ルッポラの窓側の席で美味しそうに料理を食べているひとりの女性。
薫郎
「へっ…???…あれって…ゆず…???」
ふとその場で立ち止まり、
「ふ~~ん。」
何かしら店の中を覗いているような…。
歩道上で立ちっぱなしの薫郎。
店の店員が料理を食べている橙に気軽に笑顔で話し掛けている。
「へぇ~~。」
そうと思ったら、今度は男性が橙の席に、
「えっ…???あれ…。確か…ウチにデリバリーで…。それに…あの人って、確か、ここの店員…。はっ…???」
そして、その男性、橙の向かいの席に座って橙と話ししている。
「はい…???あの…男、ゆずの…知り合い…???」
しかも、満面の笑顔で、それに茶目っ気たっぷりに、男性と話しをしている橙。
薫郎、
「おぃおぃおぃおぃ。どうなってんの…あれ…???」
頭を傾げながら薫郎。
そんな男性を前からの女性ふたり連れ、じっと見ながら、何かしら不思議な目で…。
けれども全く、気づかない薫郎。
「何々、何々、どうなってんの…???ゆずの…彼氏…???」
会社では絶対に見せないような笑顔。両手を叩いて笑っている。
そこにまた先ほどの店員。
「何、この店、ゆず、常連客…???」
その席を通り過ぎる店員も橙に優しく手を振り、他の席に。
「どういう事…???」
腕を組んで薫郎、
「わからない…。」
そしてようやく足を前に進める。
薫郎を追い抜いて通り過ぎるカップル。
薫郎に振り向きながら、何やら怪しい目付きで…。
それを見た薫郎、
「おっと。」
必然的に歩みが早くなる。
「ヤバヤバ。」
腕時計を見て、既に21時30分を回っていた。
「腹減った~~。」
いつもの玄関の方向には曲がらずに。店の玄関の方から、ガラリ。
「いらっしゃい…。あら、ユッキ。おかえり。」
絃。
その声で後ろを向く翠、万美、尋音、
「はい。お疲れ~~。」
厨房から雅樂、
「おぅ、お疲れ。」
薫郎、変顔で、
「腹…減った~~。」
雅樂、
「かかかか。まだ、飯、食ってねぇか…。」
「ほぃ。私の横で良ければ~~。」
いつもの翠の隣の席には他の客。万美が隣の自分のバッグと尋音のバッグを持って。
薫郎、
「サ~~ンキュ。」
そしてふたりのバッグを抱えながら。
「そ~んなんで飲んで、食べれる訳ないでしょ。ほぃ、生。」
絃がジョッキを薫郎の前に、そして薫郎からバッグふたつを持って厨房の中に。
薫郎、
「サ~~ンキュ。あ~~、絃ちゃん、この前の料理、ありがと。すんごい、旨かった~~。ニッ。」
絃、
「へへへへ~~。ありがと。雅樂じぃからも褒められた。お店で出すって~~。さっきも、その話、みどさんたちと話してた。」
「うんうん。あれはいけるよ。うん。」
「ほ~~い。とにかく乾杯、おつかれ~~。」
万美。
薫郎、
「ほぃほぃ。かんぱ~~い。おつかれ。」
「ユッキ、メールもしたけど…、ロンド、分納OKねぇ~~。」
翠。
「うんうん。サンキュ~です。…でさ。」
その声に3人、
「…ん…???」
「思いっきりのサプライズ。」
「サプライズ…???」
また3人。

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