「雅樂じぃは、分かんないよ。お店入ってきて、ものの1分で、出て行った人だから…。」
テーブルを拭きながら絃。
雅樂、
「なんだそりゃ…???そんな人…いたか…???」
「背が…高くって…。」
そして目を…瞳だけ右左に…、
「かっこ良かった。」
「は~~あ…???」
「180…は、あったかも…。」
「へぇ~~。180…。…ったら、院瀬やんと…、おんなじ…くらいか…。」
そんな雅樂に絃、
「ん~~。院瀬見…さん…。うんうん。…かも…。ん~~。見た感じ…、みどさんと…同じくらい…の…年齢…かな…???」
「ふぇ~~~。」
そして、少し黙り込む絃。
雅樂、
「……。…っとおぃ、絃。…おま…、そこで…黙ってどうする…???」
絃、
「へっ…???」
「あ、いや~~。話しの途中だろ…。」
「へっ…???あっ、そっか…。かかかか、ごめ~~ん。」
雅樂、
「いやいやいや…。…ったく、おめぇ…、調子狂うだろ。かかかか。」
「ほら。この前、みどさん、裏の玄関で眠ってたとき、あったでしょ。あの時、玄関まで、みどさん、送ってくれた人。」
その話に雅樂、
「へっ…???」
記憶を辿って、
「あ~、あ~。そんなとき…あったな~~。なんでみどが玄関で寝て…、な~~んて、思ってた…。…え~~。それ…、その…遊馬って、人…送ってくれたんかぃ。」
絃、
「ふん。」
雅樂、
「ふ~~ん…。寝ているみどを…その人…が…。」
と、口を尖らせて雅樂、数秒…、
「へっ…???どういぅこったい…???」
そんな雅樂に絃、
「さぁ…???」
雅樂、頭の中で…、
「…みど…。あいつ…。」
病室で達樹、
「ぐっすりと…眠ってんな~~。」
知美、
「え~~。多分…疲れたんでしょ。いつもは動いている人が、今じゃ、ベッドの中。それに、朝からいろんな人が見舞いに来てくれてたから…。ほら。」
病室のいろんな場所に、お見舞いの頂き物が…。
「いろんな人からいろんな話。当然、本人はわずかしか…動けないから…。その分、違う神経…使うでしょうし…。」
「まっ、そうだな…。」
巽は寝息を立てて眠っている。
「この子、巽…。」
達樹、
「ん~~???」
「好きな女の人…いるんじゃないかしら…。」
「はぁ~~あ???」
「レストランの人以外にも…、全く関係ない会社の人たち。しかも…女性だけでの…お見舞い。」
「ふ~~ん…???かあさんが言ってた、少し前までいた、綺麗処かぃ…???」
知美、
「…うん。」
「逢坂…さん…以外にも、なにやら巽を凄い気に掛けてくれてる女性…、いたみたい…。」
「ほぅ…。」
帰宅途中にコンビニで買ってきた弁当を食べ終わって、シャワーを浴びて、
テーブルの上でファッション誌を広げて、そしてノートを取りながらの橙、
ふとスマホのライン。
昨日までの巽へのメール、既読になっていなかったのが…ようやく既読の文字。
そして今朝の巽からのラインが、
「ごめんな。連絡できないで…。」
それからは…メール…、途絶えている。
ほんのりと目を潤ませて橙、
「巽…。」
ショートパンツにTシャツ姿。バンダナを頭の真ん中で結んで…。
鼻の下にはボールペンを挟ませて…。
「来週は…、ユッキと…仙台か~~。」
体育座りになって。両膝に両手を回して抱くように…。
尖らせた唇で…、
「ニュ~~。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。