」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。