薫郎、そんな橙を見て、
「ごめんな~、ゆず~~。」
橙、溢れだしそうな涙をぬぐい、そして唇を尖らせながら、
「もぅ~~~。びっくりしたじゃん、いきなり具合悪くなるんだもん。どうすればいいか、分かんなかったよ。」
目を腫らせながら…。
「さっき、先生から聞いた~~。腹膜炎。ユッキの場合は、急性なんだって。」
薫郎、
「急性…。」
「うん。いきなり激しいお腹の痛みだったから…。」
「あ~~、うん。今まで、こんな事…なかったもんな~~。初めてだよ。」
「食事はできないらしい…。でも、今もやってるけど、点滴で治療だって。入院になっちゃう。」
その声を聞いて薫郎、窓側を見て、
「そっか~~。入院…。」
そして橙の顔を見て、
「どのくらい…???」
「うん。一週間から二週間って…言ってたけど…。」
「あっちゃ~~。一週間から二週間。…まじぃ~な、こりゃ。」
「あとで、矢萩リーダーに電話する~~。」
「ん~~。」
病院から出て、歩きながらスマホからマップを…。
「…おっと。ナイス。」
手を挙げて、止まったタクシーに、
「すみません。………丁目…番の…フレバーまで。」
座席に落ち着いて、
「ふぅ~~。さてと。」
バッグからビジネス手帳を取り出して蘭。
「腹膜炎…。」
スマホを耳に田島川博陽。
「大変でしたね~~、木葉さん。…えぇ~~。ジェシカの矢萩さんから1時間前に連絡ありまして…。内容の方は…。……はい。はいはい。北原病院。はいはい。分かります。…そうですか~~。うん。」
そして一拍置いて、
「ウチの者、そちらに向かわせます。杉浦さんの事も心配ですが…。あなたの方も、このまま病院で…と、いう訳には…。こちらにいらっしゃい。私はこれから、ある雑誌社の編集者と会う約束あります。その後にでも…。社長と一緒に。はははは。社長、楽しみにしてましたよ、木葉さんと会えるのを。」
「ほんとですか~~。」
いきなり笑顔になる橙、スマホを耳に。
そしてベッドの薫郎に、右手でOKサイン。
薫郎、にっこりと笑って頷く。
「はい。はいはい。すみません。御手数お掛けします。…でも、専務に甘えて、良いんでしょうか。……あっ、はい。分かりました。」
薫郎に舌をペロリと出して。
「ありがとうございます。では…、お待ちしております。はい。失礼します。」
そして通話を切って。
「わお。他の患者さんいなくって助かった。検査かな…???ユッキ。田島川専務、会社においでって。」
薫郎、
「へぇ~~。」
「フレバーの人、ひとり、迎えによこすって。」
「凄いじゃん。」
「社長、私と会えるの待ってたんだって。」
「かかかか。そっか~~。うん。」
その時、着信音。
「あっ。えっ…???この番号って…???…誰…???…もしもし…木葉です。」
「ゆずか。俺だ。」
橙、その声に驚いて、
「お…、おじちゃん…。あっ、いや…。院瀬見マネージャー。」
薫郎、その声にいきな目を見開いて、口をすぼめて。
橙、
「あ…、はい。はい、は…。え~~~~!!!!」
思わず頭を押さえて…。
「あ…。いや…。え~~。そんな…事…、出来るんで…すか…???」
薫郎、
「…???」
椅子に座りながら、スマホを耳に惇哉、
「病院の方には、私の方から連絡…入れておく。ユッキ、いや…、杉浦の容態次第だが、すぐに手配する。」
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庄司紗千 きっと大丈夫
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