テーブルに就くと女性、にっこりと笑って、
両手の平を男性に向けてひらひらと。
巽、その瞬間、
「なんなの…???このピュア感…???半端な…。」
そして椅子から立ち上がり、
「今日は、本当に、ありがとうございました。お蔭様で、助かりました。とんでもない事になるところでした。」
そんな女性に巽、
「いやいや。…でも、あの受験票、君ので良かった。仮に、届けようと思っても、何処に届ければいいのか…。かなり焦った。ははは。横断歩道、走ってる女の子見たから、もしかして、って…思って。」
「ごめんなさい。そして、ありがとう。横断歩道の近くで、風が吹いて、ちょっと目にゴミが入って、体が揺れて、男性にぶつかって…。その拍子にバッグが肩から、そして中のものが歩道にバッ。全部拾ったと思ったんだけど…。挟んでいたんだけど、風で…。」
巽、そんな風に話す女性ににこりとしながら、
「そっ。うん。でも、良かった。ちゃんと渡せて。」
「ありがとうございました。…あっ、すみません。何か…お飲みに…???私も、今さっき、ここ…着いたばかりで…。」
巽、
「あ~~。じゃ、僕は…アイスコーヒーで…。」
女性、
「はい。」
にっこりと。
そして、
「すみませ~~ん。」
そしてオーダーをして女性。そして、男性の前に財布から一枚の名刺を…。
女性、
「私の名前です。名刺になります。どうぞ。」
巽、
「名刺…???仕事…、してるの…???」
「いえいえ…。私の…プライベート名刺になります。まだ…高校…。卒業してませんから…。」
その瞬間、巽、
「そ…。そうだよね~~。びっくり…。名刺って言うから、仕事か…って。」
女性、
「いえいえ…。」
そして名刺を見て巽、
「…ん…???…このは…。とう…さん…???…とう…???」
女性、
「このは…ゆず…と、読みます。」
「ゆず…???」
巽。
「はい。木に、登ると書いて、ゆずです。」
「木葉…橙(ゆず)さん。」
「はい。木葉橙と申します。」
「へぇ~~。なんだか…、凄い、可愛い名前。」
橙、
「ありがとうございます。はは。初めて言われた。」
「えっ…???うそ。うん。ほんと。凄い、可愛いよ、この名前。」
ソーダ・フロートをストローで飲みながら橙、にっこりと。
女性の名刺を見ながら巽、
「へぇ~~。名前も可愛いけど、この名刺も、めちゃくちゃ可愛いね。」
その声に橙、
「ありがとうございます。良かったら…、差し上げます。」
巽、
「えっ…???」
橙、
「どうぞ。」
照れながら巽、
「じ…、じゃ…。ありがたく…。」
橙、
「はい。」
「あ~~。ごめん。僕の…名前…。」
そう言って、テーブルの上を…。そして自分のポケットを…。
「……。ペン…。」
橙、
「あっ。」
そして、また自分の名刺を出して、その裏を表に、
「はい。」
そしてボールペンを男性の前に…。
巽、
「あっ。…ごめん…。…じゃ…。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。