「…で、ユッキ…???…ここで、仕事…???」
物凄い気さくな真奈美。
その声に薫郎、
「あっ。いや…、その…、取引先から…。いわゆる…、打ち合わせの…待ち時間って…とこで…。」
「ふ〜〜ん。その方、ここに来るの…???」
「いえ…。打ち合わせ場所は、まだ…。」
「んじゃあ、ここ、座んなさいよ。」
そう言いながら、座っている席から隣の席に移って真奈美。
「私たちも、今、来たばかり。ちょっと休憩よ。」
薫郎、
「いやいやいやいや。そんな…。」
「ユッキ、社長の言う事、聞く聞く〜〜。」
忍。
薫郎、
「いや…。そんな…。参ったな〜〜。」
笑顔の真奈美。
その顔を見ると、
「すみません。はい。お言葉に甘えます。」
真奈美、
「よろしい。ふふ。すみませ〜〜。」
ウェイトレスを呼んで、
「この方の飲み物、ここに持ってきて下さる…???」
ウェイトレス、
「かしこまりました。」
そして席に座った薫郎に真奈美、
「しっかし、ヤマチ、あの人、凄いよね〜〜。とにかくかっこよすぎ。」
その言葉に忍、クスクスと。
真奈美、
「私、長年、この仕事しているけど…、あ〜んな営業の女性、初めて見た。私…、今、還暦前だけど、ヤマチ、あの人、これから社長にでもなるんじゃない…???」
恐縮しまくりの薫郎、
「はははは。ありがとうございます。伝えておきます。」
「かかかか。冗談よ、冗談。ふふ。…ん〜〜。でも、これは言える。頼もしいアパレル会社、見~つけたってね〜〜。頼むよ〜〜ユッキ〜〜。」
そう言って薫郎の背中をバンと。
薫郎、
「うわっ。」
忍、
「はははは。」
薫郎、
「三笠さ〜〜ん。」
和やかな話題が流れる席。
たちまち時間は過ぎ、やがて薫郎のスマホに…、
「あっ。すみません。ちょっと…良いですか…???」
真奈美、コクリと頷き。
そして数秒後、薫郎、
「豊崎社長、三笠さん。そして矢ノ倉さん。お時間割いて頂いて、ありがとうございました。失礼します。」
真奈美、
「うん。頑張れユッキ。またね〜〜。」
3人にまた一礼をして、その場を離れる薫郎。
そして外に出て、
「いやいや、びっくりした〜〜。こういうことって、ありか〜〜。肝、冷やした〜〜。」
そして取引先との打ち合わせを終えて、電車を乗り継いで、タクシー。
いつも通り慣れた通り、ところが渋滞であるはずもないのだが…車が動かない。
運転手、
「おっかしいですね〜〜。この時間帯…、こんなに…。」
すると、遠くの方から何やら緊急車両のサイレンの音。
「あら。…って事は…、前で…事故…???」
タクシーの運転手。
「お客さん、こりゃ、ちょっとやそっとでは…。」
薫郎、
「かかか。事故なら、仕方ないよね。うん。ありがと、ここで良いです。」
「すいません。」
そしてタクシーを降りて、歩き出そうと…。
「ははは。なんとも偶然なことで、ルッポラのすぐ手前。」
そして、
「さて。歩くか〜〜。」
そして、
「ふ〜〜ん。お店、お客さん、入ってるよね〜〜。」
と、その時、薫郎の目に入ったひとりの姿。
薫郎、
「あ…れ…???」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
